［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［戦闘:エイド3］OK.　［スキル］OK.　

泰元６年１０月１６日


瀬古大社は、大八洲の上方──かつて都のあった地方──に、近い場所に位置した。
海には面しているがそれは内海、面して聳える山によって、
海が近いという印象の割に、海風は柔らかく、気候は一年を通して温暖だった。
山々の中、かつて風神が降り立ったと言われる一帯を聖地として抱え、
その山の斜面に沿って、内海を見下ろすようにして、瀬古大社はある。

かつては風神信仰で栄えた土地でもあったが、
神族への信仰も弱まった現在では、古い町並みと穏やかな気風ばかりが残る。

それでもここには神族がいて、深谷の故郷がある。


電車を数本乗り継ぎ、最寄り駅からは徒歩で十数分ほど。
出迎えに出てきた富郷への挨拶もそこそこに部屋に通され、そこで深谷は、鵠と対面している。

富郷は深谷同様に年齢を重ねていたが、鵠の姿は全く変わらない。
神族にとって、10年、20年程度の時間など、問題にもならないし、
人間の生に価値を感じないものも多かった。
しかし、鵠は違う。


鵠は、健康長寿、航海の安全を司る。
だからこうして気遣ってくれるのが常のことだった。
神の愛は一方的で、不変のものだ。差し出すものの多寡を問わず向けられるそれが
厭わしかった事もある。
だが、今はそれが、言いようもなく嬉しかった。


言葉が詰まる。

色々な事があった。
世界に期待をしては失望し、欲した全てから手を離すことを選んだ。
一人になり、酒にも溺れ、自分を気遣う事も忘れて。
だが、清を拾い、その様子を見るうちに、それを思い出した。

神と人の、間に立つものとしての矜持。
親しい人の間で暮らしたいという欲求と
この世に何かを残したいという望み。
鵠への──神への愛着は薄れ、穏やかな信仰だけが残る。

そこまでの、あまりにも長い旅路。


言葉となって出たのは、あまりにも単純な言葉だった。
だが、鵠はそれらを汲んだように頷く。


深谷は頭を下げた。
やはり戻ってきて良かったし、自分の全ては無駄ではなかったと思えた。
これでいい。
これで良かったのだ。

---

二つ目の頼みは、清の神社への受け入れだった。
禰宜……神族の実在を知り、仕える事のできる人間は、大八洲においては厳しく管理されている。
神の人智を越えた力に心酔し、自助や互助の精神を助ける者が、歴史においても後を絶たなかったゆえだ。
だから無断で弟子を取り、妖怪や神族に引き合わせることは、強く禁じられていた。
今の深谷のように。

だが、鵠はそれを許してくれた。
人の間で禁じられていても、神族が許せば話は別だ。
直々に名を与えてくれたとあっては、人の側も駄目だとは言えない。
そういうわけで、深谷の所属を戻す手続きに加え、清を権禰宜として受け入れる手続きまですることになった。


富郷は頭を抱えている。
神との話はついても、人の間で話をつける必要はある。
清は瀬古神社に所属することになるから、この社の者がそれを取り纏めねばならない。
必要なことを書き終えた書類を手渡し、深谷は意地悪く笑った。


そして、その取り纏めを行うのは、今は富郷になっているらしい。
書類仕事に日々忙殺されている、というのは嘘ではないらしく、
前髪が随分後退していることに気付いたが、あまりに哀れなので指摘せずにおく。


富郷は相変わらず真面目だ。
だが、鵠などの神族に対するときの態度は、深谷に比べ気安い。
そういう所も変わっていなさそうで、帰ってきたという思いがより強くなる。


そんな感慨に浸っていたところだから、耳慣れない名前が上手く頭に入らなかった。
首を傾げる深谷に、富郷は溜息をつく。


そう言って富郷は、かいつまんで説明した。

鵠は以前、異界に繋がる書物を手にしたのだという。
それによって数年、鵠は行方知れずになり、戻ってきた時には、新しい眷属と、異界の人間を一人連れてきたのだと。
その人間が神族に召し上げられ、御子神も二人生まれた結果、瀬古大社には今、五柱の神がいると、そういう話だった。


神族は常に神社にいるわけではない。
神社は神に祈りを届ける場でしかなく、神社にいない場合も多い。
数年、あるいは数十年、下界に来ない事もざらにある。
だから、鵠がしばらく神社に来なかったという話も、驚く事ではないのだが。


そう言われるとぐうの音も出ない。


こことは異なる世界と、この世界が重なり合うこと。それを蝕、あるいは界蝕と呼んだ。
異界との繋がりは短く、小さなものがほとんどだが、時に思いもよらない災害を引き起こすことがあるという。
だが記録の上では、ここ五百年ほど起きていないとされていた。
深谷にとっては、歴史上の、実感の湧かない災害そのものだ。
それが数年前に起きた。今後も起きる可能性があると、富郷は言う。


そもそも神族が増えるというのも、ひどく珍しい事だ。
付喪神などの下級神は生まれては消えを繰り返しているらしいが、それらは妖怪と区別がつかないほどで、
神族の間で認められるものは、滅多に現れないと聞いている。


蝕で渡ってきたものとはいえ、鵠の眷属なら無視もできない。
異界のものと話が通じるのか、会って平気なのかと顔を歪めた深谷に向かって、
富郷は和やかに続ける。


まさかこの年になって、これまで培ってきた常識が崩れ去るとは思ってもみなかった。
禰宜は神族に仕え、神秘を知る。
自分は知っている側だという思い上がりが、あったことは否めなかった。
だが、まだ知らない事が、いくつもあったらしい。

今まで目を背けていた世界の変化に、これからは直面することになりそうだ。

---

富郷に送り出され、深谷は外へ出た。
冷たい風に、かさついた落ち葉が舞っている。
顔にかかる落葉を軽く手で払って、深谷は、富郷に示された方へ向けて歩く。

外つ神は、社の裏手を、御子神と共に散歩している頃らしい。
異界の神も散歩をするだとか、御子神に対してどう振舞えばだとか
考えながらも頭を離れないのは、深谷を取り巻く世界の広さだった。

余生を過ごす気でいたのは深谷だけで、世はこうも生き生きと、形を変えて続いている。
今の深谷にとって、それは救いだった。
深谷が何をしようとも、大局は変わらず、あるがままに回っていく。
鵠は深谷を必要としてくれるが、それも今だけのことで、深谷と関係なく長い時を生きるし
清も近いうちに、深谷の手を離れるだろう。

滞ることのない流れに乗りながら、そこに自分の証を残せるというのは、何と幸せな事だろう。


道なりに歩けばいずれは会えると、その言葉通りに歩を進めながら、
深谷はふと、頭上を見上げた。

10月のこの山にしては妙に落葉が早く、多かった。
これも蝕の影響なのか、それともただ単に、今年の瀬古が寒いだけか。
結論を出すでもなく考えながら、深谷は枯れ葉を踏んで歩いた。

ENo.17 サクマ とのやりとり


ENo.165 フェデルタ とのやりとり


ENo.533 冷泉といちか とのやりとり

ItemNo.10 ケーキのようなもの を食べました！
　体調が 1 回復！（16⇒17）
　今回の全戦闘において 器用10 敏捷10 耐疫10 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

命術LV を 5 DOWN。（LV35⇒30、+5CP、-5FP）
時空LV を 10 DOWN。（LV10⇒0、+10CP、-10FP）
自然LV を 5 DOWN。（LV5⇒0、+5CP、-5FP）
使役LV を 20 DOWN。（LV35⇒15、+20CP、-20FP）
付加LV を 39 DOWN。（LV70⇒31、+39CP、-39FP）
料理LV を 55 DOWN。（LV55⇒0、+55CP、-55FP）

魔術LV を 30 UP！（LV0⇒30、-30CP）
変化LV を 15 UP！（LV10⇒25、-15CP）
装飾LV を 99 UP！（LV0⇒99、-99CP）

悪夢の残滓(275) とカードを交換しました！

歪なる魔弾 （デスブロウ）


ティンダー を習得！
カームフレア を習得！
クリエイト：ダイナマイト を習得！
アドレナリン を習得！
コントラスト を習得！
ファイアボルト を習得！
カタラクト を習得！
クリエイト：ファイアウェポン を習得！
火炎避け を習得！
ヒートイミッター を習得！
火の祝福 を習得！
アブソーブ を習得！
セイクリットファイア を習得！
サモン：サラマンダー を習得！
レッドゾーン を習得！
マナバースト を習得！
グレイシア を習得！
サモン：ビーフ を習得！
フェイバリティズム を習得！
イグニス を習得！
ブレイドフォーム を習得！
ビッグウェイブ を習得！
詠唱追加 を習得！
凍結耐性 を習得！
再活性 を習得！
サモン：エンチャンター を習得！
グリモワール を習得！
グラトニー を習得！
生殺与奪 を習得！
レーヴァテイン を習得！
星火燎原 を習得！
ディープブルー を習得！
堅牢堅固 を習得！
火霊力 を習得！
火特性回復 を習得！
サモン：イフリート を習得！
護符作製 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

不浄の滝(158) は 柵 を入手！
不浄の滝(158) は 毛 を入手！

アライ区 F-5（草原）に移動！（体調17⇒16）
アライ区 F-6（沼地）に移動！（体調16⇒15）
アライ区 F-7（沼地）に移動！（体調15⇒14）
アライ区 F-8（山岳）に移動！（体調14⇒13）
アライ区 E-8（沼地）に移動！（体調13⇒12）

［842 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［448 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［201 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［400 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［325 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［240 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［174 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［96 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［142 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［131 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［251 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［32 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［110 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［62 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［72 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［55 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［27 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［46 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［23 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




　




　








　






着物の裾を上げ、脚を見せる。

表面がドロドロし、変色している。

　








ふたりの全身をじーっと観察するカグハ。






ふたりの裾を戻すエディアン。

　

　

　






　

　

　

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