［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［戦闘:エイド3］OK.　［スキル］OK.　

　曰く、この国には『竜守』よりも竜に近い人間がいるらしい。
　曰く、彼らは他国で『災厄』の兆候が見つかるたびに 英雄候補を絞り込むらしい。
　曰く、彼らは『英雄選定人』と名乗る。

「……ヴァネッサ教官もその一人だと、そう仰っているんですか？」
「そうだ」

　牢から出され、案内されたのは小さな部屋は 部屋というよりも物置といった様相をしていた。彼女はリオネルに向かって、装備一式 ―― 具体的には肌着とチェインメイルと無骨な盾と 赤と黒を基調としたサーコートと、同じ色合いをした帽子 ―― を投げつけた。
　戸惑って動かずにいると、舌打ちがひとつ飛んだ。着替え始めれば、彼女は満足気に頷くのであった。

「その『英雄選定人』が、どうしてオレを釈放することが出来るんですか」
「釈放ではない。表向きには追放刑だ。……まだ早かろうに」

　表向きには。
　どういうことか未だに分からず、怪訝な顔になっていた。そんなリオネルの様子を見て、ヴァネッサはわざとらしくため息をついた。

「貴様は選ばれたということだ」
「……。オレが？ どうして」
「どうしてもこうしてもあるか。私から見れば貴様はまだまだだが、フロランタンの奴が独断で貴様を『英雄』に推薦している。そして他の連中から、強い反対意見は出ていない。他に適正のある人間がいないから致し方ない部分はあるが」

　フロランタンとは知らない名前であったが、おそらくその人物も『英雄選定人』のひとりなのだろう。

「けれどヴァネッサ教官は反対しているんですよね」

　知らない人間から推薦されていて、知っている人間から消極的な反応をされている。それが何故なのか、リオネルには分からなかった。知っているからこそ反対しているのだと気づいていない。

「その通りだ。私としては反対ではあるがな、既に向こうはそう言っていられない状況になっている。だからこそ、私の反対は棄却されている。貴様はまだまだだが、技術だけで見れば本物だからな」
「……教官から、そんな風に言われるなんて思いませんでした」

　『名無し』の間しか接していない筈で、『名無し』だった時の戦闘訓練を見れば 今のような言葉は出る筈が無いと踏んでいる。

「そのフロランタンっていう人はどうしてオレのことを？ 知り合いでもないのに」
「貴様は知らずとも、フロランタンは貴様のことを よぅく知っているだろうさ。貴様が戻ってくる可能性も否めないから、詳細は伏せることにするが」
「…………何でわざわざ、追放刑に見せかけるような真似を」
「分からんことを分からんと言う前に一度考えて欲しいものだが……貴様の場合は多少致し方無しか。実際のところ、貴様の立場であれば他にも手はあったのだが。『竜守』出身の英雄は前例が幾つかあって、表向きにも知らせている」

　ここで一度、ヴァネッサはリオネルの顔を一瞥する。これで分かったか、とでも言うように。しかし、違和感こそ覚えたものの、リオネルは 彼女が何を言いたいのか、未だに掴みきれていない。

「本来この手は、『灰掻き』や『竜殺し』共が英雄候補になった時に使うものだ」
「え。……『灰掻き』って、今まで英雄になった例が無いんじゃ、」
「反骨者が必要とされることもある。そうした者の多くは『灰掻き』等から現れる。しかしこの事実を伝えれば、『灰掻き』共の在り方が変わる可能性があるから隠蔽……まったく、糞未満のやり方だ。言っておくがこれについては我々がどうにか出来ることではない。どうにかやめさせることが出来ないかずっと模索しているが」

　それを一言で表現するのであれば、思考が乱れた、といったところか。ヴァネッサの言葉に、何かを返そうとした、その時に。

　この在り方に疑問を持っていたのは自分だけではなかったのか、否、自分はこうあるべきだと考えていた。誰も間違っていない、『灰掻き』も『竜殺し』も？ この国の人間は全員が英雄候補なのだから ―― その言葉に間違いが無いのであれば、『竜殺し』も、それを騙る偽物共も英雄候補だというのか？ ―― 誰も、間違っていない。調和竜も、自分も、皆、皆。

　膝をつく。以前にもこんなことがあったような。そんなことは無かったような。

　　たびにでたあとで
「 洗脳が解けた頃に 、どうせ分かるようになる。だから今は考えるのをやめろ。私が今言った事も、一度忘れて構わない。今の貴様にはおそらく、考えることも儘ならない分野だろうからな。どうせ聞こえていないだろうから言うがな、今貴様がそんな風になったという事実が、『英雄適正』のひとつだ。思い出した時に、心に留めておけ」

　考えることを止めれば思考の乱れは落ち着き、最後には妙な既視感だけが残った。

「……。ヴァネッサ教官」
「ほう、案外早く立ち直ったな。続けろ」
「どうしてオレが、英雄に？」
「言っておくが今回の英雄については、現時点では適任が貴様しかいない。……どうせ詳しい話は、向こうで奴が話すだろうから私から言わん。それを聞けば貴様にも必ず分かる。貴様は最後まで大陸史を受けていたから特にだ」
「奴って……」

「我らが『親愛なる』調和竜だ。身支度は済んだな？ついてこい」

　有無を言わせず、木の枷を付けるのであった。









　国の中心にあたるM-5区画の さらに中央。
　宮殿の形に整えられた竜の巣。
　連れられた先はどうやら、その中央のようだった。
　元『竜守』は、調和竜を見上げる。それは家より大きく、丁度 硝子細工に似たような姿をしていた。これほど近くで見たことは無い。
　木で出来た手枷をつけたまま、元『竜守』は跪く。
　色無き竜は語る。それは嘗て『名無し』の時の講義でも聴いた話。



「その国には水も草木もなく、人々は協力という言葉も知らず 細々と暮らしていた。
　荒れ果てた国を見て、銀竜は狂い災いを引き起こした。
　小さな村は砂嵐に吹き飛ばされた。
　大きな町は炎に焼かれた。
　国の中心の街は残ったが、ますます人々の間で争いが絶えなくなった。

　絶望する銀竜を止めるため、我々は『英雄』を かの国に送ることにした。
　彼女こそは『不幸喰らいの英雄』。
　かの国の絶望を、不幸を、喰らい集めて 最後には銀竜の手で討つ。
　そうすれば銀竜の狂気は和らぐだろう、と。

　『不幸喰らいの英雄』は、中心の街の人々の争いごとを解決して回った。争いで失われたものを調達した。壊れたものを直した。『不幸喰らいの英雄』は、死んだ人間は蘇らせることが出来ない。彼女は、死んだ人の数だけ墓を作った。仕上げに残された人々に宿った絶望を "喰らった"。
　『不幸喰らいの英雄』は炎に焼かれた町に赴いた。生き残った人々の火傷を "喰らった" 。『不幸喰らいの英雄』の身体は代わりに焼かれた。火傷の治った人々と共に、焼かれた町を立て直した。『不幸喰らいの英雄』は、死んだ人間は蘇らせることが出来ない。彼女は、死んだ人の数だけ墓を作った。仕上げに、人々に残った恐怖を "喰らった"。
　『不幸喰らいの英雄』は砂嵐に吹き飛ばされた村の跡を訪れた。そこに生きた人間はいなかった『不幸喰らいの英雄』は、死んだ人間は蘇らせることが出来ない。朽ちた亡骸を見つけては墓を作った。
　銀竜が狂う前よりも平和な国になるように、『不幸喰らいの英雄』は進み続けた。

　災禍を "喰らう" ことが出来るのは『不幸喰らいの英雄』だけ。それを知っているからこそ、かの国の人間は『不幸喰らいの英雄』に協力的だった。

　長き時を経て、無数の屍を越えて、ついに『不幸喰らいの英雄』は国の絶望を、不幸を、を喰らいつくした。
　その時には、『不幸喰らいの英雄』は災いそのものとなった。
　国の災禍を集めた『不幸喰らいの英雄』は、銀竜の巣に向かい身体を捧げた。
　『不幸喰らいの英雄』を討ち、銀竜は再び眠りについた。

　その銀竜は再び目を覚まし、再び災いを齎した。

　お前は、二人目の『不幸喰らい』だ。
　かの国 ―― 草木も生えず、水も無く、唯一豊かな宝石と金属を持て余して全て貨幣として使うことしか出来ない イェルデ共和国で。我より授ける『不幸喰らう力』を使い、再び災いを鎮めろ。努々忘れるな、これは失敗の許されないシメイだ。
　幸い、今 かの国には『点繋ぐ力』を持った、ランドルフという名の男がいるという。彼と合流すれば、シメイを果たすことはそう難しくあるまい。……英雄に成れ、リオネル」




　せんのう
　信仰 に侵されていたからではなく、その役目の重要性を理解していたからこそ、断ることが出来ない。本当に自分にそれを成す力があったかどうか 自分では分からなかったものの、自分に出来ることがあるのであればと。

　元『竜守』は跪いたまま、迷うことなく答えた。















　それから間もなく、一人の英雄が国を救うために 灰被る国を出た。
　それを知る人間は殆ど居ない。




　……。
　…………。

ENo.9 タマキ とのやりとり


ENo.19 狭間の死神 とのやりとり


ENo.388 ユイノ とのやりとり

ItemNo.13 あゆの塩焼き を食べました！
　体調が 1 回復！（25⇒26）
　今回の全戦闘において 活力10 敏捷10 強靭10 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

シエ(11) から 桃 を受け取りました。

領域LV を 10 DOWN。（LV10⇒0、+10CP、-10FP）

変化LV を 15 UP！（LV15⇒30、-15CP）
料理LV を 5 UP！（LV11⇒16、-5CP）

シエ(11) により ItemNo.26 すごいお肉 から料理『すごい焼き肉』をつくってもらいました！
　⇒ 技巧料理！［ 6 4 2 = 12 ］成功！料理の強さが増加！
　⇒ すごい焼き肉／料理：強さ331／［効果1］攻撃30 ［効果2］防御30 ［効果3］増幅30

裏葉(1288) とカードを交換しました！

スヴィニール （スヴィニール）


プレリュード を研究しました！（深度0⇒1）
プレリュード を研究しました！（深度1⇒2）
プレリュード を研究しました！（深度2⇒3）

ブレイドフォーム を習得！
オーバーウェルム を習得！
連携攻撃 を習得！
百薬之長 を習得！
グラトニー を習得！
シュロム を習得！
プランダー を習得！
トニック を習得！
千変万化 を習得！
ムスケルクラフト を習得！
ウィッシュカード を習得！
ワイルドインスティンクト を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

シエ(11) は 変な金具 を入手！
不幸喰らい(546) は 変な金具 を入手！
シエ(11) は 不思議な布+1 を入手！
シエ(11) は 不思議な布 を入手！

シエ(11) に移動を委ねました。

チナミ区 D-2（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

MISSION!!
リュウジン区 L-3：チェックポイント《果物屋》 を選択！
　　 - シエ(11) の選択は リュウジン区 L-3：チェックポイント《果物屋》

［866 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［445 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［194 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［397 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［310 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［221 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［160 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［90 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［137 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［128 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［196 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［28 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［58 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［32 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［58 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［39 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［8 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

「うぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ！！！！」

　

　

　

「ひぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ！！！！」

　

　

　

　

　

　

突然の絶叫と共に、チャットが閉じられる――

チェックポイント。

仄かな光に包まれた六角形の柱が立っている。

　

･･･柱から滲み出るように、何かが生み出される。



　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！