［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［戦闘:エイド3］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

　……。



　牢の中に時計は無い。窓も無い。
　時間の感覚が失われそうになる。
　看守が蝋燭を取り換えた回数を数えることにした。
　これで14回目。
　今日も、……否、これが今日の出来事なのか 昨日の出来事なのか 区別はついていないが、兎に角、……無為に 話を聴き続ける。
　聴き続ける。答えない。
　話す意義を、感じない。





「昨日と変わらねぇぼんやりした面しやがって。
　なあ、知ってるか？
　今、『竜守』たちがどうなってるか。
　手前が引っ掻き回してくれたおかげで散々だ」

　―― 引っ掻き回したのはどっちだ。

「けど仕方がない。
　手前は最初から怪し過ぎた。
　10歳で『守護者』になった。
　12歳でそのまま『竜守』にのし上がった。
　なぁ、全部言わなくても分かるだろ？
　手前は随分賢いんだからよ。……皮肉も含みも全部分かるだろ？」

　―― 賢くなくとも分かる。何度もオマエから聞いている。
　―― きっとこれはオレだけじゃない、『竜守』たちにも言っている。

「……っと、次が控えていたな。
　手前に言いたい事がある奴は幾らでもいる」



「……私は今でも信じられない。
　リオネルが裏切り者だなんて。
　だって、仮にあんたが裏切り者だったとして。
　あの日の襲撃で私を護り続けていた理由が分からない」

　―― 当たり前だ。オレは、裏切ってなどいない。

「リオネルは……『竜守』の中でも、特に優秀だった。
　そんなリオネルが『竜守』から抜けようとしていて、
　周りも皆、それを良しとしていて、
　考えれば考える程 私はどうしていいかも分からない」

　―― それなら、何を伝えに来たんだ。

「私の方でも……調べてみようと思っている。
　リオネルがどうにか、贖罪を終える方法を」



「ああ、やっぱり切り捨てて正解でしたね」

　―― オマエはそういう奴だよ。

「いいですか、リオネル。
　私が貴方を頼っていたのは、貴方が便利そうだったから。
　『名無し』の時から、そうすると決めていました。
　貴方は才能も無いのに馬鹿みたいに研鑽を続けていました。
　けれども神の言葉には熱心に耳を傾けていました。
　謀には長けておらず、疑うことが下手。
　こんなに便利な駒、他にそうそう見つからなかったんですよ」

　―― 全部、自覚している。
　―― 謀るのは苦手だ、疑うのは苦手だ。
　―― きっと、そうでなければ自分は今頃こうなっていなかった。

「けどまあ、途中から駄目だって気づきましたよ。
　貴方、ずぅっと私と関係ない事に気を取られてばかりだったでしょう。
　そんなことしなくて良かったんですよ。ええ。
　ただ貴方は私にとって便利だったらそれで良かった。
　そうじゃないから、こうなるんです。
　そういうわけで私は貴方を護るのを止めました。
　私は『神子』ですからね。
　その気になれば貴方をここから出すことも出来ます
　勿論、そんなことしませんよ。私の立場が危うくなるでしょう」

　―― だったら、何故わざわざ。

「とはいえ、同じ区画、同じ年生まれのよしみです。
　最後にちょっとくらいは言葉をかけた方が良いでしょう。
　下等生物に『神子』の慈悲が投げかけられているわけです。
　ですから、もっと喜んでくださいよ。無意味ですけれど」

　―― こいつの話を聴くだけ、無駄だ。

「ねえ、リオネル。いい加減に喋ってくださいよ」



「やっと、こっちに顔を出せた。
　ねえ、リオネル君。私は貴方のことを凄く評価していたの。
　『守護者』見習いだった時も、同じ見習いと比べて頭一つ実力が上だった。
　私が『閂』になるのと貴方が『竜守』になるのはほぼ同時だった。
　『守護者』をしていたのは私が先だったのにね。
　それを悪いと思ったことは無かったわ。
　それくらい貴方は、誰かを護るというのが得意に見えたから」

　―― ああ、この人が何を言いに来たか。分かった気がする。

「嘘だったんだね」

　―― この人は間違っていない、

「どんな汚い手を使い続けたの？
　どうやって『守護者』の中に潜り込んだ？
　それとも『守護者』や『竜守』になってから裏切った？
　答える必要は無い。
　どっちにせよ、お前は許されない。
　私がこの手で引導を渡したいくらいだけれど、それは許されないらしい」

　―― 正しく反逆者に言葉を投げかけているんだ。

「お前の頭に『神子』どもの祝詞をブチ込んでほしくて仕方がない。
　お前の背に数えきれないほどの傷痕を残したくて仕方がない。
　お前はただの『竜殺し』と違う。
　お前は竜に近い立場に居ながら竜を裏切った。無限に死ね、裏切り者が」






　今日の面会を終えた後、リオネルは牢に戻された。
　今やリオネルは反逆者だ。それも『竜殺し』の一員だった疑いがかけられている。『竜守』という、竜に近い立ち位置だからこそ 単なる懲罰房行きでは済まない。
　それは他ならないリオネル自身にも分かっている。仮に『竜守』の中に『竜殺し』が紛れていれば、そうした措置を取らざるを得ないだろうと。
　しかし彼は『竜殺し』ではないし反逆した覚えも無い。

「盛況だな。今日は何人だ」

　面会から戻ってくるなり、向かいの牢から声。
　自分と共に捕らわれた『竜殺し』、―― 正真正銘の反逆者。

「……煩い」
「そうかい。だったら当ててやろうか」

　不機嫌そうな声は続く。

「テメェを随分妬んでた『竜守』デュマは、今日もまだ来ていたかもしれねぇな。
　といってもそいつは長居しなかっただろう。
　行動パターンを考えると『竜守』ジョエルも来たかもしれねぇな。
　ああ、もしかしたら『白』の奴も顔出せたか。
　今日、アイツはM区で例の下らねぇ言葉を聴かせることになっていただろうからな。
　それより何よりそろそろ『閂』のルニエが顔出す頃合いだな。さぞ苛烈な――」
「煩いと言っている」

　声は思いの他響いた。向かいの声は、話すことを止めた。

「オレを嵌めて裏切り者に仕立て上げて、そんなにオレが気に食わないか？」

　今まで深く考えたことは無かった。
　しかし、どういう訳か今は言葉を吐き出すことが出来た。

「オマエ達『竜殺し』が、単なる有象無象でないことは知っている。
　それがどうした？
　オマエ達に理念があったとして、その理念は何を成した？
　オマエ達は無関係な人間を傷つけなかったかもしれねぇが、オマエ達の勝手な行動は寧ろ余計な争いを生んでいる。『竜殺し』の模倣犯がいる……オマエも知っている筈だ」

　『名無し』だった時に見た 露店通りの騒ぎを思い出す。
　それは『竜殺し』自身の手で生み出された惨劇では無かったが、同時に 『竜殺し』が居なければ起こり得なかったのではないか。
　偽物どもは『竜殺し』を名乗っていたのだから。
　『竜殺し』という存在があったから、彼らは規律を破った。

「オマエ達『灰掻き』が苦境に立たされているのは、他の奴らを死なせてもいい理由になるのか？ 違うだろう？ なぁ！」

　昔の彼は自分と同じで、誰かを護りたいのだろうと思っていた。
　彼は護りたいからこそ規律を守れない人間だと思っていた。だからこそ相容れず だからこそ全否定も出来ない。
　今の彼も同じだとは、とても思えない。

「オマエ達が軽率な行動を取るから、却って苦しむ人が増えているんじゃないか！」

　リオネルの言葉を、彼は黙って聴いていた。
　片方しかない目を向けて、ずっと、聴いていた。
　リオネルはそんな彼から目を背けた。

「やっぱり気に食わねぇよ、『守護者』どもは。……勿論、テメェら『竜守』も」

　声は相変わらず不機嫌なままだ。
　薄暗い中、鎖が絡む音がする。彼は酷く痩せた手で檻を掴んだ。

「テメェらは守れない人間がいるってことから目を逸らし続けている」

　彼と再び目が合う、……嘗てと変わらない灰色の目よりも、『名無し』時代には無かった がらんどうの眼窩がやけに目立った。

「『守護者』の定義は何だ？この国の治安を維持することだろう？
　テメェらは本当にそれが出来ていたか？
　ああ、きっとやれるだけのことは やっていた。
　僕ら『竜殺し』が『神子』を殺そうとしても、『偽物』どもがその辺の人間を殺そうとしても、平等に止めようとしたんだろうさ。それが『中』での出来事である限りはな」

　―― そうだ、オレは何も知らない。
　―― 知らないことがどうしようもなく歯痒いと、知っているオマエに想像がつくか？

「なぁ、『竜守』リオネルよォ。テメェは一度でも、『外』で無残に潰されていく『灰掻き』達を見たことはあんのか？？？」

　―― それともオレは知ることを諦めているのではないか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　せんのう
　取り戻しかけた意志は、長きに渡る 信 仰 によって捻り潰された。







　『橙』と『黒』の声は途切れた。












　それからどれほど時間が経ったか分からないまま。牢が開く。

「『橙』、……いや、リオネル。出ろ」

　声の主を見上げた。
　なぜ、その人物が牢を開けることが出来たか、分からなかった。
　彼女はそれほどの権力を持つ立場ではなかったと認識している。



「……ヴァネッサ教官？」

ENo.285 日明と月夜 とのやりとり


ENo.881 えるざ とのやりとり


ENo.978 杏里 とのやりとり

ItemNo.14 エナジー棒 を食べました！
　体調が 1 回復！（25⇒26）
　今回の全戦闘において 活力10 防御10 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

変化LV を 5 UP！（LV10⇒15、-5CP）
合成LV を 5 UP！（LV0⇒5、-5CP）

シエ(11) の持つ ItemNo.10 吸い殻 に ItemNo.8 何かの殻 を合成し、駄物 に変化させました！
シエ(11) の持つ ItemNo.12 毛 に ItemNo.23 吸い殻 を合成し、駄物 に変化させました！
シエ(11) の持つ ItemNo.14 毛 に ItemNo.27 吸い殻 を合成し、駄物 に変化させました！

シエ(11) により ItemNo.13 お魚 から料理『あゆの塩焼き』をつくってもらいました！
　⇒ 技巧料理！［ 5 6 1 = 12 ］成功！料理の強さが増加！
　⇒ あゆの塩焼き／料理：強さ110／［効果1］活力10 ［効果2］敏捷10 ［効果3］強靭10

源五郎(1464) とカードを交換しました！

カースワード （カースワード）


アルヒェ を研究しました！（深度0⇒1）
アルヒェ を研究しました！（深度1⇒2）
グリモワール を研究しました！（深度0⇒1）

フェイバリティズム を習得！
ハオマ を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

シエ(11) は 百日紅 を入手！
不幸喰らい(546) は 柚子 を入手！
シエ(11) は とげとげ を入手！
シエ(11) は 毒液+3 を入手！

シエ(11) に移動を委ねました。

ウシ区 R-4（チェックポイント）に移動！（体調26⇒25）

［861 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［444 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［193 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［397 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［305 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［216 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［156 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［79 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［134 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［128 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［182 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［28 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［48 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［22 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［49 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［0 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




　

　

　

　

　

　




　






　

　

　

　

　

　







　

　

　

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