［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［戦闘:エイド3］OK.　［スキル］OK.　

　……。



　『竜殺し』を見つけたあの日、結局彼を捕えることは出来なかった。『中』に戻ったリオネルは確かに応援を求めたのだが、誰一人応じなかった。『守護者』達は全員、次のように答えた。
　自分たちが働く場所は『中』であって、『外』は関係ない。
　彼　ら　は　間　違　っ　て　い　る　が、
　彼らは間違っていないのだから、

　―― 冗談だろう？

　等とは、とても言えなかった。
　ただ、彼らが間違っていないと感じつつも 自分の行動が間違っているとも考えられず、結局どうすればいいか決めることが出来ずに終わった。

　『外』に赴いてからしばらく経ったが、苛烈な襲撃は見られていない。
　『竜守』たちの間で沸き立っていた裏切り者の噂を聞くことも無くなった。

　―― 妙な疑いをかける奴、いなくなったのかもしれないな。

　謀の類いに適正を持たない故か、はたまた生来の気質によるものか。リオネルはこの事実を正の方向に捉えている。しかし彼が見失った真実は、彼が信じるほど綺麗なものではない。
　気付かないところで今も尚、動いている。
　　　　　　　　　　　　　　　　　ネージュ
　今日も『神子』の言葉を聴く日だが、『神子』に護衛を頼まれたりもしなかった。他の区に行く予定も無い。『講堂』は全ての区画に存在しているため、M区画で済ませた。向かう途中も、『講堂』で言葉を待っている間も、誰かがずっとリオネルに向けて囁いていた。

「棒立ち騎士が」
「外の区画が襲われていても何もしない木偶共が」
「立っているだけで何もしない人形が」

　特に何も感じることは無い。
　この程度のことは、日常的に言われている。たとえ負傷者を背負っていたとしても、自らが負傷していたとしても、必ず誰かに同じことを言われるのだから。それが当たり前だと思い込んでいる。
　言葉を聴き終えればこの日もひとり、鍛錬を行い、恙なく終える。ここしばらくは鍛錬の頻度が減っていたが、鈍ってはなさそうだと判断した。本来であれば客観的に確認して貰った方がいいのかもしれないが、そのための相手が捕まらなかった。
　『竜守』の宿舎に戻っても、皆が慌ただしく駆け回っている。大規模な襲撃が起きた時に比べれば、これでも落ち着いた方だ。だからこそリオネルはこれを、良い傾向と捉えてしまった。彼が見える範囲だけで判断しても 平時と比べれば決して落ち着いている訳では無かったというのに。彼の見えない範囲で何が起こっているのか、分かりはしないというのに。
　すれ違う者は誰も目を合わせない。それ自体はいつものことだったから、違和感を覚えることが出来なかった。目を合わせないどころか、目を逸らす者までいたことに気付けなかった。仮に気付くことがあったとしても、違和感を覚えることは出来なかっただろう。『竜守』は『竜守』である前に この国の人間であり、この国の人間にとって信用できる者は調和竜だけであり、それ以外の者は全員が『英雄』候補で対立し得る存在であり、つまりは目を逸らされる程度のこと さほど珍しい話ではない。
　それが異常なことだと気づけない。

　守番の日も、普段と変わらない。
　ただ構え、張り詰めた時間を過ごす。
　襲撃と表現するほど規模が大きいものではなく、刺客と呼ぶにも貧弱な、それでも襲撃者と称することしか出来ない者が数名現れた。灰まみれの服を着た人間が、薄汚れた円匙を手に正面からやってきた。

　―― なんで、こんなところに『灰掻き』が。

　『灰掻き』達は、『外』との出入り口がある国の外周近辺にいることが多い。『硝子職人』の工房が多い国の北側……A区からE区近辺は、『灰掻き』達も多い。

　―― いや。アイツらを『灰掻き』と思うな。あれは、『竜殺し』だ。

　実際に、『竜殺し』が『灰掻き』達のテリトリー内で講釈する様子を見たことがある。数多くの『灰掻き』が各地で襲撃を行ったことがあるのも、知っている。
　守るべき人間が実際は敵であるということも、ここでは珍しくない。
　そう言い聞かせて、盾を構えた。
　この国の人間は全員が英雄になるための教育を受けている。無論、『灰掻き』達も例外ではない。しかし、現れた襲撃者は『灰掻き病』でも患っているのか、酷く噎せながら近づいてきている。彼らはとても戦える状態には見えない。
　普段通りの連携が取れれば、問題なく捕らえることが出来るだろうと踏んだ。
　『竜殺し』のひとりと目があった。痩せた手で円匙を握りしめている。必死の形相で、しかしこちら側から見れば酷く緩慢な動きで それを振り回した。リオネルは盾で受け流す。よろめいた『竜殺し』に対して足払いをかけ、転倒したところを捕縛。する筈だった。
　違和感を覚えた。覚えた違和感は殺気に近い性質のそれだった。リオネルの背後から、別の『竜殺し』が円匙を突き出していた。死角から迫った円匙を盾で防ぐ。

　―― 違う。

　直前まで気付くことが出来なかった。普段と変わらなければ自分の背後には『竜守』が誰か控えている筈だ。しかし、それが無かった。

　―― 普段と違う。

　襲撃そのものが普段と違う、訳ではない。『竜守』達の動きが、違う。
　奇襲を防ぐ間に、捕縛し損ねた『竜殺し』は再びこちらに得物を振り下ろしている。そちらの相手をしている間に、もうひとりの『竜殺し』が気配を殺して迫る。捕縛する暇もなく、防御に回る。

「何をしてる！ 早く捕らえろ！」

　そんな罵声が聞こえる。声の主はただ得物を手に構えているだけで、

　―― 捕らえろ、じゃねぇ。

　等と、言う暇も無かった。
　辛うじて防ぐことが出来ている。しかし、防ぐことしか出来ていない。
　懐かしさすら覚える状況だったが、そんなことを考えていられる状況ではない。

　―― 誰もオレを守りに来ない。

　『竜守』のひとりが誰かを捕縛する。その間にもう一人、手の空いた『竜守』が 背後を守って奇襲に備える。そうして回っている筈が、誰もリオネルを守ろうとしない。
　襲撃があまりに苛烈でそれどころではない……といった様子でもない。

「―― 随分信用されてねぇなテメェ」

　そんな声が目の前から聞こえた。目の前から声をかけられるまで、気付くことも出来なかった。長い黒髪が一瞬だけ見えて、瞬きをした時には気配が消えていた。気配を見つけることが出来ない中で、左後ろから声。

「大方、慣れてねぇ調査でもしてたんだろ」

　咄嗟に盾を構えれば、彼の持つ円匙とぶつかった。
　濃い灰色の目がこちらを睨めつけている。長い黒髪と痩せた体躯は、比較的最近目にしたばかりのそれであった。

「―― 相変わらず上手くやれねぇ奴」

　『外』の酒場で見た時以上に苦い顔で、彼はそう吐き捨てた。防ぐ隙をついて、
　どこか遠くから声が聞こえる。

「裏切り者だ」

　裏切り者の噂など信じなくなったのではないか。
　どうして今、こんな言葉が出たのか。誰が言ったのか。分からない。

「道理で、……アイツの守番で襲撃が多い訳だ」

　次に聞こえたのは、聞き覚えのある声だ。自分が何か手柄を立てる度に怨嗟の言葉を投げかけ、同じ仕事をしている時でさえ協力を拒もうとする。
　しかし彼も『竜守』としての意識は本物だと認識していた。
　そんな彼がどうして今、このようなことを言ったのか。理解、したくない。

「彼は、鍛錬もせずに他の区に向かうことが多かった」
「噂にずっと囚われていた」
「裏切り者だ」
「本当に裏切り者だった」

　声が広がっていく。
　既に他の『竜殺し』は撤退していて、戦っているのは自分ひとり。
　何が起きているのか、

　―― 分かりたくない、けど、

「いい加減気づけよ、テメェは『餌』になっちまったんだよ」

　細い声と共に、黒髪の『竜殺し』による円匙の打撃。バランスを崩した。

　―― 幾ら何でも、もう分かってる。
　―― オレが裏切り者だと思われている。

　誰も裏切り者の噂など信じなくなったのだと思っていたが、そうではないのだと遅れて気づいた。
　裏切り者の前で裏切り者の話など、する筈が無い。
　バランスを崩しながら、視界の端に黒髪の『竜殺し』を捉えた。気配を消そうとしていたが、完全に消えていない。手を伸ばして円匙を奪う。その隙に、リオネル、『竜殺し』共々、『竜守』達が捕らえていく。

「逃げろ！！！！」

　黒髪の『竜殺し』は叫ぶ。叫んだ後に酷く噎せている。……おそらくは、『灰掻き病』。叫んだ相手は、きっと先ほどまで共に攻めていた別の『竜殺し』。声を聞いて、気配がひとつ離れて行く。
　『竜守』たちは、それを気にかける様子も見せない。

　彼らは目の前にいる、史上初の『竜守』出身の『竜殺し』を捕えることに必死だった。

　拒むことは出来ない。
　彼らは間違っていない。
　きっと自分の目の前に『竜守』出身の『竜殺し』が現れれば、自分も同じ行動をした。

　リオネルという人間は、護るべき人間がいなければ何も出来ない。



　……。

ENo.9 タマキ とのやりとり


ENo.19 翠眼の怪物 とのやりとり


ENo.180 ちわわ とのやりとり


ENo.388 ユイノ とのやりとり


ENo.581 ツクシ とのやりとり

ItemNo.14 パーフェクトパフェ を食べました！
　体調が 0 回復！（30⇒30）
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

守護者の姿が消え去った――

　

　

六角形の柱から天に向け、赤色の光柱が立つ。

どうやら次元タクシーで行けるようになったようだ。

お魚（50 PS）を購入しました。
エナジー棒（30 PS）を購入しました。

変化LV を 5 UP！（LV5⇒10、-5CP）
料理LV を 5 UP！（LV6⇒11、-5CP）

ツナグ(148) とカードを交換しました！

天体観測 （ドロール）


コンテイジョン を研究しました！（深度0⇒1）
コンテイジョン を研究しました！（深度1⇒2）
ミゼラブルメモリー を研究しました！（深度1⇒2）

ラッキータイム を習得！
肉体変調特性 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

シエ(11) は 不思議な布 を入手！
シエ(11) は 不思議な布 を入手！
不幸喰らい(546) は すごいお肉 を入手！
シエ(11) は すごいお肉 を入手！

次元タクシーに乗り ウシ区 R-4：チェックポイント《古寺》 に転送されました！


シエ(11) に移動を委ねました。

ウシ区 S-4（森林）に移動！（体調30⇒29）
ウシ区 S-5（森林）に移動！（体調29⇒28）
ウシ区 S-4（森林）に移動！（体調28⇒27）
ウシ区 S-5（森林）に移動！（体調27⇒26）
ウシ区 S-4（森林）に移動！（体調26⇒25）

［861 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［443 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［192 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［393 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［295 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［214 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［150 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［72 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［131 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［121 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［151 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［12 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［46 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［3 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　

　

　




　




　



　




　

　

　




　

　

　




　

　

　




　

　

　

チャットが閉じられる――