［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

今回の日記も例によってEno.831の茅芽笹子氏の日記とリンクしています。
http://lisge.com/ib/k/now/r831.html



　十二月といえば師走である。
　師走には三つの大きなイベントが眠っている──大晦日、クリスマス、そして誕生日。

（まだ一年か……）

　昨年の十二月二十四日のことだ。栄転してきた先の新たな仕事場に、潤いを求めてガジュマルと門松を購入してから、一年しか経っていない。クリスマスに彩られた街に繰り出して、ささやかな忘年会を楽しんだのも。お高いホテルのレストランでグラスを傾けたような気もするが、気のせいだろう。知り合ったのは、笹子さんの部下としてイバラシティに来てからだ。流石にそこまで親しくなるには時間が短すぎる。
　とはいえ。

（悪くない年だった。悪くない……）

　三大師走イベントのラストを飾るのは大晦日だ。その前にはクリスマスが控えており、予断を許さない状況が続くが、正しい順序でいけば、まずやってくるのは誕生日だ。冷静に対処する必要があるだろう──十二月十九日。それはすなわち、偽黒初こと自分自身の誕生日であり、これを上手く切り抜けるための作戦を練らねばならない。
　昨年は早すぎた。誕生日に早いも遅いもあったものではないが、知り合って間もないタイミングで迎えた誕生日を祝う者はいない。現に笹子さんも祝ってくれなかった。単に知らなかっただけかもしれないが。
　今年の誕生日が昨年と比べて最も大きく違うのは、一年間で積み重ねたアドバンテージの有無だ。
　元旦には初詣で鉢合わせ、ヴァレンタインではチョコケーキを食べ、花見に向かい、七夕を愛で、山を舐め、温泉にこぎつけた。月に踏み出した一歩よりも大きな進歩だと自負しているし、正直なところ、ここまで上手くいくとは思っていなかった。人間関係は職場の悩みにおける不動の地位を確立する大問題であり、怖いほどスムーズな進展には、何かしらの作為──上位自我とか──を感じないこともない。

（それは違う）

　それは違うらしい。であれば、単に幸運が続いているだけか。どちらにせよ、この手の問いは考え出せばきりがない。
　目線と思考を手元に引き寄せる。益体もない空想に耽るのも良いが、それは年末年始の祝日連休にでもとっておくとしよう。備えるべきは誕生日だ──即ち、どう祝われるか。祝った側も嬉しいような祝われ方をしたい。

（祝われ方が分からない。それが弱点だ……どう祝われるのが正解か全く分からないなんてことがバレたら困るからな……）

　ここ三日ほど悩んでいるのがそれだ。『誕生日　祝われ方』で検索したところで、正気に戻ったのがつい二十分前のことだった。正解がインターネットに存在しないことに気づけたのは、間違いなく己の直感のおかげだ。失敗から多くを学んだ結果、現実的な手段として、誕生日プレゼントを貰う前提で、いくつかの状況を事前にシミュレートして備えることにしたのが十分前のことである。この短い時間の中で、確実に成長している実感があった。

（よし。じゃあまずは意趣返しの可能性を考慮してカタログギフトを受け取った時のシミュレートから行くか）

　自分が貰って嬉しいものを贈るのが贈り物バトルの礼儀だ。その点、笹子さんの誕生日にカタログギフトを選んだセンスはギリギリイリーガルプレゼントに認定されてもおかしくはない。自分が欲しいものを選ばせるという押し付けは、プレゼントバトル協会の間でも長く議論の的となっている。
　とはいえ、笹子さんは紳士──紳士協定の意味合いであり、厳密に言えば淑女であるが──であるからして、反則スレスレのテクニックを使ってくるとは思えない。カタログギフトの線は無いと考えるのが妥当だろう。

（気づいたぞ……じゃあ次だ。別の物……何かあるか……？）

　師走の夜は長い。




　翌日の朝は寝坊しかけた。前日にあんなことを考えていたのが原因であることを差し引けば、寝坊しかけたのは仕方がないことと言えるだろう。上司の言葉は端的だった。次から気を付けてね。
　祝われる側の支度として、誕生日の存在を明示することは出来ない。祝福の言葉を催促することは、その後にもたらされるべき祝意を汚すような気がした──単に物をねだっているようだとも言うか。
　そうこうしているうちに、気づけば定時が近づいていた。いつの間にか仕事に集中してしまっていたらしく、窓の外は既に暗くなっている。今日が終わればまた一つ誕生日が近づく。残り日数が減ることで、誕生日を祝われる確率が減るのか増えるのか、それは分からなかった。

「……そうだ、ねえ、何か必要なものってあるかしら」

　仕事上の実務的な問いだと受け取った。今は仕事中で、仕事道具を棚に片づける最中の問いが、仕事に関係しないはずがない。

「えっと、水のりと、あとクリップが少なくなってますね。そろそろ発注しないとと思っていたんですけど……。あぁ、そうだプリンターの黒トナーも頼まないと」
「あー、うん。それは頼んでおいて頂戴。……と、そうじゃなくてホラ、近いじゃない貴方の誕生日」

　片付けていた仕事道具を放り出し、首を痛める覚悟でしか出せない速度で振り返る。誕生日！　笹子さんは忘れていなかった！
　益体も無い会話を繰り広げているうちに、どうにも歯切れが悪いことに気づく。誕生日を確認するよりも先に必要なものを聞くのは、筋が通っているようでずれている。常に必要に迫られているのが人間であり、結果として、得られた答えが求めるものではないこともある。水のりのように。

「……しかし、それがなんで欲しいものの話に？」

　未だ冷静さを取り戻せないながらも、極めて理性的な感情を取り戻したつもりで問いかける。上司は困ったように笑っていた。

「私だけ祝われっぱなしっていうわけにいかないでしょ。それで、少し考えたんだけど……。ここ、職場の力関係的に貴方は何をもらっても笑顔受け取らないといけないでしょ」
「いや、そんなことは……。いいえ、はい、そうですね」
「まぁ貴方なら臆せずダメ出しするかもだけど、まぁでもこうして予め聞いておけば、その無駄な心労も避けられるわけよ」
「笹子さん……」

　思わず口からこぼれる。上司が、己が上司であることを最大限配慮した上で、より権力が生じない形で──対等な関係性としての誕生日祝いを模索してくれている。それだけで一年に一度の記念日にふさわしい喜びを味わうことができる。

「え？　は？？」

　数拍の後、上司が発したのは二つの短い間投詞だった。怒ったような照れたような、本当に何を言っているのか分からない表情──陳腐なダブルミーニングを口走ってしまったらしい。その意味を直感的に理解し、即座に補足する。

「……ん？　あ、いや、そういうのではなくて、欲しいものの文脈を引き継いだものではなく、今のは感慨深さが溢れ出た言葉であってですね」
「……なるほどね。理解したわ。それで、欲しい物の話に戻るのだけれど、結局貴方は何か欲しいものってないの？」
「欲しいものか……欲しいものな～～……」

　そんなやり取りが続いた結果、誕生日プレゼントについては当日のお楽しみということになった。当日は当日でひと悶着あるのだが、それはまた別のお話。




「……ん、……気が付いたかしら」

　目が覚めると誰かが居る。
　そんな経験は久しぶりだった。ここがハザマでなく、自分が倒れた後でもなければ、もっと感慨深かっただろう。
　完全に覚醒しきらない意識の微睡みの中、気づかわしげに響く笹子さんの声が何故か心地よい。これも夢であれば良かった──夢から覚めるには気力が要る。夢を見る時よりもはるかに大きな。
　目覚めが常に未来を向いた行為であるとは限らない。朝の目覚めは、これから始まる一日に向けた期待と不安を内包する。

「何か欲しいもの、してほしいことがあったら言ってちょうだい。ベースキャンプだから、ある程度の物は用意できると思うわ。」

　手を差し伸べていたつもりだった。目を向けることもなく、目を背け続けてきた。それでも、手は差し伸べられていたのだと理解する。
　自我を揺るがすほどの悪夢から一転、上司の優しさに触れたことで、揺り起こされた罪悪感は更に重さを増していく。笹子さんに対する想いに嘘はなかった。笹子さんの力になりたい、決して裏切るつもりもない──言葉の空虚さを自覚してしまった以上、未来の自分は果たして同じ台詞を吐くことが出来るのだろうか。どう言い逃れしようとも、己の目的のため、体よく彼女を利用しているにすぎないのに？
　いずれ白状しなければならない時が来ることは覚悟していた。誰もが何かの支払いから逃れている。その瞬間が、ツケを支払う時が来ただけ。先刻に見た夢はそれを伝えるために直感が用意した通過儀礼だ。己の出自、己の目的、己の覚悟を自覚させ、現実と向き合うための下準備を整えるよう忠告する、吉夢。
　語った真実を真実として受け入れてもらえるのか、その先に今の関係性が維持できるのか、己の任務が全うできるのか。合理的とも非合理的とも呼べる相反が直感を鈍らせる。それでも、黙り続けるわけにはいかない。
　『マーキュロクロム・プロジェクト』について発言することは、忘れてきた宿題について語ることと同じだった。可能ならば常に後回しにしたい──言い訳の全てを教師に破られ、逃れられなくなるまでは、直視すらしたくない。それでも、逃げ続けるわけにはいかない。
　目が覚めても、しばらく無言を貫いたのは、ぼやけた意識のせいだけではなかった。

ENo.564 PSY.B.峰子 とのやりとり


ENo.831 Dr.笹子 とのやりとり

ItemNo.8 黄鉄鉱 を破棄しました。
ItemNo.10 硬質ワイヤー"FLAME Ⅲ" を破棄しました。
ItemNo.13 毛 を破棄しました。
ItemNo.21 羽 を破棄しました。
ItemNo.24 爪 を破棄しました。

狒々は大人しくなり、低姿勢で温泉をこちらに勧めてきた。

温泉に入るチャンスを得たようだ。

　

　

　

探索を進めると、聞こえてくる電子音･･･

　

どういうわけか、ゲームセンターが稼働している。

　






チャットが開き、ソージロウが現れる。

チャット越しに周囲を見渡し･････満足げな表情を浮かべる。

　





突然エディアンがチャットに現れた。




ソージロウと同じく、周囲を見渡す。






筐体をじーっと観察する。

　









ゲームの話に夢中になるふたり。

　

　

　

しばらくして、ソージロウが話しかけてくる。




　

･････身体の奥から、少し力が湧き出る感覚。


各CP･FPが2増加した！



　

　

　

少年兵キリコ(484) に 120 PS 送付しました。

すごい木材（400 PS）を購入しました。

武術LV を 2 UP！（LV30⇒32、-2CP）
命術LV を 5 UP！（LV25⇒30、-5CP）
付加LV を 7 UP！（LV70⇒77、-7CP）

少年兵キリコ(484) により ItemNo.9 欠けた刃 から射程1の呪器『硬質ワイヤー"SpellsⅢ"2』を作製してもらいました！
　⇒ 硬質ワイヤー"SpellsⅢ"2／呪器：強さ594／［効果1］器用30 ［効果2］－ ［効果3］自滅19【射程1】

ItemNo.33 メノウのペンダント に ItemNo.30 看板 を付加しました！
　⇒ 気づきアトリエ修練！［ 5 5 2 = 12 ］通常付加
　⇒ メノウのペンダント／装飾：強さ327／［効果1］耐疫30 ［効果2］攻撃30 ［効果3］－

ItemNo.34 服（冬服） に ItemNo.18 牙 を付加しました！
　⇒ 気づきアトリエ修練！［ 5 5 2 = 12 ］通常付加
　⇒ 服（冬服）／法衣：強さ163／［効果1］活力30 ［効果2］奪命10 ［効果3］幸運19

ItemNo.9 硬質ワイヤー"SpellsⅢ"2 に ItemNo.8 すごい木材 を付加しました！
　⇒ 気づきアトリエ修練！［ 6 6 4 = 16 ］大成功！付加効果のLVが増加！
　⇒ 硬質ワイヤー"SpellsⅢ"2／呪器：強さ594／［効果1］器用30 ［効果2］攻撃32 ［効果3］自滅19【射程1】


サク(1579) とカードを交換しました！

フォレストオーラ （フォレストオファリング）


トニック を研究しました！（深度0⇒1）
クリエイト：キャノン を研究しました！（深度0⇒1）
ドラスティックレメディ を研究しました！（深度0⇒1）

水霊力 を習得！
荒療治 を習得！
タイトロープ を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

Dr.笹子(831) は 角 を入手！
偽黒初(77) は 角 を入手！
偽黒初(77) は 牙 を入手！
偽黒初(77) は 毛+6 を入手！
偽黒初(77) は 毛 を入手！
偽黒初(77) は 毛 を入手！
Dr.笹子(831) は 毛 を入手！

特に移動せずその場に留まることにしました。
体調が全回復しました！

『ヒノデ区 M-11：チェックポイント《大通り》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - 偽黒初(77) の選択は ヒノデ区 M-11：チェックポイント《大通り》

MISSION!!
ヒノデ区 M-2：ヒノデコーポレーション を選択！
　　 - 偽黒初(77) の選択は ヒノデ区 M-2：ヒノデコーポレーション

［861 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［444 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［193 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［397 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［305 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［216 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［156 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［79 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［134 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［128 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［182 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［28 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［48 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［22 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［49 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［0 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




　

　

　

　

　

　




　






　

　

　

　

　

　







　

　

　

チャットが閉じられる――

数々の巨大施設が立ち並ぶ、ヒノデコーポレーション構内。

その施設のほとんどは朽ち果てているようだ。

　

　　　がさっ･････

　

物陰から、何かが這い出てきた。

　







　

腐敗した者たちが、静かに迫ってくる･･･