［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

　幸か不幸か、次の日はC区の巡回だった。仕事が終わった頃にC区北部に向かう。目的地は担当の場所に含まれていない。というより、『竜守』や『守護者』のテリトリーではない。

「如何に『竜守』様であろうとも、規則を遵守して頂きます。
『灰掻き』以外の人間は広場までしか行けません。広場に行く場合も、鼻と口を覆うように布を当てる必要があります。規則を守らなかったところで、それを取り締まる規則は存在しませんが……これが切っ掛けで『灰掻き病』になる可能性もあります。その時、こちらは責任を取りませんので」

　『外』と『中』の出入り口。『灰守』と呼ばれる管理人は、事務的に伝えた。
　C区で『名無し』の期間を過ごした男はそれに意を唱えるつもりはない。指示の通りに布を巻き付けた。
　『竜守』たちに支給される帽子を目深にかぶった。着用義務はないので、普段は使っていない。『外』で振り続ける灰に備えて持ってきたものだ。

「『竜守』様はある程度 灰への備えを存じているようで。『外』寄りの区画生まれで？」
「この区の生まれです」
「さいですか。
　まあ仕事なので説明はしますけれども、『外』にいる間の過ごし方ですがね。出来る限り激しく動き回る真似は避けた方がよろしいですね。『中』の人間の装備では灰を防ぐにも耐えるにも、限度がありますからね。あとは、極力目に触らないようにしてください」

　概ね聞いたことのある話だったが、相手の仕事を奪う訳にもいかない。何も言わずに、『灰守』の説明を聞いていた。
　説明が終わった頃、リオネルはC区灰掻き広場に向かうのだ。

　―― そういえばここ、Z区以上に知らないな。

　そんなことを考えながら踏み込んでいく。
　国全体を覆う、硝子に似て非なる透明の壁。その『外側』、灰が支配する地。『灰掻き』の領域。『守護者』の時には一度も入ったことが無い。護ったこともない、護るように指示を出されたことも無い。襲撃を受けたという話を聞いたことも無い。

　―― そもそも『竜殺し』は調和竜や『神子』を狙うから、こっちで襲撃する理由が無いのか。

　『神子』だけではなく『守護者』等が狙われることもあるが、それにしたって『守護者』がいる場所を狙うだろう。
　リオネルは『外』をゆっくり見回す。空をゆっくりと舞う灰が、目に入らないように気をつけながら。周囲には積もった灰。広場までの道を整備したのも『灰掻き』だろうと分かった。そもそもここは普段『灰掻き』しかいないのだから。
　近くの人間は、小柄で痩せていて 灰まみれな者ばかり。おそらくは全員、『灰掻き』。殆どの者が虚ろな目をして歩いている。口元に布を巻いている者もいる。そうではない者もいる。布を巻いていない者は皆 不自然なほどに顔を緩めていることが分かる。

　―― 灰の中を普通に歩いても平気なのか？

　眉根を寄せるリオネルの視界に、咳き込む『灰掻き』の姿が映る。やはり彼らも特別灰に強いという訳ではないのだ。ではどうして灰から身を守らない者がいるのか。それは『灰掻き』の事情に明るくないリオネルが知り得ない話であったし、『中』で働く者が来る可能性のあるここで見えるようなものではない。
　別の場所を見れば、頭から足先まで一切肌の見えない服を纏った者もいる。手には円匙を持っていて、地面を数度突けば 近くの『灰掻き』達は彼の元に集まっていく。指導者のような立場に見えた。
　自分以外にも、『中』から来たと思われる人間は数名見られる。殆どは『硝子職人』の関係者だろうか。『灰掻き』達は 『外』と『中』を隔てる透明の壁に灰が積もらないよう働く以外に、硝子の材料を集める役割も持つ。

「……君は、『橙』？」

　後ろから声をかける者がいた。ゆっくり振り返れば、自分と同じような布で口元を覆った者がいた。灰色の髪をひとつにくくった少女だ。服は灰で汚れているが『灰掻き』程ではなく、身に着けた衣服も 『灰掻き』達のそれよりも丈夫そうに見えた。『硝子職人』の関係者に見えた。
　特に『硝子職人』の知り合い等いなかった筈。リオネルは首を傾げたが、リオネルになる前のカリの呼び名から連想して何とか答えにたどり着いた。

「『灰塵』？ いや、今はもう名前があるだろうが……」

　『名無し』だった時、共に大陸史を受けていた者だ。『名無し』が名前を得るタイミングは人によって違っていて、他の『名無し』が名を得たとして それが誰かに通達されることも無い。だから、互いに今の名を知らない。

「今の私は、グリーズ。君は？」
「……リオネルだ」
「リオネル君も、硝子の粉を運びに来たの？」
「そういう仕事してそうな恰好に見えるのか、オレが……？」
「違うの？ だってリオネル君、ここに来てるよ」
「……分からないなら別にいい」

　今もリオネルは『竜守』のサーコートを着ているので、まず灰と関わる仕事をしているようには見えない筈である。
　しかし周囲の『灰掻き』はこちらの様子を気にかけていない。気にかけないあまり、正面衝突を試みる『灰掻き』すらいた。

「硝子の粉を運びに来たんじゃなければ、リオネル君は何しに来たの？」
「あー……まあ、調べ物かな」

　誰に頼まれた訳でもないが、仕事の一環として裏切り者の噂を辿っている。そんなことを説明したところで理解されるとは思っていない。そもそも相手は『竜守』という仕事を認識しているかどうか怪しい。

「調べ物かー。この辺はむつかしいことが出来そうな場所、なーんもないよ！」
「オマエもうちょっと言い方何とかならねぇのか……」
「あ、そうだ。あっち見える？ あの家」

　指さした先を見れば、このあたりでは珍しい木造の古い建物。看板に『Pub』と書かれている。

「見えるけど、店を家って呼ぶなよオマエ」
「あそこね、私たちみたいに普段『中』にいる人と『外』にいる人の両方が行く場所だから、なんか知りたいものが見つかるかもしれないよ」
「……その話に間違いないんだったら行ってみる価値あるか。仕事中だってのにありがとな。こっちは大丈夫だから仕事に戻れよ？」

　手で掃うような動作をしてから、教えて貰った建物に向かうのだ。

　入ってみれば、灯りが頼りなく薄暗くなっていた。しかしそれ以外に目立った所のない、普通の酒場であった。

「お客さん、初めてだろ。そこで灰を叩き落としな。案内するのはその後だ」

　この店の人間らしい。小柄な人間が声をかけた。容姿は薄暗くてよく確認できない。


「『灰掻き』のコースでいいな？」
　　「それしか頼めないから……」

「今日もアレ、聴けると思う？」
「最近は殆ど毎日やっているから、聴けるんじゃねえかな」

「……ンッ ゲホッガハッ」　　　　　　　　　
「あんた、これ以上飲むのやめた方がいいんじゃないの」　　　　　　
「……ッ、……ッ！！！」　　

「いくら『外』と言えど、室内は随分マシですね」
「『外』は何度来ても慣れないな」
「慣れたくもないですけれど……」

　灰を叩き落す傍らで、周囲の言葉に耳を傾けていた。
　会話の内容に意図的な嘘等が含まれていなければ、ここには確かに『外』で働く人間と『中』で働く人間の両方が混在している。

「よし。席に案内する。来な」

　給仕の言葉にリオネルは頷いた。

「あんた『竜守』か。何であんたみたいな奴がここに来たのかは知らないし、こっちは探りを入れるつもりも無い。ただ、ここで何を見ることになっても、店に文句は言うなよ」

　リオネルの目を見ることもなく、給仕はそう伝えた。
　隅の方の席に案内された。そこに別の給仕が近づいてきて、小声で話し合っている。

「……メニュー渡すのは後にしておくからとりあえず待ってな」

　話を終えた頃に給仕はぶっきらぼうに言った。
　リオネルは席にひとり取り残される。手持無沙汰に周囲を見渡すと、ある人物と目があった。黒い髪をひとつに括り、やや小柄で痩せた体躯の少年。歳の頃は自分とさほど変わらない程度に見えた。眼帯で片目しかなく、それはかえって その鋭い目を印象付ける。
　そんな彼を、リオネルはよく知っていた。あの時は自分の方が小柄で力も無かった。それでも彼は彼だと認識できて、それは向こうも同じだったらしい。目があった瞬間、彼は眉間に皺を寄せた。

　『黒』、と嘗てのカリの名を呼ぶ前に 彼は立ち上がって中央に向かった。
　即座に店の全員が彼に顔を向けた。
　彼は、話し出す。

ENo.9 タマキ とのやりとり


ENo.19 翠眼の怪物 とのやりとり


ENo.388 ユイノ とのやりとり


ENo.545 東堂玄樹 とのやりとり


ENo.581 ツクシ とのやりとり

特に何もしませんでした。

ラフレシア をエイドとして招き入れました！

領域LV を 20 DOWN。（LV30⇒10、+20CP、-20FP）
料理LV を 29 DOWN。（LV30⇒1、+29CP、-29FP）

百薬LV を 25 UP！（LV5⇒30、-25CP）
防具LV を 34 UP！（LV65⇒99、-34CP）

ItemNo.23 霞石 から隔壁『試作品』を作製しました！
　⇒ 試作品／隔壁：強さ163／［効果1］放凍20 ［効果2］－ ［効果3］－

ちわわ(180) の持つ ItemNo.19 すごい石材 から重鎧『太陽のネックレス』を作製しました！

澪奈(1323) とカードを交換しました！

遠望するフレスヴェルグ （サモン：スプーキーアイ）


マインドボム を研究しました！（深度1⇒2）
マインドボム を研究しました！（深度2⇒3）
スヴィニール を研究しました！（深度0⇒1）

コンテイジョン を習得！
グレイブシンプトム を習得！
ポイゾナスブラッド を習得！
四百四病 を習得！
コンターギオ を習得！
以毒制毒 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

シエ(11) に移動を委ねました。

チナミ区 D-3（隔壁）には移動できません。
チナミ区 E-2（水地）には移動できません。
チナミ区 E-2（水地）には移動できません。
チナミ区 E-2（水地）には移動できません。
チナミ区 E-2（水地）には移動できません。
体調が全回復しました！

［871 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［441 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［177 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［377 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［286 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［199 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［137 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［56 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［122 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［92 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［90 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［83 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［0 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［8 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

　　　ザザッ――

　

　

　






チャットにノウレットが現れる。

･･･が、どうも雰囲気が異なっている。

　





　




　





　





　

　

　

チャットが閉じられる――