［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

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荊街備忘録16

　ハザマ世界の記憶や知識が、徐々に現実の街の生活に持ち込めるようになっていたわけじゃない。
　そのことに気づいたのは、俺達がイバラシティに戻って暫くしてからのことだった。
　
　街は相変わらず平穏だったし、さして変化もない。皆、夢中で日々の生活を楽しんでいるように見える。
　そこで俺は普段と同じように課題をこなし、たまに働いたりしながら、数週に一度という感じでフミちゃんと落ち合ってケンジの事務所に顔を出したりしていた。
　
　そこで俺たちが気づいたのは、ケンジの事務所に行って以来、随分ハザマの記憶や情報なんかがするすると出て来たことだった。
　イバラシティにいた頃にはなかなか思い出せなかったハザマ世界の記憶が、一度距離を取った方が比較的思い出す、ということだろう。
　思い出そうと意識しているからというのはあるんだろうけど、逆にイバラシティに戻るとその記憶もぼやけていくような気がする。
　そもそも、思い出そうと気力が起こらないのだ。最初の頃に必死で思い出そうとしていた時期よりも興味というものが湧いてこない。

　場所を変えればちゃんと思い出せるという安心感めいたものがそうさせたのかもしれない。

　それはもちろんありそうだが、おそらく実際の根はもっと深い。イバラシティにいる限り、基本、ハザマ世界での事象に興味を持つこと自体が『ありえないこと』になっている。というより、できないようにされている。だから普通に暮らしていられる時点で、その『何かの操作』影響をしっかり受けているということではないだろうか。

　先日会って来たケンジが気になることを言っていた気がする。あまり深追いしすぎるな。焦ってもろくな目に合わない。

　危機感を持って必死で臨む時点で、縛られているのはこっちだと。そう言いたかったのかもしれない。

　どうせハザマに巻き込まれれば否応無しに状況は展開していて、何らかの決着がつき、そして元の街に戻されている。
　その元の街に戻った後も、そのハザマの記憶にとらわれること自体、本来イレギュラーなことなのだ。
　影響力というものがあるとしたら、むしろそこだ。ハザマの結果が、イバラシティでの自分、その暮らしに影響していく。

　本来ならばハザマの記憶なんて忘れて平穏な街の生活が用意されているのに、敢えてそれ以外の世界の記憶に囚われ続ける。

　つまりその時点で、影響力が『弱まっている』証拠なんではないか。

　影響力が強ければ思い出せるんじゃない、強いから、忘れられるのだとしたら。

　思う存分街の生活を充実して過ごしている連中は、ハザマのことに思いを巡らせることなどないのかもしれない。
　むしろ気づきもしないまま、ハザマに落とされたときには存分にその力を振るっているのかもしれない。

　そして、中途半端にハザマの記憶を抱えて不安と焦燥の中で現実のイバラシティを生きるものは、やがてその異常さに気づき街を離れることを選ぶかもしれない。

　
　選別、という、穏やかでない単語が頭の中をかすめた。そうやって、ハザマという世界がこの街に影響を与えているのだとしたら。

　
　ケンジの様子は泰然としたものだったが、フミちゃんは最近、俺にも内面の不安めいたことを匂わせるようになった。
　危機感を持ったのか、どうしたらこの状況を何とかできるまでは行かないにしろ、前進させることはできないかと。
　ただ巻き込まれた、興味があった、という目線から、ここで自分ができること、そういったものを探そうと真剣になっている。

　
　これは、どう解釈すればいいんだろうか。危機感はある、だけど、焦るほどでもない。
　確実にハザマの世界は俺たちとそれを取り巻く世界に影響を与えているが、それは想像したようなあからさまなものでも、おどろおどろしいものでもなかった。
　ただ漠然とした不安。現状の違和感、そうしたものへの疑いや迷いが自らを益々ハザマの世界へ近づけている。
　そこの行き着く先がハザマの狂気めいた存在たちだったとしたら、なんだか合点が行くような気もするのだ。

　この世界で求められているのは、『自らが自らの意思で行動する』それだけだ。
　ハザマ世界は、その欲求の全てを満たす全てが与えられていて、それを存分に奮い得るものたちが満足し街に戻り、普段通りの暮らしを続けて行く。
　その自由な世界でも不安を抱え、自らの行動を抑制する、思うように動くことを拒むものたちは中途半端に忘れられない記憶を抱えたまま現実に戻り、違和感の中で自らの世界を狭めて行く。

　
　だとしたら、なるほどこれは興味深い、よくできた選別そのものだと、そのとき初めて俺は納得すると同時に不安の種がひとつ解れたような気がしたのだった。


　『やりたいようにやる』それは、本来とても重要で、思った以上に簡単なことだったはずなのだから。




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すごい木材（400 PS）を購入しました。
すごい石材（400 PS）を購入しました。
すごい石材（400 PS）を購入しました。

幻術LV を 5 UP！（LV25⇒30、-5CP）
装飾LV を 5 UP！（LV67⇒72、-5CP）

フミ(961) により ItemNo.26 黒砂 から射程1の武器『レガーロ5』を作製してもらいました！
　⇒ レガーロ5／武器：強さ321／［効果1］災25 ［効果2］－ ［効果3］－【射程1】

マッケンジー(1144) により ItemNo.23 公孫樹 から防具『スズメスーツ』を作製してもらいました！
　⇒ スズメスーツ／防具：強さ273／［効果1］活力30 ［効果2］－ ［効果3］－

フミ(961) の持つ ItemNo.33 苔石 から装飾『ミニ苔玉』を作製しました！
フミ(961) の持つ ItemNo.16 白詰草 から装飾『花かんむり』を作製しました！
マッケンジー(1144) の持つ ItemNo.9 苔石 から装飾『百七拾八式鉄耳』を作製しました！

ヒールハーブ を研究しました！（深度0⇒1）
ヒールハーブ を研究しました！（深度1⇒2）
ヒールハーブ を研究しました！（深度2⇒3）

☆地霊力 を習得！
☆光霊力 を習得！
☆天香桂花 を習得！
☆初習得ボーナス：各FPが6増加した！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

マッケンジー(1144) は 鉄くず を入手！
フミ(961) は 鉄板 を入手！
フミ(961) は 鉄くず を入手！

▼エイド化候補（基本行動にてエイド化可能）
マッケンジー(1144) のもとに 暴走自転車 が軽快なステップで近づいてきます。
マッケンジー(1144) のもとに 暴走トラック が泣きながら近づいてきます。

マッケンジー(1144) に移動を委ねました。

チナミ区 E-2（水地）には移動できません。
チナミ区 E-2（水地）には移動できません。
チナミ区 E-2（水地）には移動できません。
チナミ区 E-2（水地）には移動できません。
チナミ区 E-2（水地）には移動できません。
体調が全回復しました！

［860 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［431 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［492 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［171 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［369 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［274 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［193 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［134 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［47 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［116 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［1 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［24 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［72 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

　　　ザザッ――

　

　

　

暗い部屋のなか、不気味な仮面が浮かび出る。

　



　





　

女性の声で、何かが語られる。

　

　

　

　

　





　






　

　

　

　

　




　






　





　

　

　

　

　

チャットが閉じられる――