［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

－－－－－【Side　イバラシティ】－－－－－

ニュースは連日この夏の暑さによる被害を伝えている。
熱というものは危険だ。物理的にも、精神的にも。

───

気が付けば八月も半ばに差し掛かろうという頃。
お盆と呼ばれる時期が迫り、お盆休みと呼ばれる休暇が迫り、休暇に合わせた職務の進行を求められる時期であった。

「お盆はどうするのかしら。またご実家に？」
「いえ、帰省はしないつもりです。今年は法要も無いですしね」

部下の答えに少しだけ思いを巡らせる。
以前、何かで読んだのだったか盆と正月しか実家に帰らなくなった場合、自分があと何回両親に会えるのかという計算だ。
そんなことをふと思い出し、できれば帰った方が、と言いかけて止めた。
自分も今回は帰らない側の人間だったからだ。

「そう、じゃあ、この期間は急に呼び出しても大丈夫ね？……冗談よ」
「……悪い冗談ですよ。勘弁してください。……冗談ですよね？」

───

さて、休暇期間中に何をするのかは決まっていた。
先日の登山にて、あまりにも情けない姿をさらしたため、体力づくりを緊急で始めなければと思い立ったのだ。
あの時のうどんは美味しかったが、味わいたかったものは敗北のうどんではなく、頂上で食べるカップ麺だったのだ。
そのことに気づいてからの行動は早かった。
とりあえず購入したヨガマットと、
何時だったか、何かの景品で手に入れたゲーム機のソフトで自宅でフィットネスができるとかなんとかいう代物を購入したのだ。

「あ、届いてる」

その日自室に戻った彼女は届いた小包をいそいそと開け、ヨガマットを敷き、テレビの前で輪っか状のコントーラを構える。

「こんなの、効果あるのかしらね？」

と、訝しげにゲームプレイを開始した。
……それが地獄の幕開けであった。

～～～30分後～～～

「……無理、もう……無理」
仰向けになり、息を切らしながら、ゲーム画面を見る。
「これ、ゲーム？本当に？」
心の底から出た声であった。
画面では敵が強靭な肉体を見せつけるような動きをしている。
よろよろと動き、諦めるコマンドを選択し、冒険を中断する。
クールダウンの体操を強いられたことで、ゲームの本気度を認識し考えを改める。
「……準備がいるわ、間違いなく準備がいる。空手で挑むゲームじゃない」
「最近のゲームって恐ろしいのね……。彼がアナログなゲームを好む理由がちょっとわかった気がするわ」

───

「さて、必要なものは大体揃ったけど、あとはうーん……」

翌日、炎天下の買い出しを済ませ、帰路に就く。

「……この、湿布類、確か研究室に余ってるのよね。……使用期限も近づいてたはずだし、この際貰っておこうかしら。」

立派な横領である。
いや、だが、事実として筋肉は悲鳴を上げていた。だからこれは正しい使い方だ。
そう自分に言い聞かせながら、職場の雑居ビルに立ち入る。
空調の利いていない雑居ビルの階段を筋肉痛の足で駆け上がるのは些か辛さがあったが、それでも研究室にたどり着き、目当ての物を入手する。
……お目当てだったものは、使用期限が近づいているどころか、多少過ぎていたのはこの際気にしないことにして。
さて帰ろう、と研究室を出たとき階上から熱波が吹き抜けた。
額に汗と頭に疑問符が浮かぶ。

「……ただ暑いならばまだしも、上からなんで風が？鍵の締め忘れかしら？」

そうして、彼女は屋上を目指す。
その先に目を疑う光景があるなどと露も思わず。

───

「……何、してるの？」

我が目を疑った。
どういうわけか屋上を覗いてみれば、助手と思しき男が水を張ったビニールプールに飛び込んでいた。
あまりの現実感の無さに思わず声をかけてしまったが、何も言わずにそっと屋上へ続く階段に鍵をかけて立ち去るのが正解だったように思える。
プールの隣にはパラソルまで備え付けてあり、職場の屋上じゃなければ違和感なき避暑地の光景だろう。

「浴です」
「浴？」
「海でも水でもないので」
「水でもないの？」
「ぬるま湯です」
「まあ……そうよね。ここ、暑いもの、いやそうじゃなくて」
「言いたいことはわかります。つまりはこの雑居ビルの屋上に設置されたビニールプールが大家さんの許可を得ずに屋上に設置された脱法ビニールプールではないかと疑っているんですね」
「え？あー、いやそれもあるけれど」
「そこについては大丈夫です。屋上で大規模に水を使っていいって快諾してくれました」
「なんでそういう所で周到なのよ」
「目的があって、それを叶えないと命に係わる状況ならば、誰だってなんだってしますよ」
「どういうこと？と、いうか、私が聞きたかったのはどのようにじゃなくて、何故の部分なんだけど」
「あ、はい、それは簡単ですね。我が家に設置された空調が今朝突然壊れたので避難してきたんです。避暑に」
「……繋がりそうで繋がらない回答だわ、職場に空調入れて避難すればいいじゃない」
「……いや、いやですよ。そのですね、留守中に勝手に空調使ったら横領になるんじゃないかなって」

　ぐっと言いよどむ。今まさに別の横領の証拠が自身の荷物の中に入っているからだ。

「……それくらいなら、一本連絡くれれば許可したわよ」
「あぁ、そうなんですね。それならちょっとしばらく研究室に篭ってます……もうちょっと涼んでからでいいですか？　折角ここまで準備したので」
「えーと、それはいいけれども。今年の暑さは本当に命に係わるから、もっと早くに相談してくれてよかったわよ」
「そうですか、そうですね。今度から命にかかわりそうな案件は早めに相談します。そうそう無いと思いたいですが……ところで、笹子さんこそ何故ここへ？」
「へ？……あぁ、私は忘れ物を取りに来ただけよ。そしたらビルの階段で上から熱波が吹き抜けて何かと思ったらこうなってたわけ」

ちょっとだけ、軽やかに嘘をつきました。

「なるほど。では山で話してたプールを覚えていて、ここに浸かりに来たわけじゃないんですね」
「……いや、覚えてるし可能ならば浸かりたいと思うけど、残念ながら水着も何もないし、可能じゃないのよね」
「まだしばらくは涼んでいるのつもりなので水着を取りに戻られては？」
「……いや、ダメね。ダメだわ。そもそも『持っていない』もの、もしそうするのであれば、買いに行くところからになるわ」
「そうすると残念ですが、今日は無理ですね。またの機会に。いや、研究室を使って良くなった以上またの機会があるのか？」
「なんか、……私が今も今後も入れないプールに涼し気に浸かってるの見てるとちょっとだけ腹が立ってきたわね」
「怒ると暑くなりますよ。それに言うほど涼しくは無いんですけどね。ぬるくなっちゃってますし。」
「そう、なら……」

そう言って、家庭菜園用の水道の蛇口をひねり、勢いよくホースから水が放たれる。
彼女はホースを手に取ると、先端を潰すように握ることで水流を先鋭化させる。
なぜそんなことを？決まっている。

「えいっ」

人に向けるためだ。

「ぎゃっ！冷たっ！えっ、なんで？何するんですか！？」
「ぬるいって言ってたし、ゆだっちゃう前にさし水をと思って」

ケラケラと笑いながら

「いや、待って、待ってください。水道水を直は人体に影響が出るくらい冷たいから勘弁してくださいって」
「大げさね。大丈夫よ水道管も熱くなってるし、多分だけど」
「いや、笹子さん自分が被らないからってそんな余裕ですけど試しに一度浴びてみては？ほら見て、鳥肌立つくらい冷たいんですよ！」
「あら、それならお湯になりかけのプールで暖を取ってみてはいかがかしら」
「暖を取れるほどは熱くなってませんって、あ、ちょ、本当にやめて、冷たい」

そんなやり取りをひとしきり繰り返し、水着でもないのにホースを振り回し自身がびしょびしょになっていることに気づき、彼女は照れ臭そうに水を止める。
しかしこの日差しだ、彼女の濡れた服も助手とパラソルの下でしばらく談笑しているうちに渇くに違いない。
……いや、服が乾くまでの談笑というのは、単なる口実だったのかもしれないが。
談笑は助手が『そろそろ片づけますか』の一言を発するまで続き、彼女もプールの片づけを何となく手伝い、職場を後にする。
帰宅し空調の効いた部屋で見た最初にニュースは、今日の暑さが今年一番であったことを告げるものであった。
酷暑の一日を快適、とまではいわないまでも楽しく過ごす方法があるものだと彼女は微笑んだ。

───

「あっ」
その日、筋肉痛と日焼けで痛む身体を極限まで気遣いながら床に就いた彼女はひとつ思い出した。
助手の彼に会ったら運動する際にお勧めのアイテムを聞いておこうと思っていたのだ。
生憎長い休暇に入ってしまい、毎日顔を合わせるということも難しい……？
そこで今日のやり取りを思い返す。彼の部屋の空調が壊れている間は職場に行けば会える筈だ。
……差し入れを持っていくついでにあれこれ聞いたり、どこかに出かけたりするもの悪くないかもしれない。
そんなことを考えているうちに睡魔が彼女の意識を連れ去った。
ある夏の記録的に暑い一日の出来事。

－－－－－【Side　ハザマ】－－－－－

まだずっと距離があると思っていたのに、気が付けばすぐそこまで来ていたりすることがないだろうか。
事の始まりを確認して、今すべき事を確認し終えたとき、
そこに残るのはこれから訪れる結果への予測だろう。
何かが始まれば、それは終わりへと近づいていく。
そしてそれは、思っているよりもずっと近くにあるのかもしれない。

あの日、あの面接室の扉が開かれた時に今日までの道が決まったとして
私に何か、できることがあっただろうか。

ENo.77 偽黒初 とのやりとり

ItemNo.16 エナジー棒 を食べました！
　体調が 2 回復！（5⇒7）
　今回の全戦闘において 活力10 防御10 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

MISSIONによる獲得影響力の誤り分を現在の影響力に反映しました。
［第9回］チェックポイント《大通り》 ／ 誤：33 正：38

制約LV を 5 UP！（LV0⇒5、-5CP）
付加LV を 5 UP！（LV45⇒50、-5CP）

ItemNo.26 青い液体 に ItemNo.13 駄石 を付加しました！
　⇒ 青い液体／武器：強さ285／［効果1］守護25 ［効果2］体力10 ［効果3］－【射程2】


五十嵐(1237) とカードを交換しました！

どっこいしょ～ （フォレストオファリング）


コンフィデンス を研究しました！（深度0⇒1）
ポーションラッシュ を研究しました！（深度1⇒2）
クライオセラピー を研究しました！（深度0⇒1）

アサルト を習得！
アイシング を習得！
フラッシュ を習得！
パラライズ を習得！
カプリシャスナイト を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

偽黒初(77) は 桃 を入手！
Dr.笹子(831) は 桃 を入手！
偽黒初(77) は 羽 を入手！
偽黒初(77) は 爪 を入手！

偽黒初(77) がパーティから離脱しました！

現在のパーティから離脱しました！

リュウジン区 I-4（森林）に移動！（体調7⇒6）
リュウジン区 I-3（道路）に移動！（体調6⇒5）
リュウジン区 J-3（道路）に移動！（体調5⇒4）
リュウジン区 K-3（道路）に移動！（体調4⇒3）
リュウジン区 L-3（チェックポイント）に移動！（体調3⇒2）

偽黒初(77) からパーティに勧誘されました！

MISSION!!
リュウジン区 L-3：チェックポイント《果物屋》 が発生！
　　 - 偽黒初(77) が経由した リュウジン区 L-3：チェックポイント《果物屋》
　　 - Dr.笹子(831) が経由した リュウジン区 L-3：チェックポイント《果物屋》
　　 - 麺屋の龍人(1595) が経由した リュウジン区 L-3：チェックポイント《果物屋》

［852 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［422 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［483 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［161 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［354 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［251 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［182 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［118 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［44 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［111 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　



　




Cross+Rose越しにどこかの様子を見ているエディアン。

　

　

　








元気よくチャットに入り込むノウレットと、少し機嫌の悪そうな白南海。

　

　






見ていた何かをサッと消す。

　

　

　






　








ノウレットにゲンコツする白南海。




　






検索方法をエディアンに教わり、若を検索してみる。

　

　

　






ノウレットにゲンコツ。





ノウレットの頭を優しく撫でるエディアン。






　







　

　

　

こっそりと、Cross+Rose越しに再びどこかの様子を見るエディアン。




　

チャットが閉じられる――

チェックポイント。

仄かな光に包まれた六角形の柱が立っている。

　

･･･柱から滲み出るように、何かが生み出される。



　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！




（初発生のイベント戦：異能FP+5！生産FP+5！）