
*大井真海 14回目日記*
[……やはり気のせいではなく、影響度が上がれば魔法の威力も上がってますね。
まぁそもそも原理がよく分からないまま使ってますからねぇ……。
考えられることとしては、このハザマという空間に、魔法の代価として使える何かがある、という事ですが。
アンジニティというのは否定者が送られる世界。
どの世界から、という指定が無く、それでも送られて即死、という事もまぁ無いのであれば……。
そういう力の、量はともかく、種類はたくさんある、という事でしょうか?
…………まぁ、死んでしまえば戦争に参加も出来ませんからね。
適合できなかった存在は誰にも知られていない、というだけかも知れませんが]
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真海 『あの白南海という人物、意外と抜けているのでは?』 |
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“魔術師” 「意外と辛辣だな?」 |
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真海 『と言われましてもですね。 自分の能力に関する話ですよ?』 |
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真海 『普通は誤魔化すでしょう』 |
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“魔術師” 「……協力者」 |
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真海 『はい?』 |
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“魔術師” 「その感覚、普通じゃねぇからちょっと隠した方が良いぞ」 |
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真海 『えっ』 |
*“魔術士” 14回目日記*
[タイミング悪いな。ちょっとちゃんと「視」ようかってタイミングで自分の力の流れに意識向けてる。
協力者、勘が良いんだよな~。意識向けただけでも無意識レベルで反応するし。
しかしまぁその分外への意識は削げてるって事なんだが。戦闘に影響しない範囲で。
となると……。
……。
…………。
王都神官長の覚書
国だけではなく、世界そのものが乱れている昨今。
王も事の重大さをどうにか理解していただけた様子。
ようやく祈りが届き、救世主たる「勇者」が召喚される事となった。
「勇者」達は素晴らしい。
我々人の身に宿せる神の鱗片は、通常は10ほど。
神官に選ばれる者で、50から80ほど。
天才と呼ばれる神に愛されたあの方でようやく100を超えるかどうか。
その中にあり、軽々と50を超えるその素質はまさに神に選ばれた救世主にふさわしい。
旅立つ「勇者」達を見送った。
彼らの道行に幸在らんことを祈る。
各地の神殿から「勇者」達の試練状況が送られてきた。
なんと……1月も経たずにかの方の100を超えるとは。
「勇者」達が身に宿した神の鱗片は順調に増えているようだ。
その数が200を超えたという話が届いた。
300を超えたようだ。
それを「勇者」達の中で最も多い者と限るとしても、素晴らしい事だ。
「勇者」達が身に宿す神の鱗片はまだ増えているようだ。
もしや「勇者」とは、神が人の姿をとって顕現したものではないだろうか?
「勇者」同士で戦闘が起こった……なんという……。
その余波で、山が1つ、綺麗さっぱりと消えてしまった……?
おぉ、神よ。
「勇者」とは、真に、我らと同じ人なのでしょうか?
神からの応えは無い。
未だ「勇者」の力は増し続けているようだ。
あぁ、とうとう「勇者」が、たった1人で地形を変える御業を身に宿したという報告があった。
なんという事だ……。
神よ。あぁ、神よ。
「勇者」とは、この世界の秩序を統べ直す為の、貴方様の形代なのでしょうか?
どうか愚かな我らをお導き下さい。
うーん、これはこれでまた何と言うか……。思ったより情報が無かったな。
しかし「神の鱗片」ねぇ。
試練って言う言葉からして、おれが思ってるのとは仕組みが違うのか?
……時間が出来しだい、協力者にその辺直接聞いてみるか……]

[844 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[412 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[464 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[156 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
[340 / 500] ―― 《大通り》より堅固な戦型
[237 / 500] ―― 《商店街》より安定な戦型
[160 / 500] ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
[97 / 500] ―― 《古寺》戦型不利の緩和
[41 / 500] ―― 《堤防》顕著な変化
[17 / 400] ―― 《駅舎》追尾撃破
ぽつ・・・
ぽつ・・・
白南海
黒い短髪に切れ長の目、青い瞳。
白スーツに黒Yシャツを襟を立てて着ている。
青色レンズの色付き眼鏡をしている。
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白南海 「・・・・・ん?」 |
サァ・・・――
雨が降る。
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白南海 「結構降ってきやがったなぁ。・・・・・って、・・・なんだこいつぁ。」 |
よく見ると雨は赤黒く、やや重い。
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白南海 「・・・ッだあぁ!何だこりゃ!!服が汚れちまうだろうがッ!!」 |
急いで雨宿り先を探す白南海。
しかし服は色付かず、雨は物に当たると同時に赤い煙となり消える。
地面にも雨は溜まらず、赤い薄煙がゆらゆらと舞っている。
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白南海 「・・・・・。・・・・・きもちわるッ」 |
チャットが閉じられる――