［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

//side:イバラシティ


星の見えない夜だと言うことには、知っていた。
会食の場となったホテルの上階にあるレストランで、相手が景観を惜しんでいたからだ。
夜景を指して、地上の星は相も変わらず美しいと誰かが言って、それもそうかとまた別の者が相槌を打つ。
そんな、薄っぺらくつまらない時間だった。
仕事の話だけを出来たら良かったのに、合間に会話をしなければならない。
特に今日の相手は媚びた会話が多く、煩わしさばかりが際立った。
それも漸く終わったところだ。
クウィリーノは小さく息を吐いて、自身が乗り込んだエレベーターの階数表示が下がっていくのを見る。

「今日は家に帰ろうかな」
「そうなさってください。ああ、スーツはすぐにクリーニングに出さなければなりませんね」

手配しておきます、と阿左見が言うのに頷いたところで、ポン、とエレベーターが停まる音がした。
音もなく開いた扉からさっさと出ると、地下駐車場は暗く静かだった。
排気の臭いに、自身にまとわりついた煙草や酒の臭い。
これは確かにクリーニングが必要だろう。

会食が終わるのと同時に連絡されていたのか、車はエレベーターホールからほど近い場所に駐車されていた。
その、たった十数歩の距離を進むと、反響を含む靴音が響く。
カツン、カツン、カツン、カサリ。
クウィリーノと、阿左見と、それだけだった足音に雑音が混じる。

「や、やっと、出てきてくれた……！」

響いたのは女の声だった。
ずるり、と影から這い出たような、黒い服をまとっている。
微笑みを浮かべた目が、ぎょろりと大きかった。

「……僕を待っていたの？」
「は、はい……！　だって私達、恋人でしょう……？」
「わお」

思わず笑ってしまった脇腹を、阿左見にガンと小突かれた。
だって、面白いじゃないか、と内心で反論する。
クウィリーノには恋人はおろか、恋愛の意味で好きな人はいない。
大体にして、目の前にいる女と面識はないはずである。
こんなに喜々として、熱心に、狂気的に想われているだなんて、想像できようはずもない。

「会ったこと、あったかな？」
「もう、忘れちゃったの……？　あれは半年前の……」
「あ、長くなりそうだからいいや」

静止するようにと手を振ると、水を差された女はあからさまに眉を寄せた。
きっと語りたかったのだろう。
彼女の中での劇的で、熱烈な出会いを。

「それよりもどうやってここに入り込んだのかが気になるけど……ああいや、それは後でいいな」
「椿坂さん……？」
「ううん、もう帰らないといけないから」

ごめんね、と呟いたのと同時に、女は地面に引き倒された。
あ、とも、う、とも言えない声を上げて拘束された女は、大きな目を一層大きく見開いてこちらを見た。
何故、と、犯罪者はいつだって疑問を浮かべるものらしい。
何故、すぐに理由を察せられないのか、クウィリーノだって不思議に思うのに。

「お疲れ様、雲右。あとは任せてもいい？」
「問題ありません」
「ん」

女を取り押さえたのは、もう一人の秘書である雲右だ。
いつの間にか女に猿ぐつわを噛ませ、身体も拘束し、意識も刈り取ってある。
道理で静かなはずだ、とクウィリーノは満足気に微笑んだ。
女はどこからともなく現れた社員に、速やかに回収されていった。
これで、また一つ問題は解決しただろう。

お疲れ様、と声を掛けて、クウィリーノは車に乗り込んだ。
滑らかに発進する車内で、阿左見に視線を投げる。

「最近過度な付きまとい行為をしていた女性です。素性はすぐに割れたものの、異能を駆使して逃げられ、現行犯として捕らえることが出来ずにいました。影に入り込む、あるいは影にまつわる異能があるものと考えられます」

ああそう言えば、と、最近報告に上がっていた懸念事項を思い出す。
時折現れる過激派の中に、逃げるのが上手い人物がいた。
クウィリーノに直接害を及ぼすとは思えなかったけれど、社員が巻き込まれるのは困る。
特に裏の事情があるものだから、早急になんとかしたい、と話したのはつい先日の話だった。
早急に、なんとかなったみたいだけれど。
クウィリーノから見えない場所で、雲右を含む『実働』の社員が張っていたのだろう。

「便利そう～。こっちでは使えない感じ？」
「以前より問題行動が多かったようで」
「難しいかあ。でもそこを何とか出来たらいいよね。社会復帰出来て、僕のためになって、Win-Win✩　みたいな」
「はあ」

そうかしら、と思っているのがわかる表情の阿左見を見て、そうそう、と明るく言う。
鍛えたら厄介なことになるだろうか、それとも便利になるだろうか。
クウィリーノは考えながら、それでも楽しいことになりそうだと笑みを浮かべた。
けれどそこで、ふと引っかかる点がある。

「……強い力には、反動がありそうだね。それに、制限もありそうだ」

先程見た女の姿を思い返す。
目元がぎょろりと大きく見えたのは、その分やつれていたからだろう。
本来人が入り込めない場所に入り込む反動が、それなのかも知れない。
自身の能力にもつきまとう反動、それを思えば頻繁な、あるいは無茶な使用は命を縮めるだろうと予測はつく。
何事も解析しなければ始まらないけれど。

「自分の異能をよく理解して、無理のない範囲で使いこなせるのが理想かな。……まずあの考えをどうにかしないといけないけど」
「調教し甲斐はありそうですが」

私はやりませんけど、と付け足した阿左見の言葉に、あは、と笑う。

「阿左見のファンなら喜びそうだけど。変な人が増えるからだーめ」

何故だか阿左見には調教が似合うような気がしたけれど、それを口には出さずに窓の外を見る。
そろそろ自身の住まうマンションが見えてくる頃だ。
早くシャワーを浴びて、よく眠り、問題はまた明日考えようか。
一足飛びに考えるクウィリーノを横目に、カメリアは十分変人が多い、と言う言葉を阿左見は賢明にも飲み込んだ。

雪里(1373) から 黒い貝 を手渡しされました。

ItemNo.17 ごろごろお肉のカレー を食べました！
　体調が 1 回復！（25⇒26）
　今回の全戦闘において 攻撃10 防御10 増幅10 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

解析LV を 5 UP！（LV20⇒25、-5CP）
合成LV を 5 UP！（LV80⇒85、-5CP）

雪里(1373) の持つ ItemNo.9 ボロ布 に ItemNo.13 ボロ布 を合成し、駄物 に変化させました！
　⇒ 駄物発生！駄物 を入手！
チュイ(1519) の持つ ItemNo.3 不思議な装飾 に ItemNo.4 刺繍糸 を合成し、駄物 に変化させました！
ItemNo.16 駄物 に ItemNo.6 黒手袋 を合成し、駄物 に変化させました！
　⇒ 駄物／素材：強さ10／［武器］攻撃10(LV50)［防具］活力10(LV50)［装飾］体力10(LV50)／特殊アイテム


雪里(1373) により ItemNo.1 お肉 から料理『サラダチキンの胡麻ダレ冷麺』をつくってもらいました！
　⇒ サラダチキンの胡麻ダレ冷麺／料理：強さ95／［効果1］攻撃10 ［効果2］防御10 ［効果3］増幅10

キバ(76) とカードを交換しました！

不幸中の幸い （ドラスティックレメディ）


イディオータ を研究しました！（深度0⇒1）
イディオータ を研究しました！（深度1⇒2）
イディオータ を研究しました！（深度2⇒3）

コンシアンス を習得！
クリエイト：キャノン を習得！
ウィンクルム を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

クゥ(1372) は 霞石 を入手！
雪里(1373) は 霞石 を入手！
チュイ(1519) は 方解石 を入手！
クゥ(1372) は たけのこ を入手！
チュイ(1519) は 羽 を入手！
クゥ(1372) は 皮 を入手！

▼エイド化候補（基本行動にてエイド化可能）
クゥ(1372) のもとに バンブーマン がものすごい勢いで駆け寄ってきます。
クゥ(1372) のもとに 山天狗 がゆっくりと近づいてきます。
クゥ(1372) のもとに カメレオン が興味津々な様子で近づいてきます。

リュウジン区 A-7（山岳）に移動！（体調26⇒25）
リュウジン区 B-7（森林）に移動！（体調25⇒24）
リュウジン区 C-7（森林）に移動！（体調24⇒23）
リュウジン区 C-8（森林）に移動！（体調23⇒22）
リュウジン区 C-9（山岳）に移動！（体調22⇒21）

［844 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［412 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［464 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［156 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［340 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［237 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［160 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［97 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［41 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［17 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破



　

　

　

　　　ぽつ･･･

　

　

　

　　　　　　　　　ぽつ･･･

　

　

　



　




　

　

　

　　　　　　サァ･･･――

　

　

　

雨が降る。

　

　

　

　

　

　




よく見ると雨は赤黒く、やや重い。

　




急いで雨宿り先を探す白南海。

　

　

しかし服は色付かず、雨は物に当たると同時に赤い煙となり消える。

地面にも雨は溜まらず、赤い薄煙がゆらゆらと舞っている。

　

　




　

　

　

チャットが閉じられる――