【某日某所にて】
ちょうど、自分が訪れた時、他の慰問客はいなかった。
だから、と言うわけでもなかったが。彼女の弟である零壱君とゆっくり話すことができた。
以前に会った時はまだ中学生だった彼も、もう大学を卒業して社会人……どころか、会社を起業して会社社長だ。結婚もしているし、自分よりも先に大人になったようにも見えた。
「ごめんね。本当は、もっと早く来たかったんだけれど……」
「謝らないでください。鰐塚さんが来てくれて、姉さんもきっと、喜んでいるはずだから」
一番辛いだろうに、零壱君はそれを表に出さないようにして笑っていた。
「夢咲」の家の人間として。彼女がいなくなった以上、彼が当主であり代表となるのだから、その自覚があるようだった。
彼だって……夢咲さんが、「夢咲 零羅」と言う特別な存在ではなく、ただの女性でもあったのと同じように。ただの「夢咲 零壱」と言う一個人であるはずなのに。そうではいられない現状がある。
「即死だったから。苦しむことはなかっただろう、って。「先生」がそう言っていました。それが、せめてもの救いです」
「即死……」
事件に巻き込まれて死亡。
公に公表されている情報は、ただそれだけだ。
……零壱君は、知っているはずだ。彼女がどうやって、どうして、なぜ、死ぬことになったのか。
こちらの視線から意図を感じ取ったのか、彼は申し訳なさそうな表情を浮かべる。
「……すみません。鰐塚さん。俺は、「言えない」んです」
「そう、か」
言えない、と。彼はそう言った。
口止めされているのだろう。誰かから、何かから。
「姉さんの遺志でも、あるから」
この言葉は、きっと嘘ではない。
ただし、同時にそれ以外にも誰かから口止めされているであろう事を言外に物語っている。
彼の立場では「言えない」。そういう事か。
「せめて、鰐塚さんにはきちんと伝えたいんだけれど……」
「いや、いいよ。君には君の事情があるんだから」
話せないのならば。
自分がすべきことは、一つだ。
「自分で、調べる……夢咲さんの遺志で、事実が公表されないのだとしても。せめて、俺としては死の理由くらいは、知りたいからね。彼女には悪いが、引きずり出させてもらう」
「引きずり出して……どうしますか?」
「どうするか……どう、しようね。正直、記事にしよう、って気はないかな。その点については、彼女の遺志を尊重したいから」
自分が知りたいから、調べる。
彼女が望まないのだとしても、その真実の腸を引きずり出す。
引きずり出して……どうするのか。この時点でまだ、答えは出せていない。
ただ、知りたかった。
せめて、知りたかった。
なぜ、死ななければならなかったのか。
それだけでも、知りたかったのだ。
知って……彼女が、「殺された」として。
……仇を、と、考えないわけでもないが。状況次第だ。
「……わかりました。俺にできることは、鰐塚さんが姉さんの死を探るうえで、「口止め」されないように働きかける事くらいです」
「それは……その、大丈夫なのかい?」
「それくらいなら、どうとでもなりますよ。どうとでもなるやり方くらいはできます」
にこり、と。まるでいたずら小僧のように零壱君が笑う。
あぁ、そうだ。この子は結構、したたかなところがあるのだった。
「ただ、無理はしないでくださいね?」
「大丈夫、無理はしないよ。自分のできる範囲でやっていくさ」
まずは、情報収集だ。
ほんのわずかなものでもいい。
情報のかけらを見つけたら、そこをひっつかんで、引きずり出す。
それが、自分のやり方だ。
今まで通りやっていけばいい。
ただ、それだけの事だ。
――まぁ。
彼女の死の真相を知りたがる彼女のファン達には、自分だけが真相へと迫っていくのは悪いな、とは思うが。
こればっかりは、彼女の友人であった俺の特権だと、思う事にしよう。
【某日某所】
【夢咲 零羅2#yい9.真相究明会議いw】
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[843 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[396 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[440 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[138 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
[272 / 500] ―― 《大通り》より堅固な戦型
[125 / 500] ―― 《商店街》より安定な戦型
[125 / 500] ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
[24 / 500] ―― 《古寺》戦型不利の緩和
―― Cross+Roseに映し出される。
フレディオ
碧眼、ロマンスグレーの短髪。
彫りが深く、男前な老翁。
黒のライダースジャケットを身に着けている。
ミヨチン
茶色の瞳、桜色のロング巻き髪。
ハイパーサイキックパワーJK。
着崩し制服コーデ。
エディアン
プラチナブロンドヘアに紫の瞳。
緑のタートルネックにジーンズ。眼鏡をかけている。
長い髪は適当なところで雑に結んである。
白南海
黒い短髪に切れ長の目、青い瞳。
白スーツに黒Yシャツを襟を立てて着ている。
青色レンズの色付き眼鏡をしている。
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フレディオ 「いよぉ!なるほどこう入んのか、ようやく使えそうだぜ。」 |
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ミヨチン 「にゃー!遊びに来たっすよぉ!!」 |
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エディアン 「にゃー!いらっしゃいませー!!」 |
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白南海 「毎度毎度うっせぇなぁ・・・いやこれ俺絶対この役向いてねぇわ。」 |
ロストのふたりがチャットに入り込んできた。
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ミヨチン 「・・・・・?おっさん誰?」 |
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フレディオ 「フレディオにゃー。ピッチピチ小娘も大好きにゃん!」 |
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ミヨチン 「・・・・・」 |
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エディアン 「・・・・・」 |
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フレディオ 「・・・いやジョークだろジョーク、そんな反応すんなっつーの。」 |
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ミヨチン 「大好きなのは嬉しーけど、そのナリでにゃんは痛いっすよぉ! なんすかそれ口癖っすかぁ??まじウケるんですけど。」 |
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フレディオ 「え、あぁそっち?・・・ジョークだジョーク。」 |
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エディアン 「私はそっちじゃないほうですね。顔がいいだけに残念です。」 |
軽蔑の眼差しを向けるエディアン。
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白南海 「・・・別にいいだろーよ。若い女が好きな男なんてむしろ普通だ普通。」 |
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フレディオ 「おうおうそうだそうだ!話の分かる兄ちゃんがいて助かるわッ」 |
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フレディオ 「・・・っつーわけで、みんなで初めましてのハグしようや!!!!」 |
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ミヨチン 「ハグハグー!!」 |
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エディアン 「ダメダメやめなさいミヨちゃん、確実にろくでもないおっさんですよあれ。」 |
ミヨチンを制止する。
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フレディオ 「・・・ハグしたがってる者を止める権利がお前にはあるのか?」 |
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エディアン 「真面目な顔して何言ってんですかフレディオさ・・・・・フレディオ。おい。」 |
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白南海 「お堅いねぇ。ハグぐらいしてやりゃえぇでしょうに。」 |
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フレディオ 「そうだそうだ!枯れたおっさんのちょっとした願望・・・・・」 |
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フレディオ 「・・・・・願望!?そうかその手が!!!!」 |
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エディアン 「ゼッッッッタイにやめてください。」 |
フレディオの胸倉をつかみ強く睨みつける!
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白南海 「そういえば聞きたかったんすけど、あんたらロストって一体どういう存在――」 |
――ザザッ
チャットが閉じられる――