［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

　薄暗い秋の空。
　雨粒がぽつぽつと窓ガラスを叩いている。
　怪しい空模様だとは思っていたが、ここ──ツクナミ区にある異能研究所に着いてからとうとう降り始めた。傘を持ってきておいて良かった。
　とはいえ、少し憂鬱な気分になる。
　雨は嫌いだ。濡れるし、薄暗いし、昔嫌な事があった日も雨だった。
　帰るまでには止んでいれば良いな。そう思いながら、『木下研究室』のプレートが掛かった白いドアをノックする。そうすれば、いつものように入るよう促す声がする。
　
「失礼します、木下センセー。こないだの結果取りに来ました」

　部屋に入るなり、手短に用件を伝えた。
　慣れ親しんだ、微かに消毒薬の匂いの漂う室内。彼にはよく分からない資料がそこら中に貼られている。

「はいはい、座んなさい。ちょっと待ってて──」

　その研究室の主、木下はいそいそとキャビネットからファイルを取り出す。頁を捲る細長い指は、11月のところで止まる。『田中田 哉太』の名前の検査結果を探り当てて、ファイルから抜き出した。
　促されるままに椅子に腰かけた田中田の手に渡されたのは、つい先日の異能検査の結果である。
　彼自身は自分の異能について詳しく知りたい訳でもない。しかし、両親がやたらとうるさいので数ヵ月に1度は検査を受けていた。息子の怪しい異能が心配だという親心を当の本人は今一つ重く受け止めていないので、木下の説明を話半分に聞いている。

「……で、今回の検査で分かったのは、ここ。
　精神感応系異能にかなり似てるんだけど、実際は神経伝達物質を操作する異能で──ちょっと、聞いてる？」

「ああハイ、聞いてますケド。よく見たらセンセー髪短くなってるな、と思って」

　のらりくらりした態度である。
　木下にはイバラシティを離れる前から世話になっていたので、気心が知れていた。そして彼女の方もそれは同じなので、悪態を吐いて鉄バクテリアのような色をした頭をやや強めに掴む。

「私の頭はどうでもいいのよ。君の頭の話してんの。
　まあ……とにかく君、楽しい事と危険な事好きでしょう。いや──危険というよりは、苦痛を感じるような事と言うべきか」

「……まあ」

　少し解せない顔をしたが、事実なのは事実なので頷く。
　確かに楽しい事をすると心地良い。痛くて苦しい事をしてもなぜか心地良い。
　が、後者に関してはこう言葉にされると『お前はマゾ野郎だ』と言われているみたいで何とも言えない気持ちにはなる。

「さっき言った物質が放出されるから。楽しい事はともかく危険な事はしないように。絶対ね」

　そう言って、木下は彼の頭を掴んでいた手の力を緩めた。それから、ゆるりと撫でるようにして手を離す。
　田中田は急に優しくなった手の感触にへら、と笑みを浮かべた。

「センセー、優しいですねえ。ウチ、木下センセーの事好きですよ」

「……それ、誰にでも言うでしょ」

「アッもしかして口だけだと思ってます？　本気っすよ」

「ええと、そうじゃなくて。
　──君の『誰でも好き』ってのも、異能の影響である可能性が高い。
　その異能は、エンドルフィン、ドーパミン、ノルアドレナリン、オキシトシンその他諸々、感情をコントロールする物質と密接に関与している」

　田中田は少しだけ視線を落とす。
　普段はあまりしない硬い顔つきで、その意味を考える。

「……異能に、そうさせられてるだけって事ですか。
　ウチの愛は偽物だった。みたいな」

「……、いや……」

　言い淀む木下を見て、田中田はいつものへらへらした顔をして席を立つ。
　検査結果を折り畳む。そもそも今日はこれを受け取りに来ただけだった。無駄に彼女の時間を奪う訳にもいかない。

「アアいや、別にどうでもいいんですよ。ウチは今さえ楽しければいいんで。
　そんじゃ、ありがとーございました。次はいつですか」

「…………。
　そうね、次は4月くらいに……。
　あ……それと、毎回言うけど使い過ぎない。1日5時間以内にしておきなさい。24時間以上使い続けたら──」

　腐るほど聞いた木下研究員の忠告を背に、田中田は研究室から立ち去る。
　はあい、と気の抜けた返事を残して。
　廊下に出て、窓の外を見る。そして溜息を吐いた。雨がまだ止んでいなかったからだ。






INSANITY>> 26/100
+ 【 1D6：3 】

ENo.261 暮泥 唯 とのやりとり


ENo.362 レーカ とのやりとり

ItemNo.7 皮 を食そうとしましたが、美味しくなさそうなのでやめました。

暮泥 唯(261) に ItemNo.7 皮 を送付しました。

自然LV を 5 DOWN。（LV20⇒15、+5CP、-5FP）

命術LV を 10 UP！（LV5⇒15、-10CP）
装飾LV を 5 UP！（LV40⇒45、-5CP）

■■■(676) の持つ ItemNo.5 毛 から装飾『夜色のブーツ』を作製しました！

濯木 龍臣(406) により ItemNo.1 駄木 から射程2の武器『10面ダイス』を作製してもらいました！
　⇒ 10面ダイス／武器：強さ55／［効果1］攻撃10 ［効果2］－ ［効果3］－【射程2】

暮泥 唯(261) により ItemNo.2 お肉 から料理『謎肉パテ』をつくってもらいました！
　⇒ 謎肉パテ／料理：強さ55／［効果1］攻撃10 ［効果2］防御10 ［効果3］増幅10

『柩狼』(483) とカードを交換しました！

冥境止水 （ノーマライズ）


五月雨 を研究しました！（深度0⇒1）
五月雨 を研究しました！（深度1⇒2）
五月雨 を研究しました！（深度2⇒3）

アクアヒール を習得！
オートヒール を習得！
水特性回復 を習得！
水の祝福 を習得！
パワフルヒール を習得！
ヒールミスト を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

田中田 哉太(60) は 木瓜 を入手！
齎藤 颯(130) は ラベンダー を入手！
暮泥 唯(261) は ラベンダー を入手！
濯木 龍臣(406) は ラベンダー を入手！
田中田 哉太(60) は 花びら を入手！
濯木 龍臣(406) は ネジ を入手！
濯木 龍臣(406) は 羽 を入手！
暮泥 唯(261) は 不思議な牙 を入手！

チナミ区 M-15（草原）に移動！（体調25⇒24）
チナミ区 N-15（森林）に移動！（体調24⇒23）
チナミ区 O-15（森林）に移動！（体調23⇒22）
チナミ区 P-15（森林）に移動！（体調22⇒21）
チナミ区 P-16（森林）に移動！（体調21⇒20）

採集はできませんでした。
　　 - 齎藤 颯(130) の選択は チナミ区 H-16：チェックポイント《瓦礫の山》（ベースキャンプ外のため無効）
　　 - 濯木 龍臣(406) の選択は チナミ区 H-16：チェックポイント《瓦礫の山》（ベースキャンプ外のため無効）

MISSION!!
チナミ区 O-16：梅楽園 が発生！
　　 - 田中田 哉太(60) が経由した チナミ区 O-16：梅楽園
　　 - 齎藤 颯(130) が経由した チナミ区 O-16：梅楽園
　　 - 暮泥 唯(261) が経由した チナミ区 O-16：梅楽園
　　 - 濯木 龍臣(406) が経由した チナミ区 O-16：梅楽園

［707 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［297 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




チャット画面にまたまたふたりの姿が映る。

　








　





　

ふたりの背後から突然現れる長身。





　




ダルそうな、面倒そうな、そんな様子の青年。

　





　




ふたりの反応を気にすることなく、




前髪を手でくしゃっとさせて、目のあたりを隠す。




　

そう言って、さっさと姿を消してしまう。

　

　

　






うーん、と悩むふたり。

　




白南海の姿が消える。

　





チャットが閉じられる――

ハザマのなか、咲き乱れる梅の木たち。

梅林にはほんのりと良い香りが漂う。

その景色は美しく見えるが、同時に異様にも映る。

　

園内を進んでいくと、周囲の梅の木がざわめく･･･






木が不自然に捻れ、音を立てる。

ボコッと地面から根が飛び出し、木が"歩き"はじめる･･･