［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

若宮線引という少年がいる。


幼い頃、母親の顔も覚えていられないほど早いうちに、母親を亡くし。
父親不在の家で祖母に育てられ、真っすぐに育ち。
順風満帆に思えた学生時代に突然自分の出自が裏の稼業であると聞かされ。
中学生にしてその片棒を担ぎながら今までの生活と決別する覚悟をして。
慣れない不良の真似事で周りを巻き込まないようにしながらも。
すぐに裏の稼業の抗争に蹴りが付き、不要と放逐され。
その後遺症が原因で右目の視力を失うことになり。
それが周りの者に見えないように眼帯をつけた――

――能天気なせいで損ばかりする、
楽観主義のために短絡な視野で、
相手を慮るが見当違いで、
根が明朗であるが故罪がなく、
シンプルな思考回路で騙されやすい。


若宮線引とは。
――そういう少年だ。


☆　　　★　　　☆　　　★　　　☆　　　













「――じゃあ私がアンジニティだったらどうします？」


どんな話の流れだっただろうか。
それも思い出せないような、きっと他愛ない会話だった。

返事はすぐに出た。
それが、アンジニティによる侵略であろうが、
他のどんな危機であろうが、仮定がそうであるなら、
自分の中では最初から決まっている話だった。


☆　　　★　　　☆　　　★　　　☆　　　


――ただ、その日の夜、それを真剣に考える真面目な男がいた。
その時何気なく言ったその言葉が、自分の中で本当に真実かどうかを確かめるように、
少年は自分の机で頬杖をついたまま、ぼんやりと昼間のことを考えている。

アンジニティ。
少し前に、イバラシティを騒がせていたその噂。
詳細までは覚えていないが、要約すれば、
今自分たちがいるイバラシティにはアンジニティと呼ばれる侵略者が紛れていて、
それはこの街を侵略する侵略者だという話だ。
自然に、巧妙に紛れたその隣人は、自分たちには見分けることはできず、
でも確実にそこに存在しているらしい。

都市伝説のようなものだと思う。
日常に潜む恐怖というものは、じわじわと足元を削っていくような怖さがある。
だからその噂は若者の間で主に広まり、
具体的な対策もわからないままこうやって話のタネにされていた。

隣人が。
具体的に言えば、知り合いが。
実は昔から存在していた相手ではなくて、
侵略のために植え付けられた偽物の記憶と共にやって来た侵略者である。
風凪が、高宮が、うさもりさんが。
或いは、いつからかはわからないけれど、
最初からそこにいたように存在する、偽者だったとしたら。

……それはとても怖いことだと思った。


――ただ。
それでも。

昨日、今日、明日。
突然に日常が崩れることもまた、自分にとってはそれほど他人事ではなかった。
今まで盤石だった自分の人生が、根元から覆されることだって、
人生の中ではままあることだと思っていたから。
そして自分がその例外であるとも、自分の周りの人間がその例外であるとも、
自分の出自が判明したあの日から、一度も思ったことはなかった。

昨日と同じように今日が存在することも、
今日と同じように明日が存在することも、
自分は完全に信じてなんていない。
偶然、偶然に綱渡りのように今が連続して続いているだけで、
ある時、何かのきっかけで踏み外してしまうこともあったかもしれない。
運命の日というものが存在して、
それがもし今までの人生で取り返しのつかないくらい何かを壊していたら、
今の自分も、今の周りの人間もまた存在しないのだから。

それは、とても怖いことで。
だからこそ、自分はその偶然に感謝もしていた。

その上で、今から何かをすることが許されるのならば、
何かが起こった時に、選ぶ自由があるのだとしたら。
もし、自分なんかにそれが許されるのならば、
何かを選択する自由が、自分は欲しかった。

多分それが、今全てのそれ以外を代わりにしてでも、
自分が選びたいことで。
そのために手放すものは代償でも生贄でもなくて、
ただ単純に自分の手に余るだけの話だ。

自分のできることは限られている。
だから多くを求めたりはしない。
でも、何かを求めることも諦めたわけじゃない。

風凪が。
風凪マナカが。
……いや、彼女だけじゃない。
高宮清春が、初早森兎乃が、自分の周囲にいる誰がそうであっても。
もし許されるのであれば、自分は、それに寄り添うことくらいはできる。
力になることや、根本的な救いにはきっとなれないけれど、
その決断に、決意に、真意に。
寄り添い、話し、自分だけで足りないなら人を集め、
何らかのより良い結論にたどり着くことを、諦めないことはできる。

たどり着く結末が、もしかして自分を、相手を傷つけることになるかもしれないけれど。
そうならないために、努力することを諦めないことはできる。


眼帯の下、右目が疼いた。

静かに、赤い眼帯を外して、机に置いた。
机の上の鏡に、自分の醜い右目が映る。
これは、自分が異能を使いすぎた、異能に頼りすぎた代償でもある。

充血し濁った右目は、もう何も映さないけれど。
その右目で見た物を、俺だけは忘れたりしない。
自分の出自のせいで助けれなかった者、傷つけた者。
一つたりとも忘れてはいない。

この充血は、医者曰く、数年のスパンで治っていくものらしい。
眼球の中で毛細血管が破裂し、血だまりを作っているだけで、
右目を休めていれば、元の眼球に戻っていくとのことだ。
ただ、失われた視力だけは戻らないらしいが、
それでも構わない。

例え見えなくとも外見さえ治まれば、その異形の瞳も、
見たときに感じるのは嫌悪感ではなく、違和感程度に収まるかもしれない。
そうなればいいなと、若宮線引は思っている。
そうなれば、自分はただの人間になれる。


若宮線引は、イバラシティの人間だ。


イバラシティで生まれ、
イバラシティの住民として、
若宮線引という、一人の人間として。

もし、後輩がアンジニティだったら。

――もし、風凪マナカがアンジニティだとしたら。

その時は、立ち位置が違ったとしても。
その時は、お互いがどんな形でそこにいようが―――。


☆　　　★　　　☆　　　★　　　☆　　　











―――。

「風凪が、アンジニティだったらって、
　そりゃ、お前――」




☆　　　★　　　☆　　　★　　　☆　　　














一度も。

――例え用意された人生がどんなに不幸なものであっても。






























一度も。

――例え何度別れが訪れようとも。































一度も。

――例え自分が異常で異端であると知っても。






























一度も。

――例え悪夢が繰り返されようとも。




















たった一度だって、折れたことのない男が――。







☆　　　★　　　☆　　　★　　　☆　　　







































「――味方するに決まってるだろ」





































「……センパイって」













「本当、かっこつけですよね」













若宮線引とは。
――そういう男だ。

ItemNo.6 ザリガニアヒージョ を食べました！
　体調が 1 回復！（11⇒12）
　今回の全戦闘において 器用10 敏捷10 耐疫10 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

守護者の姿が消え去った――

　

　

六角形の柱から天に向け、赤色の光柱が立つ。

どうやら次元タクシーで行けるようになったようだ。

命術LV を 5 DOWN。（LV5⇒0、+5CP、-5FP）
制約LV を 10 DOWN。（LV10⇒0、+10CP、-10FP）
領域LV を 5 DOWN。（LV5⇒0、+5CP、-5FP）
解析LV を 5 DOWN。（LV5⇒0、+5CP、-5FP）

武術LV を 15 UP！（LV5⇒20、-15CP）
自然LV を 15 UP！（LV5⇒20、-15CP）
防具LV を 5 UP！（LV35⇒40、-5CP）

シュウ(127) とカードを交換しました！

強打のカード （ハードブレイク）


コンテイン を研究しました！（深度0⇒1）
コンテイン を研究しました！（深度1⇒2）
コンテイン を研究しました！（深度2⇒3）

チャージ を習得！
ブルーム を習得！
ブランチ を習得！
イレイザー を習得！
地の祝福 を習得！
快進撃 を習得！
ハードブレイク を習得！
グランドクラッシャー を習得！
☆強打 を習得！
☆初習得ボーナス：各FPが2増加した！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

りりぃ(85) は 古雑誌 を入手！
清春(188) は 古雑誌 を入手！
線引(506) は 古雑誌 を入手！
マナカ(507) は 古雑誌 を入手！
マナカ(507) は 爪 を入手！
りりぃ(85) は 美味しい草 を入手！
清春(188) は 剛毛 を入手！
線引(506) は 爪 を入手！
りりぃ(85) は 皮 を入手！
りりぃ(85) は 皮 を入手！
りりぃ(85) は 皮 を入手！
りりぃ(85) は 皮 を入手！

▼エイド化候補（基本行動にてエイド化可能）
りりぃ(85) のもとに こぐま が興味津々な様子で近づいてきます。
りりぃ(85) のもとに 疾走雑草 が軽快なステップで近づいてきます。

りりぃ(85) がパーティから離脱しました！

清春(188) がパーティから離脱しました！

マナカ(507) に移動を委ねました。

チナミ区 J-19（森林）に移動！（体調12⇒11）
チナミ区 J-20（道路）に移動！（体調11⇒10）
カミセイ区 J-1（道路）に移動！（体調10⇒9）
カミセイ区 J-2（道路）に移動！（体調9⇒8）
カミセイ区 J-3（道路）に移動！（体調8⇒7）

採集はできませんでした。
　　 - 線引(506) の選択は チナミ区 H-16：チェックポイント《瓦礫の山》（ベースキャンプ外のため無効）
　　 - マナカ(507) の選択は チナミ区 H-16：チェックポイント《瓦礫の山》（ベースキャンプ外のため無効）

MISSION - 未発生：
　　 - 線引(506) の選択は チナミ区 H-16：チェックポイント《瓦礫の山》（ベースキャンプ外のため無効）
　　 - マナカ(507) の選択は チナミ区 H-16：チェックポイント《瓦礫の山》（ベースキャンプ外のため無効）

［625 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［223 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




チャット画面にふたりの姿が映る。

　











　

　

　









　








ノウレットから遠く離れる白南海。




　

　

　















遠く離れた白南海を手招く。

　

　

　







　

　

　

チャットが閉じられる――