マイペースで不思議な雰囲気のねえさんと、ねえさんに振り回されるじいやの二人組。
不慮のトラブルで遠くからイバラシティへと流れ着いたらしい。
[icon0-9]“ねえさん”アシュリー
「いやー、ボクたちド田舎から来たからサ!右も左もわからないんだよネ!」
いつも笑みを絶やさない飄々とした人物。
その言葉は薄っぺらく、どこまでが本心だかもわかりにくい。
魔術師であり、じいやの異能の師でもある。
見た目は13歳前後の少女だが、時折そうとは思えないような言動をする。
異能:《アシュリー式黒魔術》
不思議な奇跡を起こすことができる異能。
通常の魔術と異なるのは、術式をストックできないこと。
ねえさん本人はこれを「つまり好きな時に好きな願いを叶えられる異能だよ」などと言うが、実際の使い勝手はひどく悪く、まともに機能するまでにはかなりの熟練を要する。
[icon10-19]“じいや”ジルハルト
「お前は遠慮というものを知らんのか!?」
ねえさんの振る舞いに頭を抱える老人。
元の世界では領主の立場であり、ねえさんの雇い主でもある。
ねえさんと同郷、しかも領主の立場だったらしい。
生真面目で実直だが、気難しい性格ではない。独特の訛り口調で喋る。
異能:《プラス&マイナス》
身体強化術。訓練の結果、ちょっと風邪をひきにくくなった。
極めると拳や体を鋼のように硬くしたり、歳をとらなくなったりしたりも出来るかもしれないという噂。
異能:《アシュリー式黒魔術》
不思議な奇跡を起こすことができる異能。
通常の魔術と異なるのは、術式をストックできないこと。
常に新しい魔術を開発し、その瞬間に発動する、というのが基本的な設計思想となる。
性質上、限定的な状況下でしか使えない魔術が多い。
現時点のじいやではまだ実用のレベルに至っておらず、へんてこな効果ばかり生み出してしまう。
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プレイス情報
フラワーショップ「スイート・フラッグ」(http://lisge.com/ib/talk.php?p=2942)
街角に佇む、小さなお花屋さん。
店内は綺麗でゆったりとした、オープンカフェのような雰囲気。
食事は出ないけれど、ハーブの安らぐ香りが包み込む。
長居すると、体質によっては『妙に居心地よく』感じられてくるかもしれない。
[icon20-25]店長 菖蒲美音(しょうぶみおん)
「いらっしゃい。今日はどうする?」
緩やかなウェイブのショートヘア、いつも笑みを絶やさない女性。
花に限らず植物全般が好きで、植物の話になると嬉しそうに言葉を紡ぎ続ける。
細身ながら体幹のしっかりした女性で、力仕事をものともしない。
その正体は裏社会の元地下闘技者であり、副店長の紫畑香の弟子でもある。
ベビーフェイスの革を被った凶悪なヒールであり、彼女と戦った者の中には、試合中の『不慮の事故』によって命を落とした者も少なくない。
穏やかな笑みとは裏腹にひどく幼稚な癇癪持ちで、しかもその怒りは表情に現れない。
思い通りに行かない事があればすぐ激昂し、そのたびに何かを破壊したり、逆らう相手を痛めつけようとする。
荒事慣れしており、犯罪にも躊躇がない。副店長の香を顎で使い、不機嫌になればすぐに八つ当たりするが、香が本気でなだめた際には決して逆らわず、彼の言いつけには不承不承ながら必ず従う。
性質は凶暴だが、花屋としては無害。
客として来店して、香りをあまり吸いすぎず、花を買うだけであれば、友好的な存在として接する事ができるはずだ。
異能:《調香師の心得!》
植物から香りを抽出し、組み合わせて新しい香りを作り出す異能。
言い換えれば「植物から香りを抽出し、組み合わせる」という儀式を経ることで、新たな香りを創造する邪法である。
それは好きな香りを抽出する程度に留まるような可愛らしい異能ではなく、既存のあらゆる薬効、毒などの効果を香りによって覆い隠し、さらには魔術的な効果すらも付与することができるという規格外のもの。
ただし抽出できる薬効は微量で、広範囲に散布するような事はできない。
また、彼女の能力はあくまで空気の創造のみであり、自身の香りを防ぐ術は持たない。
結果としてこの異能は専ら、自分の店内に「リラックスによって警戒心を薄れさせ、軽度な依存性を持つ香り」を散布することによって、耐性の弱い客を絡め取り、傀儡として育て上げるための布石として用いられている。
[icon26-29]副店長 紫畑香(しばたこう)
「悪いね、うちの店長が……」
後ろへ流したワイルドなウルフカット、顎髭ともみあげを残した髪型に、着崩したワイシャツとスラックススタイルの男性。
彫りが深く、肌は浅黒い。引き締まった長身。
性格は気さくで穏やかな常識人。