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「……ぐ、うぅ」 |
徐々に強まる吐き気。
低い耳鳴りの音。
三半規管が働かない。まるで船上であるかのように、視界が右に左に揺れている。
ああ、駄目だ。休憩しよう。
地面に倒れ込んだ。
手足が痺れ、感覚が遠退いている。
原因は判りきっている…………先程の、戦闘だ。
何の罪もない人を傷付けた。
街を守ろうとする良心的な人間を、俺はこの手で下したのだ。
己の良心が訴えている。
────例え誰かを救う為でも、誰かを傷付けるなんて駄目だ。
己の良心が叫んでいる。
────それでも、より多くの人の為に戦わなきゃいけない。
ゆっくりと、深呼吸を繰り返す。
……自分で選んだ道だろう。今はまだ、振り返る時じゃない。
もっと別のことを考えよう。もっと、明るい未来のことを──────
ふと。
知らないはずの記憶が蘇る。思わず上体を起こしたが、すぐに合点が入った。
イバラシティでの俺と、記憶の同期が行われている最中なのだろう。……今は有難い。
流れる記憶に身を任せ、目を閉じた。
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うんうん、向こうの俺も相変わらずだなあ…… |
同期していく記憶に、どこか懐かしい心地になりながら微笑んだ。
〝向こう〟の俺も、生前と変わらないようだ。
あの調子なら、あと10年で死刑かな。
幼い頃から、誰かがそばにいてくれた。
故郷にいた時はいつもグドーが手伝ってくれて、最後にカミローが後始末をしてくれた。
二人には、最期まで迷惑をかけてばかりだったな。
特にカミローなんて、自殺しそうな勢いだったし。
あの様子じゃ、ツグミが成人したら首吊るつもりだったんじゃないかな?彼女が成人するまで堪えるあたり、彼らしい。
その前に俺は死んじゃったから、結局どうなったのか知らないけど。
あ、そういえば────そろそろ俺の命日だ。いや、もう過ぎちゃったか。こっちの時の流れはまだ慣れないね。
大学に行ってからは、もっと沢山の縁に恵まれたなあ。
友達が増えて、仲間も増えて、いつしか家族になって。
人脈と呼ぶらしいその繋がりは、いつのまにか大きくなって、組織という集団になって─────
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……ん? |
ふと。
違和感が生まれる。
何故だ。
これはどこへ、何に対して、抱いた感情だ?
どくり。
どくり。
止まったはずの心臓が、脈打っているように思える。
数秒、いや数分かもしれない。思考を巡らせた後、答えを得た。
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どうして、向こうにも皆がいるんだ? |
幾つかの可能性を均し、考察し、……結果、ふたつの仮説まで絞ることができた。
仮説1:彼らは、ワールドスワップにより生まれた俺の一部である。
仮説2:彼らも同じく、アンジニティに流されこの戦争に参加している。
当たり前すぎて、気付けなかった。彼らがいることは、俺にとって前提条件だったからだ。
消去法で仮説1だろうか?
もし仮説2だとすれば、ハザマやアンジニティで彼らが見当たらないのはおかしい。
うん、イバラシティでの彼らは俺の一部だ。そう結論付け、嫌な予感を振り払う。悪い未来を考えるなんて、俺らしくない。
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「…………っていうか、そうじゃなきゃ困るんだよ」 |
死後も俺に巻き込まれるなんて、あんまりだ。
そんな酷い話、考えたくもないな。
手頃な木の棒を掴み、ゆっくりとした歩調で進み始めた。
◆◆◆
今村紙朗
弁護士。
一連のコウノトリ事件において弁護を担当した。被告人の■ ■、■■ ■とは同郷である。
2×××年6月12日に自宅で首を吊った状態で死亡しているのを、近隣住民によって発見された。享年55。
呪術LV を
5 DOWN。(LV5⇒
0、+5CP、-5FP)
武器LV を
5 DOWN。(LV5⇒
0、+5CP、-5FP)
幻術LV を
5 UP!(LV0⇒
5、-5CP)
解析LV を
5 UP!(LV0⇒
5、-5CP)
防具LV を
10 UP!(LV0⇒
10、-10CP)
ItemNo.2 不思議な防具 に
ItemNo.8 白樺 を付加しました!
⇒ 不思議な防具/防具:強さ10/[効果1]- [効果2]活力15 [効果3]-/
特殊アイテム
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リズン 「うおーっ!唸れ俺の芸術性~~!!」 |
ライガ(1495) とカードを交換しました!
爆音マフラー
(ブレイク)
オートヒール を研究しました!(深度2⇒
3)
オートヒール を研究しましたが既に最大深度でした。
オートヒール を研究しましたが既に最大深度でした。
ライトニング を習得!
プリディクション を習得!
ブレス を習得!
アイスソーン を習得!
アマゾナイト を習得!
プチメテオカード を習得!
レイ を習得!
◇通常獲得:各CP・FPが5増加した!