
さて、また一回りしたわ。
ホントに? 実は誰か、こっそりと時計をぐるぐる弄ってたりしない?
『きちんと、合ってますよ。キョウカさん。僕も見てました』
めんどいね。カラス。デコに大きいって書いてあるから大ガラス。
超人か何か? なんとも安直なネーミングで良いわね。
そういうのがそこそこ強いとなお腹立つけど。すごくムカつくわ。
別に良いんだけどさ。負けたところで死にはしないんだけど。死なない程度に逃げ出すしね。めんどいし。
『まさか、キョウカさんが負ける、なんて。……思いも、しませんでした、けれど』
つまりは結論としてはめんどい、に至るんだけど。
毎回戦わないと駄目? ああいう手合いと。
『仕方、ないですよ。……そういう場所、みたいですから』
駄目。……やれやれだわ。
誰も答えてないって? だって答えを聞くまでも無いじゃない。
そういう"ゲーム"だろうし。これは。
『キョウカ、さん。……僕が、いますよ』
ま、あっちの世界に住んでる人にとっちゃ、ゲームじゃ済まないかもしれないけどね。
まかり間違えばこっちの地獄に落とされるし。
それにしてもさ。随分と充実した生活してるわ。
あっちの私は。
『そうですね。キョウカさんは、やっぱり』
センセイには散々飯を奢らせ酒を奢らせ。何だか随分と長い一日だった気がするわ。
具体的に言うと、一ヶ月から二ヶ月前後くらい。
……そんなかかってないって? そういう気持ちになっただけよ。そういう気持ちに。
あとは執事さんとこにも行ったね。随分とあっちの"私"は思い立つのが早いこと。
あっちの"私"は、私の思ってる事なんてわからないはずだと思うんだけどね。
『……僕も、未だに。よく、わからないです』
ああ、でも所詮は私だしね。
考える事なんて、そうそう大差は無いわ。
にしても。天文台って行った事ないんだっけ。……ちょっと記憶が曖昧なんだけど。
小学生か何かの頃に、一度や二度行った事ありそうなものだけどね。
ところでさ。一つ言って良い?
『はい、何ですか? ■■■■さん』
 |
■■■■ 「私の名を呼ばないでくれる?」 |
 |
■■■■ 「死んでる癖に」 |
銃声。一発、二発。
 |
キョウカ 「……おや」 |
やだね。いつの間にやらハジキ抜いてるわ。何だったら、撃った形跡さえあるね。
危ないお姉さんだこと。近くに人がいたらどうするんだか。
人殺しになっちゃうじゃない。
……あ、元々そうだわ。今は引退してる身だけどね。
今は? ……ま、今後も復帰する事は無いわ。
たぶんね。たぶん。