
────未観測領域へのトリップを確認。システムは正常に作動しています。
五感 異常なし。視界 良好。精神 オールグリーン。
────おはようございます。≪星読み≫は成功。桜葉杏子を認証します。────
現状把握。特殊な隔壁と建物の損傷及び"住人"の存在を観測。凡そ94%[*1]の確率で狭間世界と推定しました。
現在より60分を1単位時間[*2]と定義。防衛作業を開始。
探査行動プロトコルを提出します。
1.規定プロセスの確認。≪星読み≫の動作テストを行ってください。
2.周囲の脅威的存在の排除。
3.本体への情報、及び記憶の引継ぎと譲渡。直ちに[星見]を終了し、伝達すること。[*3]
4.[星見]の終了を確認後、権限は桜葉杏子に帰属します。
[*1]干渉不足による非断定的回帰。
[*2]1~3分程度の誤差有り。
[*3]インストールの完了次第、接続準備が行なわれる。
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杏子 「───規定プロセスを実行します。」 |
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杏子 「イバラシティの記憶及び観測事情の取り込み。 異能力の発動を観測できませんでした。並行移動による誤差内に収まると断定。問題無し。」 |
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杏子 「"管理人"の連絡を確認しました。 その他────問題ありません。第二フェイズ。」 |
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杏子 「異能力の発動確認、動作把握……。 ≪星読み≫を脱着、実行します。現在世界との紐づけをクリア。狭間内での剥離を排除。
……これにより、36単位時間内における≪星読み≫の使用を許可されます。第三フェイズへ移行。」 |
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杏子 「……5単位時間ごとへの≪星読み≫を実行しましたが、エラーが生じました。 星辰の振れ幅及び未観測領域の影響と考えられます。エラーコードを記憶し……規定プロセスを終了します。」 |
以降のフェイズは、桜葉杏子に主導意識を譲渡することを優先として実行されます。
周囲の安全を確認した後、[星見]を終了しリソースの確保をさせてください。
今回のエラーコードが送信された後≪星読み≫は桜葉杏子に帰還され、[星見]は終了します。
また、狭間5単位時間ごとに[星見]のバックアップを要求。データベースの狭間区間内情報に送信してください。
[星見]の終了後≪星読み≫への初回接続をキーとして異能発動コードが自動送信されます。
1単位時間内での接続が確認できない場合はシステムⅡ-β チャート46を実行してください。
バイタルデータの観測が不定閉鎖領域──否定界:アンジニティに転移した際、≪星読み≫はシンクロダイブを再度試みます。
最終チェック宣言の終了後、動作テストを終了します。
現在の優先目的を設定してください。
▶[狭間世界の状況把握、移動] [物資補給及び防衛準備] [侵略者の排除]
≪星読み≫からの取得データ項目を選択してください。
▶[星辰具召喚] [データ合成] [占術結果付与]
協力要請、及び情報伝達を行ないますか?
[はい] ▶[いいえ]
戦闘時における異能自動発動システムの優先ポイントを設定しますか?
▶[はい] [いいえ]
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杏子 「………おや、これは──。」 |
"貴方は何処に居たいですか"
[分からない/定まらない] ▶[イバラシティ] [アンジニティ] [ハザマ] [何処でもない]
────こんなチェックボックス、マニュアルに無かった。
<Cross+Rose>の機能……ではあるのだろうが。これで凡その人数差でも把握するのかもしれない。
であれば、防衛サイドである桜葉杏子の解は明白だ。念のため最終チェックデータを送信する。
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杏子 「………………さて」 |
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杏子 「プロセスが乱れるのは癪に障らなくもないですが───まずは、状況解決が優先ですね。」 |
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杏子 「──星の導きがあらんことを。」 |