 |
照龍 「……」 |
あれ?
 |
照龍 「…………」 |
俺はウンコ……じゃねぇ、ウシロゲーセンに向かってたはずなんだけど
めんどくせーから制服のままで
 |
照龍 「(……何処だよ、此処)」 |
そういや前に変な夢を見たのを思い出したな
侵略がどうのこうのっていう話だったか
嫌に印象に残ってたもんだから、想起するのは容易かった
 |
照龍 「(ハザマってとこなんか、此処が アンジニティ?殴り合う?勘弁してくれこちとらクソザコ一般陰キャ男子高校生なんだが)」 |
なんで巻き込まれなきゃいけねぇんだ、というのが本音だった
こっちは平穏に過ごしたいんだ
誰にも絡まれず、やりたいことやって、最低限こなして
只々、孤独に、平和に……
ともいかないご様子だった
だって……そりゃあ……
あんな化け物がいるんじゃあ、ねぇ……
"ナレハテ"と呼ばれるキモい奴を見据える
あれどう考えてもこっち狙ってるよな
正気?いや正気じゃなさそう
こっちの野郎も『ブチのめしちゃってください』だなんて
クソ無責任な事言いやがって
 |
照龍 「(アホ死ねクソ野郎)」 |
心の中でそうぼやきつつ、マスクを下げる
異能の影響が高くなるってんなら
あと化け物がいるんてんなら
この異能も少しは役に立つのかもしれないし
飴玉を一個口に放り込む
 |
照龍 「(思いっきり吐いてぶつけりゃこいつも怯むだろ)」 |
厨二病にでもかかってそうな医者から付けられたその異能の名前は
《吐弾(スピードスピット)》
ちゃんと表記と発音は別らしい、何のこだわりがあるんだ?死ね、俺が厨二病みたいじゃねぇか
なんだっていいけど
この異能のおかげで、口から吐く物は全部弾丸級のスピードが出るってわけだ
唾ですら軽く窓ガラスは割れる(実験でやらされただけだから故意じゃない)
とりあえずこの異能のせいで常時マスク付けなきゃいけねぇし
くしゃみしようものなら大惨事だし、咳ですら怪しい
飴玉は舐めれないしガムだって噛めない
食事だってリスクを背負いながらしなきゃいけない
人を傷つける可能性があるから
だから俺は人を避けた……いや嘘、コミュニケーション面倒なのが7割
3割は本当にこの理由だったわ
あと少食なのもこれが理由、口の中に物いれたくねぇんだよ
栄養剤だけで生きていけねぇかな
現実逃避はここまでにしておいて
さあかかってこいよクソ野郎
俺は死なねぇ、死にたくねぇ
てかこれ帰れるの?はーうっぜ、マジ死ねどいつもこいつも
つーか、いつもぼっちだけど此処でもぼっちかよ
いいけど