
◆
自分に異能があると分かったのは、小学校1年生の夏だ。
跡継ぎになれる人間が俺しかいなかったからだろう。祖父母と父母からの期待は当時の小さい己にとって耐え難いものだった。
やれあらゆる菓子をつくれだの、湯気に負けるなだの、感触で覚えろだのと叩き込まれすぎた結果、毎日手を傷だらけにして泣く羽目になっていたのだ。
小学生には夏休みというものがあるらしいということも、当初はよくわからなかった。
却って普段は小学校へ行っているために免除されていた練習が一層増え苦しいばかりで、早く秋になることを願っていた。
そんなことを続けて家業を好きになるはずもなく、その日も料理の練習にとべそをかきながら卵焼きを焼いていた。
うまく返せずに焦げた端っこを見つめながら、ああまた怒られるな、鳥になれたら逃げられるんだろうか、なんて考えていたときのことだ。
ひょこ、ひょことその端っこが持ち上がり、まだ無事な黄色のおいしそうな部分を巻き込んで立ち上がった姿を、今でも覚えている。
不格好ながらひよこのような姿をとったその卵焼きは、こちらを一瞥するような動きのあと、フライパンから降り立ち、とことこと歩き出した。
思わず大声を上げる自分、近づいてくる母…………
医者らしい人物の元を去るときには、世界が変わっていた。
練習はしなくてもよくなったし、怒鳴られることもなくなった。
その代わり口を開けば、やはりうちの跡継ぎだ、お前には才能があった、と満足気な言葉が出るようになった。
「あのひよこはどうしたの」
「異能の検査に必要かと思って持って行ったけど、要らないって。食べたらどうなるか分かったものじゃないでしょう」
だけどあの子は逃げられなかった。
空ではなくゴミ箱へ行ってしまったのだから。
◆
そのころ、出会ったばかりの友達がいた。
あいつは傷だらけで、怯えた昏い目をしていて、いつも腹を空かせている。
笑うこともないし、もちろん冗談だって言わない。
けれど黙ってあとをついてくるから、ほとほと困り果てた俺は出来心で“それ”を渡した。
「……おいしい」
「へ?」
初めて聞く声だった。
言い直すのも惜しいのか、あっという間に平らげて、口元を拭っている。
「これ、なに?」
「……あ、ええと。マフィン……だけど……」
「まひん」
おうむ返しをする口の端、生々しく切れていたはずのそこが、綺麗になっている。
「な、なあ。口、痛くないか?」
「いたくない、……?おいしいね」
もう一度ボロボロのシャツで口元を拭って、ついてくるはずの血がないことに首を傾げる。
何度か食べたあとの残骸と俺の顔を見比べて、花が咲くように笑った。
きみの異能は、願いを叶える力とも言えるかもしれないね。
医者からそう告げられた記憶が、閃くように脳裏へ蘇る。
もしもそのことが本当なのだとしたら、自分の願いは――

お肉(50 PS)を購入しようとしましたが、PSが足りませんでした。
お魚(50 PS)を購入しようとしましたが、PSが足りませんでした。
お野菜(50 PS)を購入しようとしましたが、PSが足りませんでした。
百薬LV を
20 UP!(LV0⇒
20、-20CP)
料理LV を
20 UP!(LV0⇒
20、-20CP)
スミレ(1127) により
ItemNo.5 不思議な石 から射程3の武器『
戦闘用電動泡立て器』を作製してもらいました!
⇒ 戦闘用電動泡立て器/武器:強さ30/[効果1]回復10 [効果2]- [効果3]-【射程3】/
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スミレ 「茅が使いやすいように、調理器具の形にしてみたよ。役に立てばいいな。」 |
ItemNo.6 不思議な食材 から料理『
試作品のクッキー』をつくりました!
⇒ 試作品のクッキー/料理:強さ30/[効果1]器用10 [効果2]敏捷10 [効果3]耐疫10/
特殊アイテム
スミレ(1127) の持つ
ItemNo.6 不思議な食材 から料理『
試作品のクッキー』をつくりました!
ダイスさん(1170) の持つ
ItemNo.6 不思議な食材 から料理『
試作品のクッキー』をつくりました!
五十森(858) とカードを交換しました!
ある朝の日の
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アクアヒール を研究しました!(深度0⇒
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ヒールポーション を習得!
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☆薬師 を習得!
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◇通常獲得:各CP・FPが5増加した!