本日、これで三回目のハザマなにがしの世界。
いっても地形はほぼ普通のイバラシティと変わらないんだけど。
「よぅ」
「こんにちわなのです、メイ」
「…………」
あれ?
「おーい……ああ」
「メイ、アキラ君が先ほどから変なのです」
アキラの目の前で手を振る私。
無反応のアキラ。
それを見てさっきからこの様子だと語る緑。
「落ちたかな。コイツ、ひk……インドアだから、たまにあるのよ」
「そうなのです?」
「んー……」
こうなったら暫くの間はこのままだろ。
多分疲れてるだけだと思うんだけど。
置いて行ってもいいが
「さすがにちょっと忍びないか、弱ったな」
「おいてくのはだめだと思うのですよ」
「エスパーかよ」
仕方ない、とばかりに今日は二人であまり動き回らないことに決めた。
どっちにしろ、この世界での敵のような奴らは襲ってくるから。
「そういえば、武器……といってもそれなりにしっかりした形の拾っただけだけど」
「メイの審美眼は確かだったのです、ばっちり」
何がばっちりか。
それにこういうのは審美眼より鑑定眼とかではなかろうか、どっちも微妙か。
「んー、扱いやすい物があってよかったけど。ただ拾ってきただけだからな」
もうちょっと何かしら工夫すべきだったのでは?と思うのだが。
この世界では、私は武器を作ったりするのに長けているようだ。
その、緑が持っている棒を加工して槍っぽくしたりこん棒っぽくしたりも
加工の仕方によってはできるだろうに。
あえてそのままの形がいいという。
「手に馴染む感じがするのです。なじむぞぉ」
「なんかそれはやべぇやつになりそうだなお前」
「所詮、戦いなれていないので始めは簡単なのが良いのです。慣れてきたらもっと別のを頼みます」
「歴戦の傭兵か何かか」
変に納得のいく意見を言われてしまった。
まぁ、確かにそうだな。
「それに、アキラ君も棒ではないですか」
「ああ、あれは……あいつは、冒険のはじめとかはああいうのがいいんだと。お約束だってさ」
「お約束……彼はすでにこの世界の完全理解を」
「そーいうんじゃないと思うな、それは笑えないぞ」
このボケ、私一人で後1時間さばききるのつらくない?
あー、ちょっと濃いめのコーヒー飲みてぇ。