［基本］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

赤黒い空。
汚泥の沼地。
荒廃した大地。
そのいずれも、なんと”懐かしい”事か。

『あっは…！』

思わず、否、これが笑わずにいられようか。
この何もかもが朽ち果てた世界を前に。
この何もかもが唾棄すべき汚泥が如き世界を前に。

『ええ、私は羨ましかったわ…貴方達が』

自分は間違いなく上機嫌であろう。自分は間違いなく正気へと還ったのだ。

『あの世界が。食事も美味しかったし、住む部屋は快適だった』

『あの世界に生きる貴方達の“未来”もそう。貴方達は何にでもなれる』

乱暴に、制服のタイを外す。
相良伊橋の制服は嫌いではなかった。
初めて着用する高等学校の制服は、“捏造された記憶”であろうとも興奮した。

『そうよね、貴方達は、何にだってなれるのよね』

ニノマエ君はどうかしら？高校を卒業したらどこに進学する？それとも就職かしら？
奈切さんはどう？やっぱり家を継ぐ選択肢だってあるけど、折角の進学コースだもの、
大学へ進学するのもいいでしょう？

『私はね、相良伊橋を卒業したら海外留学を考えているわ
NCNの進学説明会やセミナーにももう顔をだしているのよ？』

『シモヨメ区の海中にブルーホールが出来たの知ってる？
あの海中穴の論文を書いて、認められればもしかしたら推薦で入学できるかもなの』

愛用の眼鏡を、無造作に放り投げる。かしゃん、と足元に転がった。

『進学先の第一志望はカリフォルニア大学のセントクルーズ。やっぱり私は海の事が好きみたい。
海洋生物学を最前線の本場で学べたら、どれだけ楽しいことかしら？
海の深さ、住む生物、数万年前の海水の成分、何なら研究だけじゃなく調査団に登録してもいいわ』

シャツのボタンを一つ一つ解く、
途中から面倒くさくなり、蛇が脱皮するようにスカートごとずり下げて衣服を脱ぎ捨てた。

『なんだってできるわ。なんにだってなれるわ』

下着をむしり取る、一糸まとわず、髪をかき上げ、外気へ肌を晒し、大きく深呼吸。
ようやく、呼吸ができたような感覚。

『あの世界なら、私は望んだままに、臨んだままに、成功したり、失敗したり…』



ああ、


寄越せよ、その“世界”。



『あっは…ははは、あはははははは』

ころころと、笑う。と同時、足元の影が巨円を描く。
まるでぽっかりと空いた穴のように、ぽっかりと空いた口のように、
異能の影は揺らぎ、そこが自身の領域であると主張する。

領域は、深淵だ。
その領域は、かつて深海で暴虐の限りを尽くし討たれた人魚の末裔の力そのもの。
その頂点に立ったモノの力の残滓、生ける空間そのもの。
故に領域からは民があふれ出す。母なる大海、その最も深き者の胎より。

ギチギチ。と多脚生物が這い回る。歪な骨格の鮫が擦り寄る。
瞼のない深海魚の誘灯光が色どり、華が咲くように伸縮肉腫が揺れる。

その全てを、目を背けたくなる、“別世界の何か”に、優しく触れる。
瞬間、ジジ。とノイズが走るように自身の体が揺らいだ。

一瞬、健康的な肌が、人の肌ではないものへと転ずる。
鱗が。甲殻が。角が。爪が。

ああ、やっぱり。
ああ、どうしても。

人の姿の方がよかった。
この姿こそが自身であると実感できる。

『あははははははははははははは！！！』

懐かしい“故郷”の空気に、擬態は溶け、ソレは歓喜の声を上げた。
世界侵略。己の描く未来と、“人生”を奪い取るために。

ENo.413 伊上 司 とのやりとり

特に何もしませんでした。

ミナギ(670) は 不思議な食材 を入手！

命術LV を 10 UP！（LV0⇒10、-10CP）
呪術LV を 10 UP！（LV0⇒10、-10CP）
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たまえ(1566) とカードを交換しました！

嫌よ嫌よも好きのうち （ヒール）


アクアヒール を習得！
ダークネス を習得！
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水特性回復 を習得！
エナジードレイン を習得！
アイシクルランス を習得！

次元タクシーに乗り『チナミ区 E-5：出発地』に転送されました！

チナミ区 E-6（道路）に移動！（体調30⇒29）
チナミ区 E-7（道路）に移動！（体調29⇒28）
チナミ区 E-8（道路）に移動！（体調28⇒27）
チナミ区 E-9（森林）に移動！（体調27⇒26）
チナミ区 E-10（森林）に移動！（体調26⇒25）

―― ハザマ時間が紡がれる。









チャットで時間が伝えられる。






エディアンの前に１台のタクシーが止まり、窓が開く。









帽子を少し頭から離し、ほんのちょっと頭を下げる。






窓が閉められ、タクシーが走り去っていく。






エディアンからのチャットが閉じられる――