［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「追い詰めたぞ、覚悟しろ！」

白を基調としたスーツを纏う戦士たち。
ヒーロー組織に属するチームの者たちだ。
手に手に武器を構えてじりじりと標的へと包囲を狭めていく。
己が力に対する自信。標的を追い詰めたという確信。
血気に逸る若さ、手柄を目前にした欲。
そして数的な優位。
銃口が、刃が、剣呑な光を湛える。

悠然と相対するは歪な黒い甲冑のような、異形。
戦士たちが遭遇した敵である、怪人だ。
戦士たちは自分たちが追い詰めたと思っているようだが
本当にそうだったのだろうか。
足を止め、獲物を待ち構えるようなその姿は
追い詰められた側の姿とは思えなかった。

黒い怪人はごつごつとした岩やブロックの塊の様な腕を
持ち上げると、指先をくいくいと動かして見せた。
わかりやすい挑発だ。
それに応じるかのように銃口が火を噴き
戦士たちが刃を振り上げる。

銃弾の雨が殺到する。
黒い怪人が床に掌を押し当てると床がめくれ上がり
鉄や木材が乱雑に組み合わされた壁が次々と生成された。
放たれた銃弾は隆起した壁により受け止められ
斜めに逸らされ、その威力を発揮することなく妨げられてしまった。

その隙に、黒い怪人が距離を詰める。
無造作に銃身を掴まれて戦士の動きが止まる。
奇妙な音がした。虫の羽音のような、低い音。
銃身はねじ曲がり、石などが乱雑に融合させられてしまっている。
これではもう、使い物にはならない。
銃を手放し、退こうとした戦士の腹に巨大な拳がねじ込まれた。
薄暗い廃屋に鈍い音が続けて響く。
壁に叩きつけられ、めり込み、ゆっくりと床にくずれ落ちる。
耳障りなエラー音とともにスーツが解除され、その機能を停止する。
そうして倒れた装着者たちが二度と起き上がることはなかった。

「お、の、れ…貴様ァァァ！！」

機械式の槍を構えた戦士が雄叫びとともに突撃。
異能により腕力及び脚力を強化。
アンバランスな姿をスーツが包み、支え、増幅する。
攻撃を止めようとした怪人の腕部装甲をその威力で削り飛ばし
回転する切っ先が黒い怪人へと、迫る。
しかし。
下からの鋭い蹴りにより逸らされ、装甲であらぬ方向へと弾かれて
槍の穂先はただ虚しく天を突くだけの無意味な姿となった。
失敗に終わった槍を手放し、短剣による接近戦に切り替えようとした
戦士だったが、その動きが止まる。

ぎしり。きちきち。ぎち。

怪人の胸の前で折りたたまれていた鎌状の副腕が開き
彼の背中で交差する。
無慈悲な抱擁が彼を抱き止めたのだ。
白いスーツの装甲が軋み、斬り裂かれ、人体を圧壊していく。

「悪くはなかった。直情的で直線的。まるでどこぞの角付きの様だ。
　しかし、重さが足りない。踏み込みが足りない。覚悟が、足りない。
　お前がヒーローを名乗るにはあまりにも、軽い。
　残念だったな。それでは俺の首をくれてやることは出来ない」

怪人が呟き終えたその時。
背後から、勇壮な電子音が響き、盛大に火花が散る。
機械仕掛けの長剣が怪人の装甲の隙間に食い込み、灼き斬ろうとしていた。
最後の、戦士。
倒れたふりをして暴威をやり過ごし、この不意打ちに賭けたのだろう。
この一撃が恐らく、彼の持つ最大火力の攻撃。

しかし。

装甲が内側から弾かれて怪人の巨体から分離して、落ちる。
装甲だけではなく、損壊した部位がブロックのように外れたのだ。
拮抗を失った長剣がその勢いのまま床を抉り、深々と突き刺さった。
長剣の戦士が愕然と見上げる。

最大の好機を失った彼が仲間とともに帰還することはなく
組織の名簿から彼の率いたチームの名が、消えた。


◆◆◆◆　◆◆◆◆　◆◆◆◆　◆◆◆◆


身を切るような凍てついた風が吹く。
小さな離島の寂れた港。
コートを羽織り、ダークスーツに身を包む男が
黒く四角い携帯端末を手に立っている。
眼鏡の奥のその瞳は冬の海のように冥く、冷たい。

「こちらグラフトバベル。障害の排除を完了した。
　ああ、始末した。
　嗅ぎ付けられた新薬のルートの変更等はそちらに任せる。
　…なんだ、ドクター。早速次の任務か？
　ああ、すまん。
　そうだな、こちらで想定よりも手間取りすぎた。
　やはり面倒くさい連中だな…AAAは。
　では、これより帰投する。話はそちらで聞こう」

特に何もしませんでした。

武岩(1257) は 不思議な食材 を入手！

駄石（50 PS）を購入しました。

武術LV を 10 UP！（LV0⇒10、-10CP）
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魔緒(231) とカードを交換しました！

スキルカード：ヒール （ヒール）


エキサイト を習得！
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次元タクシーに乗り『チナミ区 E-5：出発地』に転送されました！

チナミ区 E-6（道路）に移動！（体調30⇒29）
チナミ区 F-6（道路）に移動！（体調29⇒28）
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―― ハザマ時間が紡がれる。









チャットで時間が伝えられる。






エディアンの前に１台のタクシーが止まり、窓が開く。









帽子を少し頭から離し、ほんのちょっと頭を下げる。






窓が閉められ、タクシーが走り去っていく。






エディアンからのチャットが閉じられる――