生存 63 日目 天候:晴れ
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魔獣兵器 を野に放しました。 ヒートトルネード を野に放しました。 【食料消費】 料理判定に失敗… 食料416 を消費しました。
【食料消費】 PetNo.1 ジャファル
未琴「せっかく仲良くなれた でも多分お別れ。残念。でも泣かない。いつかまた会えるきっと。」
未琴&偽ウサギ「それまで元気でいてねっ!!(・ω・)ノ」
ピュセル(805) からメッセージ
ピュセル「また何処かで会えるといいねー。」
クニー(1155) からメッセージ
クニー「(/*^-( -` ○(∵(゚o゚(・ω・ )」
アカネ(1707) からメッセージ
アカネ「でも、声かけてくれた時はうれしかったです^^場所は違えどこれからもヨロシクです〜v」
呪医(1738) からメッセージ
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叫び声が聞こえる ハルキ(1053) のシャウト! ハルキ「栗鼠さん、今までお疲れ様ーd(。。」
ダガー(1565) のシャウト!
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創られた幻の島が、強い光を放ちつつ少しずつ消えていきます。 唯一残るのは島の本当の姿、小さな、ひとつの島。 そして貴方は想います、これからの自分の居場所・・・ 忘れられた島 目を開けていられないほどの輝きに包まれて、ロジュは不思議なほど心が安らぐのを感じていた。この島を司る大いなる存在の、なにか途方もない奇跡のような力が働いて、全ての人々は望む場所へと還っていく。温かな光の粒子が、立ち尽くす少女の頬を撫でては過ぎ去って行き、柔らかな熱が閉じた瞼の裏を奔流となって駆ける。 こわごわと薄目を開けた瞬間、網膜に大量の光が流れ込み、焼き付いて、ロジュは呻いた。そして彼女は見た。あでやかな黄色い衣装の踊り子が、服の裾を風になびかせて遠ざかっていくのを。「アカネ!」輪郭さえもおぼつかないほどに眩い光の中、アカネと呼ばれた少女は振り返って、花びらが綻ぶような可憐な微笑みを浮かべた。やがてその姿は蛍のような淡い輝きとなって光の向こうへ消えていく。 真っ白な光の中に去っていく人々の中に、見知った顔がいくつか見分けられた。壬生教授が、あの人好きのする温和な表情で手を振っている。約束の鍋を一緒に食べる日が、いつか来るだろうか。ロジュは大きく手を振って答えた。 夢を見るような心地で視線を巡らせると、見慣れたクニーの赤いマントが翻って目を引いた。鋭い眼で遠くを見ていた彼も、すぐに気付いてこちらに顔を向けた。 「よう」いつもと変わらない飄々とした声だ。「折角宝玉集めに火がついたところだったんだが、まさか贋物に踊らされていたとはな。やれやれだ」 眩しそうに瞳を眇めて手を翳したまま、ロジュは尋ねる。「クニー これから どこ 行くか?」 「さあ、特に決めてないな。風にでも聞いてくれ」 「風?」きょとんとするロジュ。「風とは しゃべる できないぞ」 困ったような顔で首を傾げた幼い娘を見て、クニーは、珍しくニヒルさを感じさせない爽やかな表情で笑った。 「じゃあな」 そう言ったかと思うと、返事を返す間もなく、クニーは掻き消えるようにいなくなってしまった。一人残されたロジュは、ぼんやりと佇んでいた。別れの挨拶ぐらい、きちんとさせて欲しかったのに。そう思う反面、これで良かったのだ、とも、ロジュには思えた。出会いが偶然ならば、別れもまた偶然なのだ。それ故に、再び巡り合う可能性を信じる事ができる。 『お前は、どこへ帰る?』 突然、とても近いところから、若い男の声が語りかけてきた。それも、失われたロジュの故郷の言葉で。驚いて声の聞こえたあたりを見上げたが、そこには誰もいなかった。不思議に思って辺りを見回すと、また声がした。 『私はここだ』 姿は見えない。だが、ロジュは何故かその声を、心地よいと思った。声は再び問う。『お前はどこへ帰る?』 『故郷へ…』 ロジュがそう呟いた途端、光は急速に膨張し、耐え難いほどの熱を帯びてうねり始めた。渦を巻き、収縮し、弾ける。幾百もの鈴のような音が、空気を震えさせて鳴り響く。 めくるめく光の乱舞は、ロジュの脳裏に、今までの出来事を次々とフラッシュバックさせた。銃声、そして逃亡。夜の海と潮騒。飢えた日々。獣の血を啜り、草の根を噛む。出会い。人狩りへの恐れと憎しみ。焚き火。追っ手の影。命を救われて流した涙。霧の森で見た幻影。そういった全てが嵐のように過ぎ去っていき、ふいに前方から柔らかい光が差した。彼女は静かに目を閉じた。 …… 気が付くと、二度と立つ事はないと思っていた故郷の島の大地に、ロジュは倒れ伏していた。 陽光がきらきらと降り注いでいる。遮る影もない。さわさわと風に揺れる青い草叢から身を起こすと、ヨナ神を祀る祭壇の朽ちた屋根が見えた。その後ろに見える森、遠吠え岬。さっきまでいた「あの島」が、陽光に煌めく海の彼方にうっすらと見える。まるで夢だったかのように。たった二ヶ月の不在だが、何十年ぶりかの帰郷のように懐かしく切ない思いに捕らわれて、ロジュは瞬きもせずにその光景を見ていた。 背後から、穏やかな青年の声が囁くように響いた。 『懐かしい場景だ。人の世が如何に移ろおうとも、変わらない。この島は』 ロジュは、目覚める前からその声の主の存在に気付いていた。だから振り返らずに聞いた。『お前は誰だ?』 彼の穏やかな視線がロジュに向けられたのが判った。 『私は古きヤディカの民。名はターリム、川の精霊に近き者。お前によってもう一つの俗名を与えられた者』 『……ジャファル』 慄くようにその名を呼び、ロジュは彼を見た。 ヤディカ=マハルの祭祀に用いる服を細身の身体に纏い、流れるような黒髪を、浅黒くしなやかな剥き出しの肩に垂らした青年。黒檀の瞳に伏せた長い睫毛、整った眉。額の中央に描かれた赤い紋様にロジュは見覚えがあった。ハッとするロジュに彼は言った。 『一度だけ、お前に私の姿を見られたことがあった』 霧深い森の中で遠目に見たとき、彼は小川で沐浴をしていた。ロジュは頷いた。 『けれど何故、今まで黙っていたんだ?何のためにロジュについてきた?』 『島の呪縛は解け、騒乱は去った……今こそ全てを語ろう。私は古きヤディカの民。不変の真理と力を求めて故郷を発ったのち、依代を転々としながら数百年の時を生きてきた。私の目は数百里先までも見通す。同胞の滅亡を知って私は嘆き、せめて最後の末裔であるお前を守るために、野犬の姿を借りて近づいたのだ』 ターリムと名乗った男、ジャファルは、眉根に深い皺を刻み、悟りを開いた者の神々しさと憂いを秘めた眼を閉じた。 『だが、人狩りに拾われた“もう一つの忘れ形見”は、見失ってしまった。すまない』 抜けるようにどこまでも青い空を、ザア、と強い風が渡った。ロジュはオレンジ色の巻き毛を激しく乱されながら、目を見開いた。全身に鳥肌が立った。 『――なんだって?』 『あの襲撃で重傷を負いながら健気にも生き延びた“お前の片割れ”は、人狩りと共に島を去った』 ロジュは眩暈を覚えてふらついたが、ジャファルが彼女の肩を掴まえたため、危ういところで転倒は免れた。だが、そのままがくりと膝をついて頭を垂れた少女を、ジャファルは静かに見ていた。双子の妹セネワルディが銃弾に斃(たお)れる瞬間を、あの日彼女は見たのだ。だが生きていた。そして人狩りの元へ?何故?……余りにも衝撃的で信じ難い話だった。 『うそ……嘘だ。嘘だ。嘘だ!!喩え生きていたとしても、父を殺め、同胞を殺めた憎い仇と、共に行くわけがない!!』 ロジュは地面にへたりこんだままジャファルの胸倉に掴みかかって叫んだ。 『嘘ではない』 『嘘だッ!!セーヌは穢れのない心を持った娘だ。皆には見えない精霊の姿を見ることもできた。セーヌは争う事、誰かを傷つけることが嫌いだ。人狩りに下るぐらいなら死を選ぶ娘……』 『ロジュ』 ジャファルが、肩に置いた手に力を込める。ロジュは困惑したように言葉を途切れさせ、泣きそうな顔で視線を彷徨わせた。 『お前には辛い事実だが、嘘ではないのだ。彼女は人狩りの首領、銀髪を持つ逞しき仮面の男に手厚く介抱された。そして心ならずも、愛してしまった』 優しくも残酷なジャファルの言葉に、幼い少女の両目から、真珠のような大粒の涙が零れ落ちる。この心臓をもがれたような哀しみをどうすればいいのか、ジャファルに問いたかった。 だが、できなかった。 しばらくの間、俯いて唇を強く噛み締めていたロジュは、肩に置かれたままの手をパシッと振り払って立ち上がった。 『どこへ?』 静かな問いかけにロジュは答えなかったが、ジャファルには解っていた。感傷は復讐者であるロジュにとって邪魔なものでしかなかった。燃え上がるような憎しみゆえに根ざした強固な意志が、彼女を仇のもとへと向かわせようとしているのだった。 ロジュは生家を訪れたが、素朴な茅葺きの家は荒れ果てていた。 汚泥と血と塵埃とにまみれた地面に、父の亡骸と思われる白い骨がそこかしこに散らばっていた。あの襲撃の後、森に住まう野生の獣が降りてきて喰らいでもしたのだろうか。想像していたような腐乱の気配はなく、ロジュは少し安心した。骨を拾い集め、家の裏手に小さな墓を作って祈りをささげると、二人は岬へ向かった。透明な美しいターコイズブルーが、三角の波を立てて彼方まで広がっている。 『これからどうするつもりだ?』 ジャファルが尋ね、ロジュは腕を組んだ。 『筏(いかだ)を作って島を出る』 『私も共に行く。だが、お前も解っているのだろう。復讐は何も生み出さないという事を』 『……』 『仇を討てば、妹がお前を許さないだろう。それでも良いのか』 『構わない』 ロジュは身じろぎもせずに水平線を睨めつけている。 「お前達、銀髪の男の手の者だろう?」 突然、明瞭な発音の共通語で語りかけるジャファルに、ロジュは驚いて腕組みを解き、彼の方を向いた。彼は背中越しに後ろの岩を見ている。 すると、岩陰で影が動いて、人の気配がした。 「驚いたねぇ。いつから気付いていたのかい」 妖艶なアルトの声が歌うように言い、黒いエナメルのライダースーツに身を包んだ女が姿を現した。さらにその後ろに、鋭い眼をした色黒の大男がのそりと立ち上がる。全く気付かなかったロジュはもっと驚いて目を丸くした。そんなロジュを見て女はかぶりを振る。 「あんたらと同じところに行きたいと願ったら、この島に飛ばされちまった。心配しなくても、あたし達はあんたに何もしやしないわ。もっとも、どうやらそっちのお連れさんにはお見通しのようだけどね」 『彼らは人狩りだ。だが首領に騙されてお前の父の呪いを受けた』 『父を殺したのは奴か!?』 ロジュは気色ばみ、とっさに斧を構えて飛び退った。 「待ってよ、あたしはこの島の人達を殺す気なんてなかったんだってば!」女は慌てて両手を振る。「でもやらなきゃ消すぞって言われて。それに知らなかったんだよ、あんた達の呪術のこと。親の呪いを解くためには、一子相伝の術を受け継いだ子が十六になるのを待たなきゃならないって、首領が言ったのさ。それであんたを尾行してた。でも……」 勢いを失って両腕をだらりと垂らす女に毒気を抜かれ、ロジュも怪訝そうな顔で斧を降ろす。 「あの男、あたし達に内緒であんたの妹を拾ってたんだ。妹も呪いを解けるのに、隠してた理由が解るかい?あいつ、姉妹揃ってハンターに仕立て上げるつもりなんだ」 「……ハンターとは名ばかりの、人殺しの道具だ」 ずっと押し黙っていた男が、重い口を開いた。女は頷き、大きく息をついて天を見上げた。 「なんていうか、バカらしくなっちまって。それに、追っ掛けまわしてるうちに、あんたに情が移っちゃってね。呪いどうこうは抜きにしても、このコを守んなきゃ、ってさ。こういうのを、母性本能っていうのかねえ?いつかあたしにも解る日がくるのかな」 と、女は笑った。 「私達はあの銀髪の男を討ちにゆく。行き先を知っているか?」 ジャファルの問いに、首を振って肩をすくめてみせる。 「残念ながら知らないよ。あたしらもあの男に利用されてこんな痛い目みたんだから、ぶっ殺してやりたいトコだけどねえ」 ロジュはしばらく怒ったような顔で考え込んでいたが、唐突に力強く顔を上げ、口を開いた。 「じゃあ ロジュといっしょ 行く!」 黒服の二人は面食らって、小さくも凛々しい少女をまじまじと見つめた。 「本気なのかい?」 「ロジュ ホンキ!あいつ許さない。お前 人殺し、でもまだ優しい気持ち 生きてる。違うか?だから、いっしょ 来い!」 ジャファルは苦笑し、そして、この少女が一つの柵からようやく解き放たれた事を感じて微笑んだ。彼女は罪を許したのだ。 ――その後、仇討ちを誓った姉と、愛のために全てを捨てた妹が、再びあいまみえたかどうか、知る者は少ない。 シャリーアという美しい女の婚礼の儀に列席する人々の中に、謎の娘と青年の姿があったというが、彼らがロジュワルディとジャファルであったかどうかは定かではない。 それはまた、別の話である。
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