――影があった。それも、二つある。 一つはとても大きいけれど、生物であろうそれは、その肢体をいくつもの杭で痛々しく打たれ、全身を鉄線で縛られ、眠っていた。 もう一つは、とてもとても小さい影だった。人のような、しかし人でない、どちらともつかない形をしているその影は、大きい影に寄り添うように、うずくまって膝を抱えていた。 もう、何度この夢を見ただろうか。大きな影は相変わらず眠ったままだし、小さい影は時折意味のある言葉を投げかけてくるが、やはり大半は掠れた音しか聞こえない。 「……だんだん苛ついて来たな」 これは、そう、村の友人を思い出す。栄養が足りずに、少し横になるしかなかった私を、反撃できない事を良いことに、窓越しにイタズラしてきたヤツ。 枝とか木の実とかならまだ良かった。そのうち、軽石とか勉強用のパンくずだとか、終いには反応が無いことに気を良くしたか怒ったかは分からないけれど、虫まで投げ入れられたりするように、少しずつエスカレートしていった。 一回全力で部屋の置物を頭にストライクさせてやったら、少し騒ぎになった後、それ以降何もしてこなくなった。後から聞いたら、親にこっ酷く叱られたらしい。ざまあみろ。 ……まあ、何というか。つまりこういう手合には、こちらから何かアクションを入れてやらなければ、多分解決しないのだ。 あれが、もうひとりの私というなら、恐らくこれもいたずらの一環なのだろう。本人にそうしている自覚があるかは分からないし、アレが本当に私のままなのかは分からないけれど。 一歩、影に近づいてみる。大きな影から発される瘴気は濃く、近くに寄るほど、頭がしびれるような感覚がする。 近づきすぎてはいけない。自分という形を確りと保ちながら、少しずつ歩みを進める。 「――来たよ。」 座り込むもうひとりの自分を、見下さないと目が合わせられない位にまで近づいた所で、呼びかける。 「あなたは、何。多分、私なんだろうけど、この頭と、何か関係があるの?答えて。」 竜の頭と化した右腕を掲げ、問う。少しばかり威圧的に。 もうひとりの自分――両目が赤いから、赤目と呼ぶ事にする――は、少し怯えるようにすくんだ後、キッと睨み返す。 「私は――ロズトアだよ。それ以外の何でも無い。」 「じゃあどうして、私の夢の中にいるの?私の夢の中で、私以外のロズトアがいるのは、どうして? あなたは、私の何?」 赤目は押し黙り、こちらへ向けて手を伸ばす。しかしその指は空を掴み、そのまま懐に戻す。 「私の――」 「え?」 「それは、私のものだったのに。」 一瞬、何を言われているか分からなかった。しかし、すぐに思い当たる。彼女が見ているのは、私ではなく、右腕と、足だ。 「それは、私のものだったのに。その足も、その口も、その翼も、尻尾も、全部、鱗に包まれた所全部!! なのに、どうして貴方なの。あなたがそれを操ってるの。どうして、全部私から奪っていくの!」 ああ、そうか。 納得がいった。彼女はやはり、この腕の部分なのだ。どういう経緯で生まれたかは定かではないが、腕を、尻尾を、自分の意思とは別に勝手に動かしていたのは、目の前の赤目なのだ。 そして、腸が煮えくり返った。これが赤目の物?冗談じゃない。形は違えども、これは私の物で、元になる四肢を奪っていったのは赤目の方だ。 「ふざっ――けないで!!どれだけっ……どれだけ、あなたが私から奪ってきたと、どれだけあなたが奪ったと、思ってるの!! あなたにいてほしいなんてこれっぽっちも思っちゃいない! これは、この腕は、体は、私の……私のだ!形がいくら変わっても、私のなの!私の――――」 そう、言いかけた時。視界が突然、地面と平行になる。目前に地面が迫り、とっさに左腕で衝突を避ける。 何が――、そう言いかけて、気がつく。右腕が、元に戻っている。単なる右腕に戻っている。 ここは夢だから、現実とは違う。だけれども、久方ぶりに感じる右手の感触に、 ――――感動する時間すら、与えられなかった。 その右手のひらには、大きな大きな穴が空いていた。指は動かせず、ボロボロで、全く用を成していないと言っていい。 更に、気がつく。両足が動かない。引き寄せて見れば、かかとの上、足の腱を横に走る、痛々しい傷があった。腱が切られていて、足首から先が自由に動かず、だから姿勢を崩したのだ。 「これ、は……」 前を向く。赤目は、姿こそ変わらないが、急に倒れ込み、姿が元に戻った私を前にして、やはり狼狽えていた。 しかし、それはロズトアの姿に狼狽えた訳ではなく、自らの後ろに存在する者に対して、であった。 今まで眠っていた大きな影。 それが、四肢を杭で拘束されながらも、すこしずつ身を起こし、そして、二人へ向かって、その赤い眼から視線を落としていたのだ。 影がだんだんと具体的な形が判別できるようになる。 そこに鎮座していたのは、ロズトアの鱗よりも、赤目の目よりも、より真っ赤な鱗を持った、巨大な竜の姿だった。 その足元には、ロズトアが最初に手に入れたカードと混ざって見つかった、Ⅹⅴⅱ-i――血のカードが、悠然と佇んでいた。 |
デイ 「んー……確かに。前に出会った時よりもあなたの体、変わっちゃったわね。角は生えたし、 ウロコのようなものも点々と出来てる。おまけに靴いらずな足になってるわ。急激に体が変容しちゃってるわ」 おずおずと木の陰から姿を現したロズトアの容姿はデイが知る姿から大きく変化していた 大の大人ほどの大きさの怪腕はそのままでありながらも、その腕を支えるためにと言わんばかりに足は肥大し びっしりと甲殻が瓦のように連なってる。本来必要のないはずの太い尻尾に片翼も生えてるときた ロズトアが言うように浸食がすすむ前の彼女の姿を知っている者ほど、その変容ぶりに驚くだろう。彼女の懸念は正しい デイ 「ふふ……でもまぁ……思ってたより酷くはないわね。隠れっぱなしだからもしかしたら体全部が紫になってたり 全身毛むくじゃらにでもなってるのかと思ったわ。でも、そのくらいならまだまだ可愛いあなたのままよ」 デイ 「まぁー……その姿を褒められるのは、あなたにとっては複雑でしょうけど……」 デイ 「ま、言った通りあなたの格好を見ても心配しないわ。むしろ安心したわ……姿が変わっても 貴方はここまでこれた。体が別のものになってしまっても足を止めず、諦めず、その腕に負けずに進んできた証よ」 デイ 「その証拠にその服!変化が進んでから新調したんでしょ?前の破けたままじゃなくって腕とか隠せてさ 尻尾も窮屈じゃないようにしてあるんでしょ。ねぇねぇどうやって服変えたよ?裁縫得意だったりするのかしら?」 ロズトアの懸念は杞憂だった。 デイはロズトアのこれまでの道程を察し、そしてその過程の困難に屈することなく進んできた彼女を称賛した 姿は大きく変わってしまった。だが急激で制御できない変容に合わせて、ロズトアの芯ともいうべきものも 大きく成長したと確信している デイ 「ちょっとだけ正直に言うとさ。あれだけワーワー泣いて、そこから音沙汰がなかったからその間は心配したさ でもこうやって声をかけて姿を見せてくれたんだもの。もう心配しないわ……ここまでよく頑張ったわね、偉いわ、ロズトア」 険しかった表情から、困ったような、嬉しいような……様々な感情が内在する笑みを浮かべ、幼子にするようにロズトアの頭を撫でた |
ロズ 「どこまで、強くなるんだろう、なれるんだろう。」 |
ロズ 「……強いのだと良いなあ。」 |
ロズ 「……強いのだと良いなあ。」 |
ロズ 「……片付かないよぅ。」 |
ロズ 「仕方がない、コレ使おう……。」 |
ロズ 「兎に角、前へ、前へ……。」 |
「………」 |
エアリス 「やあ、やあ。『わたし』を呼び出したのはきみかな。 ご期待に沿えるよう、できるだけ頑張って見せるよ」 |
デイ 「幽霊でもいいのなら、手を貸しましょう」 |
シーレ 「私は一人では何もできませんので」 |
ロズ 「使い方……まだ分からないけど、みんなを援護して、それで 」 ロズ 「……ええと。 」 ロズ 「……力いっぱい、やります。ちょっと周りごと、みんな傷つけちゃうかもしれないから、気をつけて……。」 |
○ | Pno113 ロズPT [前 / 新 / 集] Eno113 ロズトア Eno14 闇 Eno80 エアリス・フローレンシア Eno117 デイ Eno57 シーレ |
VS | Pno215 νカフェ・オリュゾン [前 / 新 / 集] Eno215 リベラ・キングリーヴス Eno258 ヴォワヤジェールの料理人 Eno314 ノアハ・ホプキンソン Eno204 フィルロズ・ハーロット Eno140 クラーズ・シー |
× |
○ | Pno113 ロズPT [前 / 新 / 集] Eno113 ロズトア Eno14 闇 Eno80 エアリス・フローレンシア Eno117 デイ Eno57 シーレ |
VS | Pno149 夜行 [前 / 新 / 集] Eno149 ユハル Eno13 烟玖 Eno99 彗星 Eno227 少女 Eno370 魔王『ディボーチ』 |
× |
× | Pno1 開拓部隊*戦車* [前 / 新 / 集] Eno1 シャラヴィス Eno133 ウィンテル・ノワキ・ナギ Eno42 まりあ Eno95 名前を捨てた者 Eno369 黄金原さん |
VS | Pno113 ロズPT [前 / 新 / 集] Eno113 ロズトア Eno14 闇 Eno80 エアリス・フローレンシア Eno117 デイ Eno57 シーレ |
○ |
ロズ 「わたしは前に進む。何があるか分からないけど、前に進むって決めたから。」 |
「………」 |
誰にも知覚されない死角── もしかすると、彼女が『いるかもしれない』場所に、 幻術士は、音もなく現れていた。 ■■■■ 「こんにちは、こんばんは。 始めまして、お久しぶり。 教えてくれるかい、わたしの名前を」 |
ロズ 「私は前に進むの、だから……!」 |
「………」 |
エアリス
「きみが、わたしを止めるというのなら。 その『意志』、しっかりと示して欲しいんだ。」 |
デイ 「さぁさぁ……どちらがBUGか答え合わせといきましょう」 |
シーレ 「……」 |
レイア 「あっえっとこんにちは…え?もしもーし? 」 レイア 「…て、敵襲なのー!?」 |
アレク 「人?BUG? どっちかわかんないけど邪魔するなら全力で行くよ!」 |
「………」 |
サート 「皆さん、準備はいいですか。」 |
ドリス 「それじゃ、虫退治と洒落込もっか!」 |
エアリス 「清濁飲み込んで世界はなお綺麗だ」 |
エアリス 「見えるかい聞こえるかい感じるかい人々の息遣いを」 |
エアリス 「予想外のハプニングが、君たちを待ち受けているよ」 |
エアリス 「慎重であるに越したことはないさ」 |
エアリス 「どうして、今それを行う必要があるだろう?」 |
耐性の形成を確認。 モノアミンオキシダーゼの阻害にまで至らないように注意しつつ、投与量増加。 覚醒作用ほか、口渇、神経過敏を感覚。 |
エアリス 「多少は消費を軽減してくれるはずだよ」 |
「………」 |
「………」 |
「………」 |
「………」 |
レイア 「始めるよ…拡がれ、”Verteidigen”!」 |
レイア 「その力は我らが糧に――”Stehlen・Schwert”!」 |
レイア 「お願い耐えきって…――”Ausdauer・Schwert”!」 |
レイア 「虹色に光る☆彡全吸天光……です!」 |
「………」 |
「………」 |
「………」 |
「………」 |
「………」 |
「………」 |
ロズPT Chain | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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BUG Chain |
「………」 |
エアリス 「かつてより成長したって本当に言えるのかい?」 |
アレク 「これは良い所に入った感触があるよ!」 |
アレク 「これは良い所に入った感触があるよ!」 |
_人人人人人人_ > 大当たり <  ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ |
「薄まって消えていく――”Alptraum・Spärlich”」 |
「薄まって消えていく――”Alptraum・Spärlich”」 |
「………」 |
「………」 |
レイア 「わわっ!」 |
レイア 「わわっ!」 |
「………」 |
レイア 「わわっ!」 |
「………」 |
レイア 「わわっ!」 |
「………」 |
エアリス 「あの時を境に時間は止まってしまったんだ」 |
ロズPT Chain 列命傷冥闇Lv4(1) 全活気Lv4(2) 列殺傷冥闇Lv3(3) 治癒活気Lv4(4) 列命傷冥闇Lv6(5) 遠傷痕冥闇Lv5(6) 列自傷冥闇Lv4(7) 列自傷冥闇Lv3(8) 列治癒活気Lv4(9) 列傷冥闇Lv7(10) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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BUG Chain ?(1) ?(2) ?(3) ?(4) ?(5) ?(6) ?(7) ?(8) ?(9) ?(10) |
エアリス 「あてずっぽうよりはマシだね?」 |
ロズ 「行くよ……。」 |
このカットインはいもさん(Eno.106はぴこさんPL)から頂きました ありがとうございます!
It`s show time! |
デイ 「まずは軽くね」 |
ロズ 「ありがとう……。」 |
「………」 |
エアリス
「すごいね、まるで回復されてるみたいだよ!」 |
ロズ 「あ。」 |
レイア 「いっ……!!」 |
ロズ 「あ。」 |
アレク 「い”っ…これは効いたぁ…。」 |
「………」 |
シーレ 「……。」 |
エアリス
「いやぁ助かるよ~!あとでコーヒー淹れたげるっ」 |
エアリス
「……ほんとは私にそこまでする必要なんて、ないのさ」 |
「………」 |
「………」 |
「………」 |
「………」 |
6'th chain!! |
エアリス
「あたた、予想外の方向から来たね」 |
エアリス
「あらら。」 |
ドリス 「当たらないよ、どうしたのかなぁ?」 |
ドリス 「大人しくしとけばいいのにさ!」 |
デイ 「幸運の七つ目ね」 |
デイ 「ははぁ……いい音したわね?」 |
エアリス
「怖いね。あと半歩だったよ」 |
ロズ 「周りごと全部、もう……!!」 |
レイア 「いっ……!!」 |
ロズ 「あ。」 |
アレク 「い”っ…これは効いたぁ…。」 |
ロズ 「これに弱いんだ。」 |
アレク 「そ、そこは狙っちゃだめな所だよ!?」 |
ロズ 「あ。」 |
ロズ 「あ。」 |
エアリス
「あいたた。思ったより辛いね、こりゃあ」 |
シーレ 「weisheit.」 |
ロズ 「ありがとう……。」 |
ロズ 「ありがとう……。」 |
「………」 |
「………」 |
エアリス
「いやぁ助かるよ~!あとでコーヒー淹れたげるっ」 |
エアリス
「すごいね、まるで回復されてるみたいだよ!」 |
「………」 |
レイア 「わわっ!」 |
アレク 「い”っ…これは効いたぁ…。」 |