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狐百合の一週間

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Diary
久しくその感覚を忘れていた。

数年…いや、もう数十年はなるかもしれない。

……嬉しい。

その言葉を聞いたとき、素直にそう思った。
いつもの冗談かもしれないし、本当の言葉かもしれない。

それでも嬉しかった。



「…伴侶…のぅ」

ある部屋の一角で狐百合は呟いた。

「って、儂は何を考えておるのじゃっ。単に旅の同行者と言う意味じゃろうて」
「まったく…人を勘違いさせる事においては右に出るモノはおらぬな…」

そう自分で弁明をする。

しかし、顔がどうしても熱くなるのは避けられず一人身悶える。

「全く…儂はなにをやっておるのじゃ…」

ふぅ、と息をつき寝台の上に座りなおしたその時――


『全く、つまらぬな』

どこからともなく声がした。

「だ、誰じゃ!?」

狐百合が慌てて辺りを見回すが、そこには誰一人として見当たらない。

『面白そうな奴だからこそ力を与えたと言うのに。この体たらくとは…』

「この声…確か書架の…」

『ほう…すぐに気付くとは流石であるな。小生の目に狂いはなかったというわけか』

『しかし……つまらぬ』

「人をつまらぬつまらぬと!言うならば姿を現して言うが良い!!」

誰にとも言わず狐百合が叫ぶ。

『姿だと?小生は貴様の目の前にいるではないか』

「なん…じゃと…?」

狐百合は辺りを見回すが狐百合以外にそこには居ない。

「冗談を…どこにもおらぬじゃ………」

そう、狐百合以外は。

『ようやく気付いたか』

部屋の一角に立て掛けていた姿見に映った狐百合が喋っている。
自分が喋っていないにも関わらず。

『訳が判らないという顔をしておるな。言ったであろう?力を与えた、と』

「いつの間に…」

口の中の渇きを感じながら狐百合が呟く。

『ふむ。動転していると理解が遅いのは人も獣も同じか』

鏡の中の狐百合がくくく、と笑う。

『コンファイン・依代。何故この世界に呼ばれるモノは、依代などと言う面倒なモノにコンファインせねばならない?』
『何故、本来の力を発揮出来るはずの身体その物を召喚しない?』
『それが、こちらの思うがままに事を運ぶために必要なものだとしたら?』

「全ては仕組まれていたと…?」

『さて、どうであろうな?』

『しかし、貴様は小生にとって都合が良かったのだ。』

『人に絶望し、憎しみ、悲しみ…そして、力を追い求め続けている』
『更に小生の書架にまできおったのだからな』

口の端に笑みを浮かべながら鏡の中の狐百合が饒舌に話す。

『だが――』

『なんだ、この体たらくは』

『恋だなんだにうつつを抜かし弱くなろうとしている』

「よ、余計なお世話じゃ!!勝手に人に期待をして勝手に失望する…儂をなんじゃとおも」

『道具に過ぎん』

「なっ…!?」

『小生にとって一固体に興味は無い。あるのは貴様の力への興味だけだ』

『ゆえに――』

鏡の中の狐百合が此方へと手を伸ばす。

「!?」

それに気付いた狐百合が身構えたときにはもう全てが終わっていた――。

「ゆえに無駄は排除するのみである」


――――――――――――――――――――――――――――――

とりあえず間に合いませんっ。
ごめんなさい、ごめんなさい。
何とか近日中に仕上げてリンク先にっ。

後、勝手な解釈入れちゃってるけど気にしちゃダメよっ。
Message(Personal)
取引メイ
「……こんばんは。メッセンジャーサービスです」
取引メイ
「……メッセージの送信ですね。承ります」
取引メイ
「……1件のメールが届いております」
  • ファラール(E-No.409)からのメッセージ……
      ファラール
      「あ、いたいた!こんばんは!初めまして!
      えっとね、あたしがトレジャーしたお宝、2つも落札して今も持っててくれてるなって思って。
      その、サチ司書の本と、ちょっと危なそうな書物。
      あのときは、買ってくれてありがとね!嬉しかったよ
      もし役立ててくれてたんだったら、もっと嬉しいな。
      うん、それだけ言いたくて。じゃあ、さよなら!」
  • 依代の記憶保存
    召喚士がやってきました。
    召喚士
    「あなたの記憶を貰うわ」
    • 依代名……
    • クラス……????????
    • 性別……
    • 年齢……子供
    巫女ユミ?
    「記録したぞ」
    Message(Linkage)
    最終選択
    召喚士
    「ここでお別れね」
    召喚士
    「アナタを構成していたモノに強制帰還の魔法を掛けるわ。それなら『彼女』も干渉できないから……」
    召喚士
    「いままでご苦労さま」
    狐百合の意識はそこで途切れました。
    その後……この世界でその姿を見た者はいません。
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