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Diary | ||
戦いの世界で一旦休戦の日記 今回の攻略戦で「この世界に残るか」「元の世界に帰るか」の選択肢を迫られることになった。 少なくとも俺は決まっている。 俺は既に死んでいる。 という事は、帰る所等ないという事。 だから、俺はこの世界に残る。 しかし、マーブルは、ローザは、どうするのかは各自に決めてもらわねばならない。 本来ならば大事な判断なのでマーブルから先に聞くべきところではあるけど、2人の性格を考えるとローザに先に聞いた方が良さそうだった。 俺から見てマーブルは引っ込み思案で、自分から考えを出そうとはしない。 逆にローザはせっかち気味なところがあり早く早くと急かす子なのだ。 「で、ローザ。この世界に残るのと、元の世界に帰るのとどちらにする?」 ローザは迷いなく答える。 「とーぜん、もとのせかいにかえるよ。パパもママもおにーちゃんもおねーちゃんもまってるとおもうもの」 成る程。まあ、俺の肉体は既に灰になっているだろうから生き返ることは無理かと思ったが。 いや、そう考えるとローザが生き返るのは不可能だとは思うが、本人がそういうのなら、もし生き返れるのならそうした方がいいだろう。 そう思って、そのまま見送ることにした。 この世界とあちらの世界を繋ぐ光の橋のようなもの、ひとまずはそこまで案内することにした。 「じゃあ、おじさん、おねえちゃん、げんきでね!」 おじさん、じゃねえよ、と心の中で呟きながら、俺は見送った。 マーブルも精一杯の笑顔で見送ってはいたものの、少し寂しそうではあった。 ローザは元の世界へと駆けていく。家族と出会えるのを期待して。 「いっちゃい、ましたね」 マーブルがそっと呟く。 「ああ、そうだな」 俺はただ、そう答える。 「ところで、マーブルはどうするんだ?」 「私……ですか。私も、元の世界に戻って、お父さんの世話をしないといけない、かな」 「そうか…」 きっと、このまま行くのだろうと思って俺は 「分かった、元気でな。お前との旅路は結構楽しかった」 そう、これからの人生こそ幸あれと、そう言おうと思った瞬間。 俺は、倒れていた。 いや、正確にはマーブルに押し倒されていた。 マーブルの目には涙が浮かんでいた。 「どうして…」 「どうして、行くと決め付けるんですか!?」 マーブルはさらに続ける。ただ、本当に悲しいのか悔しいのか、涙声になってだんだんと話しづらくなっているようだった。 「わた…しっ……い……きた……くっ……ない…のに」 俺はつい、子供をあやすように頭を撫でる。 マーブルはちょっと嫌そうで、でも少し安心したように続ける。 「私は…いきたくないから」 「アル…フレッ…ドさんと一緒に……いたい…から」 俺は何と言うか、驚いた。いや、そうと表現するしかないのだが。 「ああ、残りたいなら残ればいいさ、俺は止めないし、止める気もないから」 そのまま、いつものマーブルとは思えないほど積極的な彼女が、ぎゅっと抱きしめる。 「おいおい、当たってる、胸当たってるって…!」 銃に生きる男。それが俺。そして銃にのみ生きてきたので、彼女いない歴はこの世界にきても更新中だ。 つまり、俺は、女に耐性が……ない。 「当てているんですよ、こうでもしないと、アルフレッドさんは気づいてくれないじゃないですか」 これは、多分、この後言うであろう台詞はよほど鈍い俺でもなんとなく想像はつく。いや、想像がついてても外れる可能性はあるんだが。むしろ外れてたら恥ずかしいが…! いやむしろ、俺は気づいているようで気がつかないふりをしていたのかもしれない。 でなければ、銃に打ち込んでいた俺が、同じ依代にいたからといって、察することが出来るはずもない。 「私は、アルフレッドさんが大好きなんだって。気づいてくれないじゃないですか」 予想、的中だった。 俺はただ、マーブルの頭を撫でて。 「マーブルから言わせて悪いな。俺も、お前のことは好きだぜ」 そして今、ここにいた記念として、俺とマーブルは自分の依代を残す。 とてとてと帰ってきたローザも一緒だった。どうやら結局のところ戻れなかったらしい。 依代は、最後の最後に使えるはずだったものをベースに選んだ。 俺の赤。 マーブルの青。 ローザの黄。 この三色の心を込めて、依代に記す。 「三色の銃使い」 と。 |
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Message(Personal) | ||||||||
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依代の記憶保存 | ||||||||
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最終選択 | ||||||||||
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