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Diary | ||
「一時解散、か」 「はい。この間の戦闘でお嬢様の魔力を使い過ぎましたので。 魔力回復のために休養が必要になります」 「鎖が切れるな」 「鎖、ですか?」 手枷から伸びる鎖をつかみあげる。 取引き娘には、いや、他の誰にも見えていないだろう。 灰髪の主につながる契約の鎖。 かつて太く頑丈だったそれは、今や首飾りのように細く弱々しい。 それだけ力が弱まっているのだろう。 「召喚されていた者達は?」 「元の世界に帰還して頂く事になります」 「拒否権は?」 「ありますが、コンファインし続けることはできません。 魂の状態になって待って頂くことになります。 「そうか。ならば拒否する。契約不履行は我々の矜持に反するからな。 灰髪の主にはそう伝えておけ」 承りました、と頭を垂れる取引き娘。 かつて星霜の幽閉で名すら忘れかけた私だ。 常闇の牢獄には慣れている。恐らく今回はほんの一眠りだろう。 「体のメンテナンスは……まぁ問題ないだろうな。 じゃぁ一眠りする。後は任せた」 するりと肉体から抜け出す。 眼下でゆっくりと崩れた依代を取引き娘が回収したのを確認。 自身の魔力を使って精神体を維持する。 休眠状態ならば残存魔力でもおよそ……275252時間の維持が可能か。 良い夢を見られるといいのだが。 意識が薄れるにつれて休眠する精神は球状になる。 それは卵の形にも似ていた。 黒鳥の卵は眠る。 再び目覚めるその日まで。 |
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