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レイの一週間

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Diary
◆ レイの日記
さて、祭祀殿も終わり。
今週からは硝子細工の森、ですか。幻想的な場所なのでしょうね。楽しみです。

ミーティアの脳内日記
ねー、レイ。他のみんながなんだか凄い勢いで荷物片付けてるんだけどなんでだろ?
ん?なんか紙が落ちてるわよ。ええっと・・・攻略終了のお知らせ?元の世界に帰るか残るか??
ふーん。性質の悪い冗談ねぇ。こんなとこで終わるわけないじゃない。ねー。

・・・・・・え?マジ??


◆ レイの日記
というのが、先週のお話でした。
今週に入ってからは、既に英雄の数も相当減っています。どうやらあの紙の内容は本当のようでした。あれから一週間、ミーティアさんと残るだの帰れだのと何度言い合ったか分かりません。
結局、召喚士の回復を待つくらいなら帰って他の延命手段を探せというミーティアさんに押し切られ、私は元の世界に帰ることを選びました。

「元の世界に、戻り、ます。ただ、聞きたいことが」

私は召喚士に、ネックレスから外した片方のハートチャームを見せ、これを元の世界に持っていけるか尋ねました。試したことが無いから分からないそうです。確証がないのは残念でしたが、ダメなときは仕方が無いでしょう。

「分かり、ました。やって、ください」

そう召喚士に告げると、彼女は何かを始めました。送り届ける魔法でしょう。
少しずつ、視界が白くぼやけていきます。

「ミーティアさん。では、また」
『ん。レイも、またね』

そうして、すべてが白く染まりました。




召喚士により、私は無事元の世界に戻ることができました。
不思議なことに、元の世界では召喚された時点から時間が動いていなかったようです。
おかげでカレイディアに行っている間の寿命も減っていない。
そのせいで本当にカレイディアがあったのか夢ではなかったのか疑いましたが、別れを決めた際にミーティアさんと分けたネックレスのハートチャームが、カレイディアの存在を今も証明してくれています。

カレイディアではまだ常闇が続いているのでしょう。
ですが、私はもうあの世界に直接関わることはできません。
他の延命方法を探す。そして、ミーティアさんがこの世界に来るときまで生き続ける。
それがミーティアさんとの約束です。
その約束を守るためには、私はカレイディアへの行き方を探すのではなく、私自身の延命のために時間を使わなければいけません。

ですから、カレイディアに対して、ミーティアさんに対して、私は祈ることくらいしかできません。
あの深い常闇の中、ミーティアさんが無事に最後まで戦い続けられるようにと。
Message(Personal)
取引メイ
「……こんばんは。メッセンジャーサービスです」
取引メイ
「メッセージは届いておりません」
依代の記憶保存
召喚士がやってきました。
召喚士
「あなたの記憶を貰うわ」
  • 依代名……レイ
  • クラス……シルバーハンド
  • 性別……
  • 年齢……青年
巫女ユミ?
「記録したぞ」
Message(Linkage)
最終選択
召喚士
「ここでお別れね」
召喚士
「アナタを構成していたモノに強制帰還の魔法を掛けるわ。それなら『彼女』も干渉できないから……」
召喚士
「いままでご苦労さま」
レイ=ファートの意識はそこで途切れました。
その後……この世界でその姿を見た者はいません。
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