ちぇる子の一週間

「今回の攻略拠点は「常闇の祭祀殿-沈黙の祭祀殿」ですね」

「時間になったら集まるのよ」

「……こんばんは。メッセンジャーサービスです」

「メッセージは届いておりません」

「菓子だと？」

「そんなもん持ってないのであるが……仕方ない、これでなんとかしておけ」

「よぉ、この情報を流してもらえないか？」

「そろそろ結果が出たようであると様子を見に来たが……ふむ、調べ疲れて寝てしまったようであるな」

「いいだろう。聞いているかどうか知らんが、情報をまとめてやろうではないか」

「四次元ダンボールとは！」

「分類はアビリティであるな」

「商人トレハが術を施した謎のダンボール箱である。一見ただのダンボール箱だが中は異次元に通じているらしく、緊急時にアイテムを仕舞うことで、全滅ペナルティを回避することができるぞ。効果があるのは『その回でトレジャーしたアイテム』『トレハ＆ムウ無線で獲得したアイテム』のみだ。よくわからんが、どんな稀少なアイテムでも、古い物は効果が無く、吐きだしてしまうらしい。」

「輸送系の『がめつきマイハート』に似ている効果だがペナルティが重い。なんだかやたらと重いらしく、『ATK』『DEF』『HIT』『RES』『SPD』が低下してしまう。攻撃系の能力はともかく、SPDや防御力を下げられてしまうと、逃げ損ねてしまうな。このペナルティは定数×熟練度％の割合で緩和されるから、ある程度は熟練させておくことをお勧めしておく。」

「また、商人トレハとそれなりに仲が良くないとダンボールをくれないから、『トレハ銀行の預金通帳』を所持していないと効果はないぞ。……ところで仕舞っていて大丈夫なんだろうな。気を抜くと中で無くなってしまいそうなのだが」

「……ということだ。これからもしっかり励めよ」

「ムウだむー。おなかすいたむー。マセキマセキ！」

「ルシクロ・ウトクゾーイケ！」

「むー!?」

「みみが痛いむー!?」

「ふっ。駄天使殺しの古代呪文ルシクロ・ウトクゾーイケ。聞いた相手は死ぬ！」

「ひどいむー。いじわるむー」

「──はずだったのですが、伝承間違いだったようですわ。ルシミコ・キカンバジーイケの方が良かったでしょうか」

「わたくしもしばらく前から取り憑かれておりまして、退治する方法を調べていたのですが、だめですわね」

「あっ、まーしゃるさんが２人になったむー。マセキマセキ！」

「やはり正攻法として、なにか食べさせて黙らせるしかありませんか……。しかしわたくしは、魔石なんて俗物的な持ち合わせておりませんし……」

「あっ。ひらめ缶食べます？」

「マズー」

「不評ですわね」

「マズーマズーマズー！」

「なにしてくれてやがりますか！」

「マセキほしいむー」

「わーい」

「ウマーウマー」

「そろそろ時間よ。集まりなさい」

「攻略ですよ攻略だよ攻略だぞ攻略に行くぞっヒョォォ！！」

「……落ち着きなさい」