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Diary | ||
Before EverNight -1- ========== 年の瀬も押し迫った2008年・12月30日。大阪の地下街にある喫茶店に、彼らは集まっていた。 「……そんなわけで、事前の連絡通りあなた達4人のうちから『常闇』へ行ってもらう人材を1人選出してもらいたいんだけど」 話を切り出したのは、5人の中で唯一人の女性だった。デニムのロングスカートにやや薄手の寒色のトップスが見ていて少し肌寒い。テーブルを囲んだ4人の男達を見回し、彼女は返事を促す。やがてスーツ姿の小柄な男性が、空のコーヒーカップを置いて口を開いた。 「結論から言いますけど、僕と先輩は無理ですよ。覚悟だの何だのと言う前に、僕らは社会人ですから。興味はありますが、とても冒険なんてしてる時間は有りません」 「ああ。無理矢理スケージュルをこじ開けて休みを取るにしても精々1,2週……それも可能な限り避けたい所だな。ただでさえ不況でどこの会社も火の車だというのに、これでは自ら首を差し出しているようなものだ」 もう一人のがたいの良いスーツの男も、それに同調した。どうやら彼ら二人は、同じ会社の同僚らしい。 「やっぱり会社勤めの場合、時間的に厳しいわよね。大原さんと諸西さんはパス、と――残りの二人はどうかしら? 狗神君と室井君」 彼女は残る二人に目を向けた。1人は暖色のパーカーと瑠璃色のジーンズに身を包んだ少年、もう一人は上下紺一色のジャージを着た少年。陰陽のごとく二人の雰囲気は対照的とも言えたが、双方共一緒にいて不快になるタイプではない、と両方にそこそこ付き合いの長い彼女は感じていた。 「俺はオッケーですよ、時間だけ無駄に余らせてる不真面目学生なもんで。年末にテストも大体終わっちゃったし、1月は授業出ないでも大丈夫かと」 パーカーの少年が笑みを浮かべながら言った。続いてジャージの少年も、表情を変えずに言葉を紡ぐ。 「俺も問題無いです。今はバイトも切れてますし」 「ふむ。時間的には可能、と」 じゃあ、と彼女は続けて問いかける。 「次は諸西さんの言っていた覚悟の確認ね。――これからあなた達のどちらかに渡ってもらう『カレイディア』という世界は、現在とても不安定な状況下にあるわ。否応なく戦いに巻き込まれることは確実でしょう。狗神君、室井君。できるかできないかは問わない、『やるのか、やらないのか』。今この場で聞かせて」 「無論」「やりますよ」 間髪入れず、二人は答えた。 「……ま、そうよね。それが分かってたから私もあなた達を選んだし、あなた達もここへ来たんでしょうけど。それじゃ、どちらにしようか――」 人差し指をあごに当て、考える仕草をする少女。程なく、悪戯っぽい笑みを浮かべて、彼女は二人の方を見た。 「神様に、聞いてみましょうか?」 少女の言葉に肩を竦ませるパーカーの少年――室井 学と、やはり眉ひとつ動かさない少年――狗神 小次郎。 「運を天に任せるってやつですか。悪かない」 「これ以上ぐだぐだ話し合う必要は無い、というわけか。室井、準備はいいな」 おっけー、と拳を握る学。実力が拮抗している場合、最後に物を言うのは時の運。 「それじゃお二方、準備はいいわね。――せーのっ!」 「じゃん、けん、ほい!」 その後、彼らはそれぞれの帰路へついた。室井と少女は同じ電車の車両で、窓の外に流れる師走の景色を眺めている。 「……まあ、勝っちゃった俺が言うのも何なんだけど、本当に俺で良かったんか? あの3人やサリアさんと違って、俺は実戦経験ってのが無い。いきなり異世界に放り込まれて、上手くやってけるとは思えねえけどな」 溜息を吐く学に、彼女――サリアは首を振った。 「逆ね。実戦経験が無いからこそ、今積ませるという算段よ。状況が不安定とはいえ、命の保証という面だけで考えれば、向こうの世界はそれほど危険なわけでもない。そういう法則の世界よ、カレイディアは」 ふうん、といい加減な返事をしつつ、学は彼女の方へ向き直り、訊ねた。 「なあ、サリアさん。今はこんなだが、その常闇だかで力をつければ俺も……モモの力に、なれっかな」 「さあね。私はあなたの才能を買ってるけど、見込み違いっていう可能性も十分にあるわ。どちらにせよ、今はあなたの思うように歩めばいい。信じるも疑うも、進むも戻るも、あなた次第よ」 電車のスピードが緩み、車内アナウンスが次の駅への到着を告げる。サリアのアパートは、この駅から徒歩十数分の場所だ。灰色のダッフルコートを着込み、白の毛糸のマフラーを巻いて、降車の準備をする彼女。 「それじゃ、私はこれで。出発予定は年明けの6日だから、それまでにやることがあれば済ませておいてね。よいお年を、室井君」 「うぃ、よいお年を」 お決まりの挨拶を交わし、彼らは別れた。学が召喚士との邂逅を果たす、一週間前の事。 |
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今回の滞在 | ||||||
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Message(Personal) | ||||||
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Message(Linkage) | ||
リンケージはありません | ||
Avility Setting | ||
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Event | ||||||||||||||||||||||||||||||
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レベルアップしました
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魔石交換サービス | ||||||||||
トレジャーで魔石と交換できそうなアイテムを獲得しました。
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攻略の時間になりました!! | ||||||||
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