Secret Sphere
<<Week6
-WEEK7-

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Smart Diary
ワカメ
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——僕はセスに恋をしている。愛したいと願っている。

けれど、それは恐ろしいことだ。
アニムセラ家の者の血に流れる力と共に在る呪い。
愛に飢えた女神のように、愛されることを求め
愛する者を殺める狂気に至るという呪い。
僕はきっと家族以外の誰からも愛されないとわかっていた。だから誰も愛さないようにとそう決めたはずだった。
ヴィクトリアの時のように、想いを告げた相手に逃げられ、
それが報われないのだとわかれば、また揺らぐだろう。

4年前のあの時、自分が狂わずにいられたのは
クルスルクスと父、そしてアシュベリーのおかげだった。
家族の親愛を信じヴィクトリアへの想いを憎しみへと変え、
そして己を磨き上げることだけ考えた。
愛されたいと願う本能をなんとかすることはできなくても、
父に家族に愛されているのだと信じて、
そしていつか結婚した相手との間に生まれた子供を
愛し愛されることができるなら。
たとえそれが望んだ結婚でなくても。男女の愛を得られなくとも。
子供への愛を知っている。親への愛を知っている。
だからそれさえ得られるならきっと自分は狂わずに済む。
そう思って必死に己を磨き、価値のある優れた男へ変わろうとした。
その努力はおそらく報われたはずだった。
けれど、父は結婚にはまだ早いという。

いいえ、父上。遅すぎたのです。
僕は恋を知ってしまった。
ヴィクトリアのあの時の言葉の真意を、今は理解している。

『今のあなたは如何かしら、ウォルター?
あなたはわたくしを本当に欲しがってるの?
わたくしではなくて、婚約者が欲しいのでしょう?
それでは嫌よ。』

そうだ、僕はセスが欲しい。セスの笑顔が見たい。
セスに触れたい。抱きしめたい。キスも、それ以上も。
際限なく求めてしまう。
彼女は貴族ではなく、ただの村娘で。
だけど、そんなことなど知ったことかと全て投げ捨てて、
そうして彼女へ手を伸ばしたくなる。
これがきっと本当の恋なのだ。
こんなにも胸が苦しくて、引き裂かれそうなほど辛いのなら
恋なんてもの、知りたくなかった。

だって、きっとこの恋は報われない。それは仕方ない。
僕が何より恐れているのは、僕自身でも制御できない激情と狂気で
セスを呑み込み、傷つけてしまうのではないかということだ。
それならどうするのだろう。またあの時のように想いを告げて、
そうして応えてくれなかったセスを憎む?
そんなことできるわけがない。
彼女はヴィクトリアのように手酷く僕を振るなんてきっとしない。
ヴィクトリアのあれは、アニムセラ家の人間だからこそ。
事情を知る者だからこその振る舞いだったのだ。
ヴィクトリアが羨ましい。彼女は誰も愛していないのだろう。
だからきっと誰からも愛されずとも平気なのだ。
もちろん、彼女の周りには常にたくさんの人がいるから、
彼女が誰にも愛されないなんて有り得ない話だが。
僕も彼女のように強くあれたらどれだけ良かっただろう。

話が逸れた。問題は僕のセスへの想いをどうするかだ。
あるいは、想いを告げぬままセスから離れる?
でもきっと彼女は優しいから僕のことを心配するのだろう。
そんな彼女の優しさに甘えてしまうに違いない。
いっそのことセスに辛く当たって嫌われたらいや、無理だ。
彼女を傷つける奴がいるなら僕はそれを許せない。
それが自分自身なら尚更だ。
彼女を殺したくないからと、嘘をついてまで彼女を傷つけて
距離を取るなんてそんなのは本末転倒だ。

ああ、いったいどうしたら良いのだろう。
僕はセスのことを傷つけたくない。
だけれど、この想いを抱えたままずっと一緒にいられる保証もない。
だって今、ただでさえ僕はセスに触れる男へ
(それも僕の友人だというのに)嫉妬するような状態なのだ。
万一彼女が僕の前で恋焦がれる男の名前でも口に出してしまったら、
その時にはそいつをいや、考えない方が良い。
とにかく、今の僕は駄目だ。このままでは本当に気が狂ってしまう。

堂々巡りを繰り返したけれど結局、
僕はセスに想いを打ち明ける他ないように思える。
彼女のことだから、きっと困らせてしまうけれど、
だけど嫌なことは嫌だと言ってくれるはずだ。
振られることで僕はなんとかこの想いにけじめをつけるしかない。
それでもなおセスのことを諦められなかった時は
アシュベリーにでも頼んで強く頭を殴ってもらうか。
という冗談はさておき、僕自身の手で記憶を封印しよう。
とはいえ、これは最終手段だ。
記憶の封印は複雑な魔法だから、細やかな制御など望めない。
セスのことをきっと全部忘れてしまうだろう。
それでも僕が彼女を傷つけるくらいならその方がずっとマシだ。
彼女との思い出もなくなってしまえば、日記を読み返した時にも、
恋を知らないままの僕なら鼻で笑うだろう。
だからこれ以上余計なことは書かないでそろそろ筆を置く。
こうして彼女の名前を出すのは正直心苦しかったが、
未来の僕が彼女に危害を加えた時のため、事情を知ろうと
日記を読む第三者(どうせアシュベリーだろうけど)が
いるかもしれないから残しておく。

愛した人を殺す日が来ないよう願っているのは何よりも僕自身だ。
かつては実感もなかったけれど、
今ではひどく現実味のある恐ろしい悪夢に思える。
そんなことになるくらいなら、狂い果て人を傷つけるくらいなら
自分の舌を噛み切って死ぬ方がよほどマシだと思う。
そんなことは起きないと願いたいけれど。
僕がどうなったとしても、どうか彼女が幸せになれますように。

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今やすっかり寝る前の習慣となっていた日記を書き終え、
誰の目にも届かぬ所へ仕舞い込んでベッドへ入る。


ずっと認めようとしなかった自分の恋心。
けれど、そんなの今更すぎるくらい最近の僕はセスに夢中だった。
対等な友達だなんて言っておきながらこのザマだ。

僕がどこで間違ったかといえば、
それは初めて会ったあの白い部屋での対応からだろう。
怯える彼女に対して紳士的に接するというのは模範解答のように思えた。
けれどあの時素直に彼女と向き合うことで、素顔の僕自身を
受け入れてくれた彼女に好意を抱いてしまったのだと思う。
今の僕は正直セスのことが何もかも好きだ。
僕を受け入れてくれたこと、許してくれたこと。
それだけでなくて、あのころころと変わる表情や声。
長く綺麗な黒髪に、くりくりとした可愛らしい丸い瞳。
歳の割に小柄であどけなく、少し頼りなく見えて、
それでも活発な一面を見せるところも愛おしい。
全部言おうとするとこのままだと夜が明けそうだ。

夢の中の僕が羨ましくて仕方ない。
自分自身に嫉妬するなんておかしいと思われるかもしれないが
だって、あんな風に躊躇いもなく想いを打ち明けたり、
抱きしめたり、キスをしたり
僕だって許されるならしたいに決まっているだろう!
髪を撫でたいとか抱きしめたいとか唇を貪りたいとか!
それ以上はとても口にはできないけど
そういう衝動を、何度セスの可愛らしさを前に、
ぐっと堪えてきたと思っているんだ!!
いくら夢の中とはいえ、いくら僕自身だろうと、
セスに気安く触るなんて許せない。
結局のところそのあたりは所詮夢なのだと思う。
現実の僕にはこれでもアニムセラ家の嫡男としてのプライドがある。
紳士がそんなこといきなりできるわけがない。
お互いに好き合っていなければ、あんなことできるものか。

セスは僕のことをどう思っているのだろうか。
誕生日を祝ってくれた彼女の言葉。
贈られたハンカチ。そして『特別』なお菓子。
あんなことを言われては、自惚れてしまう。
僕の彼女への想いは日増しに募り、もはや隠すのも難しい。
セスとそれ以外に対する僕の態度の違いを見ていれば、きっと僕が彼女のことを好きだとわかってしまうのだろう。
セス自身も気づいていたとしたら、やっぱりそれを考えるのは怖い。

——惚れた欲目を抜きにして客観的に見てもセスはいい子だと思う。
努力家だし、他者への寛容さも気遣いも人並み以上だ。
だけれど、気になることがある。
彼女が初めて会った時にも、そして喫茶店での会話でも口にしていた魔法の制御のこと。
『好きなんて打ち明けても、相手に迷惑をかけるだけです。』
そう彼女は言った。

彼女は人に疑われるのを恐れているのだと思う。
例えば、初めて出会った時に、部屋に閉じ込められているのは
自分のせいじゃないのだと弁解したこと。
あるいは、毒味の話のこと。あの時、彼女は自分から
『疑われるのは好きではない』と口にしていた。
きっと、それが彼女の心の傷になっている出来事と結びついている。
僕が容姿や従姉妹の話をしたくないと拒むように、
彼女にとってはそれが恐ろしいことなのだろう。

もし、彼女の振る舞いが人に疑われないよう、
好かれようとするために無理をしているものだったとしたら?
そう考えると彼女の気遣いを感じるたびに嬉しくなるのと共に
ほんの少しの悲しみを覚える。
どうしても、彼女にそれを強いているように思えてしまう。
僕は『アニムセラ家の嫡男に相応しい完璧な男』として
いつも気を張って振る舞っている。
慣れているとはいえ、ずっと多くの人の目を意識するのは疲れる。
そんな僕も彼女といる時は本音を言える。
だから僕がセスと共にいる時に気を張らず安らげるのと同じように、
セスも僕と共にいる時が安らげる時間であって欲しい。
そう思うのは、傲慢だろうか。

叶うなら、許されるなら、セスと共に居たい。
セスの笑顔を曇らせる、あらゆる理不尽と苦痛から彼女を守りたい。
彼女から与えられた安らぎと幸せを、同じように
僕から彼女へ与えられたらどれだけ良いだろう。

この胸の内から溢れて尽きないほどの愛おしさを以って、
彼女を包み込むことができたなら、ずっと一緒にいられたなら。
ああ、やっぱりセスのことが好きだなぁ。

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パーティメッセージ
ワカメ
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メッセージはありません。
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メッセージ
ワカメ
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メッセージはありません。
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青い鳥メッセージ
ヤドカリ
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メッセージはありません。
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参加コミュニティ
ワカメ
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コミュニティNo.406 シュトゥルム寮229号室
で、0人の発言がありました。
コミュニティNo.683 パーティ会場(2/18時空)
で、0人の発言がありました。
コミュニティNo.101 貴族達の社交場
で、0人の発言がありました。
コミュニティNo.588 交錯する夢
で、0人の発言がありました。
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アイテム
ワカメ
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ウォルターは週替わりまほがく定食(魔) を食べた。

今週はローストビーフ定食だ。
様々な薬草も添えられており、ローストビーフと一緒に特製のソースで。

MMP/MSP/運命力が増加した!
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魔法学園の声
ワカメ
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ラングリース先生
「やあ、メリーナ先生。
 今日もとても美しい笑顔ですね」

Icon
メリーナ先生
「あらぁ~、ラングリース先生~
 今日もキラキラと~輝いていますねぇ~」

Icon
ラングリース先生
「フフッ、貴女の笑顔の輝きには到底及びませんよ。
 その滲み出る優しさにどれ程の生徒が癒され救われていることか」
Icon
ラングリース先生
「そう……その優しさと包容力の前では、
 スペリオルの兵士たちも癒され降伏することでしょう……」
Icon
ラングリース先生
「何を隠そうこの私もそのスペリオル出身の一人。
 貴女の笑顔と癒しのオーラに心を奪われた者」

Icon
メリーナ先生
「あらあら~、ラングリース先生のような~、
 素敵な方に言われると~、照れちゃいますねぇ~」

Icon
メリーナ先生
「でも~、心を~奪った覚えはないので~お返ししますねぇ~」

Icon
ラングリース先生
「おや……返されてしまいましたか」

Icon
メリーナ先生
「心を奪われて~、盲目や幻惑になると~、
 注意力が低下して~、転びやすくなるから危ないですよ~?」

Icon
メリーナ先生
「ラングリース先生も~、お怪我なさらないでくださいねぇ~」

Icon
ラングリース先生
「フフ、ありがとう。
 メリーナ先生も足元にはお気をつけて」

Icon
メリーナ先生
「ありがとうございます~、それではぁ~、
 失礼致しますねぇ~」

Icon
ラングリース先生
「…………」

Icon
ラングリース先生
「中々手ごわいな……」
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朝練戦闘
ワカメ
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通常戦闘
ワカメ
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不良もヌン茶もしばく会遺跡の魔物たち
PNo.458 フィボナッチ・F・ナイジェラスVS遺跡のカラス
PNo.459 ウォルター・アニムセラ遺跡のカラス
PNo.955 ウーウィル・オ・ウィスプ
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探索
ヤドカリ
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探索中. . .
ウォルターはSCを260、TPを16手に入れた。
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風紀戦闘
亀
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不良もヌン茶もしばく会学園の風紀委員
PNo.459 ウォルター・アニムセラ学園の青春
奉仕の喜び
労働の楽しさ
学業の成長
同士の絆
魔法の希望
研究に協力
探索の好奇心
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訓練
ワカメ
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おしおき訓練を1回選択!
ウォルターは運命力が11増加した。
ウォルターは運命力が11増加した。
ウォルターは運命力が12増加した。
ウォルターは運命力が12増加した。
ウォルターは運命力が12増加した。

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ワカメ
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PNo.275 ジャルディーノ・ボサビティ
からスペル虚蝉を伝授してもらった!(SC-300)

PNo.845 セラージュ・ヴィコ
からスペル《世を逃るる月のうるわしい水》を伝授してもらった!(SC-150)

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スペルNo.4 サプライ をショップNo.2021 分割 で調律!(TP-1)(SC-100)

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目的の決定
ワカメ
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次回予告
ワカメ
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不良もヌン茶もしばく会遺跡の魔物たち
PNo.458 フィボナッチ・F・ナイジェラスVSイフリートの炎
PNo.459 ウォルター・アニムセラウィル・オ・ウィスプ
PNo.955 ウー歩行コウモリ
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次回朝練予告
ワカメ
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レイド予告
ワカメ
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ズ……ズズズ…………ドドドドドッ!



パリーン パリーン

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ベティ
あああああ!! 商品が!!!
 お金ちゃんの素がぁあ!!!
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ベティ
ちょっと何なんですかこの巨大な揺れはぁあーー!!?
 聞いてませんよー!!?
 地上ってこんな恐ろしいところだったんですか!!?」

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ジル先生
「ここ最近の揺れがさらに強くなったな……」

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ミラージュ先生
「ちょっと、これはシャレにならない大きさと被害ね……
 ……購買はそもそも物を置きすぎなんだと思うけれど。

 それでもさすがのわたくしも肝を冷やしたわ」

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ジル先生
「……大方、スペリオルに動きがあったという事だろう
 次に地鳴りがしたら何か起きそうだな……」

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ミラージュ先生
「やァだ、冗談……
 とも言えないわよねぇ……
 これだけ頻発してて、その都度大きくなってるんですもの」

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ベティ
「こここ、これ以上お金……じゃなかった、
 商品が壊れるのは勘弁ですよ!!?
 あああもう、固定しなきゃ……」

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ジル先生
「無駄だと思うがな。
 この学園に強大な何かが本腰入れてやってくると仮定すると、
 学園自体が戦場になりかねんぞ」

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ベティ
「困りますよぉー!! 安全かつ必ず需要のあるこの購買で、
 ヌクヌクと着実に売り上げを伸ばす予定なんですよぉー!!?」

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ベティ
「あ、でも……戦場は戦場で必要な物が売れますね……?」

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ミラージュ先生
「……商魂たくましいわねぇ」






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学園長
「残り、1週間といったところか……全教師に伝達を――」

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学園長
「打てる手は打っておいたが……最終確認も必要だな……
 フフ……」

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学園長
「ああ、来るなら来ると良い。
 我々魔法学園は、グラディアスは簡単に屈することは無い」

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学園長
「なぁ、そうだろう?」



――スペリオルによる侵攻に、大きな動きがあった。

どうやら【次回】レイドイベントの予告が発生するようだ。
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