 | 後期学園生活 20日目 |
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| Diary |
「さて、これから小僧の実戦訓練をやるわけだが」
草木も眠る丑三つ時――
そう呼ばれる時間に、那継は紅蓮と相対していた。
その場にいる闘う者は二人、観戦者も二人。
備前那継、紅蓮。
烏丸烏丸、八塚恭一。
それは今日の昼の事。
備前那継は紅蓮に呼びかけられ、こう言われた。
「小僧、主を鍛えてやる」
それは何の気紛れか、それとも熟慮した結果かは那継には分からない。
しかし、彼は迷わずにその言葉を受け入れた。
だから、今ここにいる。
「まずはルールの説明と行こうか。小僧、主がする事ははっきり言って、ワシの攻撃を避けるに専念するだけでいい。ワシは全力では戦わんが、ある程度の力は出す――当たれば、小僧が死にかける程度にはな」
その言葉にぞくりとする。
決して嘘やはったりではなく、紅蓮ならばそうするであろうと言う確信はある。
「ま、そう気構えしなくとも、一応やばかったら止めるからよ」
烏丸がけらけらと笑って、そう言った。
八塚も、その言葉に同意したかのように視線のみを動かし、那継を視界におさめる。
「やれ……折角脅したというに、それでは意味がなかろうよ」
「まぁ、いいじゃないか。お前も、本気で殺すつもりじゃあるまいし」
「不可抗力でそうなる場合も否定し切れぬというに」
「だから、止めるんだろうが」
くつくつと笑う烏丸に、紅蓮は苦笑で返し、那継に向き直る。
「さて……準備は万全か、小僧」
「ああ」
その言葉に、紅蓮が動いた。
ただの一回。
腕を上から下に振り下ろす動作。
それだけで空気は裂帛し、うねり、踊り狂い、まるでそこに大地を食い荒らす大蛇がいるかのように、地を削り這い蹲りながら、その大気は高速で移動する。
その大気の大蛇は暫く迷走したかのようにうねり狂っていたが、すぐに那継に向かって移動を始めた。
「――ッ！」
その速さは尋常では無く、那継は対応しきれず――
パァン、とはじける音。
目の前に、痩躯があった。
「おいおい、助けるとは言ったが、早速か」
大気の大蛇を片手で制した烏丸が、そこには立っていた。
ただ片手で殴りつけただけで、大気の大蛇は形を保てずに霧散する。
あれだけの大気の奔流に手を突っ込んだというのに、その手は傷一つつかず、本人は呆然としている那継に笑みを返す。
「ふむ、始めにある程度宣告しておくべきだったか」
「否。身に沁みて分かった方が今後の教訓になるだろうさ」
「そうだな。……小僧、いけるか？」
烏丸と二言程会話を交わして、紅蓮が問う。
那継はそれに頷きで返し、
「今度は、何とかしよう」
そう答えた。
それに、良い気概だと紅蓮は笑んで、片腕を振るう。
現れたのは再び大気の大蛇、先程と同じ速度で大地を穿ち、削りながら那継へと直進する。
先程の一撃で、確かに速いが、対応できないという程ではないと確信した那継は、浅く構え。
向かってくる大蛇の軌道を眺め、観測して、見切る。
それだけの一行動ではあるが――失敗した対価は最悪、命。
ぎりぎりの狭間で、神経を研ぎ澄まし、全てを戦いへと移行する。
ここ数週間ですっかり習慣となっていたその行動を、更に高め高め高め、身の全てをかなぐり捨てて。
ただ戦いへと戦いへと戦いへと――！
さぁ、大蛇はすぐそこだ、牙を擡げ、その身を喰らい尽くさんと目の前に迫っている。
斬れるか？――否、アレはそもそもが生物に似通っているが生物ではない。
痛覚も、生命も存在しない力の塊と真っ向に戦える程、備前那継は強くはない。
ならば、自滅させればいい。
大蛇の身の風のうねりは、恐らく、一定の法則のようなもので動いている。
烏丸が素手で大蛇を殴り消した事からも、あれはそれ程、強固な存在ではないのは想像がつく。
要するに、あの大蛇を形成している奔流の法則を乱す事が出来れば。
大蛇の牙を避け、そのうねる身を紙一重でかわす。
かわした。だからと言って安心はできない、あれは確かに力の塊に過ぎないが。
それならば、生物を思わせるうねりも、大蛇を思わせる形も必要が無い。
ただ暴風であれば、それだけで相手を倒すなど容易い筈。
予想通り、大蛇は大きく半円を描いて再びこちらに進撃する。
大蛇の動きをまた紙一重でかわし、次に備える。
「ほう」
それを遠巻きに見ている紅蓮が、感嘆の声を洩らす。
「潰すつもりだな、あれは」
烏丸がその言葉に続くように呟き、紅蓮は頷く。
「避けるだけでいいと言ったのだが、な。何とも、気骨のある小僧よ」
「だが――」
先程まで沈黙していた八塚が、突如口を開く。
二人は、その先の言葉を既に予測していたかのように頷き。
「些か、力不足なようだがな」
「――ッ！」
一撃が当たりかけた。
紙一重で回避していた行動が、難しくなりつつある。
反転に時間があると言っても、高速で動く物を避け続け、一撃を決めようというのは中々に難しい。
それに、闇雲に一撃を加えた所で、刀が奔流に巻き込まれる可能性が高い。
見極め、当てる。
ただそれだけの作業ではあるが、回避の連続による疲労で、それがより困難となっていく。
やれるのは、恐らくあと一回。
反転する奔流をみやり、二刀を構える。
神経をただひたすらに研ぎ澄まして、全てを眼前の敵への対処に向ける。
向かって来る大蛇を真っ直ぐに射抜き、一閃――
＊ ＊ ＊
「ん……」
「お、起きたか」
「目を覚ました、というのが正しかろう」
そんな他愛もない会話を耳にして、那継はゆっくりと上半身を起こす。
「っ！」
全身に痛みが走り、どっと脂汗が出る。
それを見た烏丸が、寝てろ、と苦笑して言った。
那継はそれに大人しく従い、ふと、疑問を覚える。
大蛇に向かって一閃して――どうなんった？
その後におそらく気絶したのは分かるが、結果の部分がごっそりと抜け落ちている。
その疑問が顔に出ていたのか、紅蓮が、ふむと呟き。
「結果は半々だな、引き分けた」
「引き分け……？」
「有無。結果としては主は風切りを打倒したが、統制を無くした暴風に吹き飛ばされて意識を飛ばした……だから引き分け、というわけだ」
「風切り……？」
それが、あれの名前なのか、と聞こうとすれば、紅蓮は笑って、
「ワシがそう名付けただけで、本当にそう呼ぶのかは知らんがな」
そう言った。
「能力の正式名称なんて、気にして調べてる奴がそうそういないからな、大概が自分でつけるか他人につけられるか、ってもんだ」
「そういうもの、なのか」
「今は、な。昔は結構、そういった情報はすぐ回って来てたんだが」
「コヤツの場合、『昔』の定義が千年くらいすっ飛ぶから注意が必要だぞ」
「仕方無いだろう。永年寝てるんだから」
烏丸のその言葉に、紅蓮は呆れたように片目を伏せる。
それを横目で眺め――那継はふと気づく。
「八塚、は？」
起きた時から、姿が無い男の名を呟く。
「八塚の小僧なら、とうに戻ったぜ」
「後、感謝しておけ。小僧の傷がその程度で済んでいるのは、ヤツの能力が大きく影響しておるのでな」
「……あぁ」
確かに、大地を削り取るような暴風をまともに受けたというのに、傷はそれ程でもなかった。
風の心臓とかいう、よく分からない能力で、ダメージを緩和してくれたのだろう。
風切りという、能力。
恐らくアレは、紅蓮の能力でもそれ程、重要性の高くない力のような気がする。
まるで手品師が手品を見せるように、多彩な能力を惜しげもなく使い、闘う。
何故か、彼女の戦いとは――本来はそういうものであるように感じる。
それが、正しい予測なのか、本当にただの勘でしかないのか。それは今は分からない。
烏丸の、力。
風切りを殴り消したその力と、その暴風をものともしない肉体。
そして、一瞬で那継の眼前へと移動した速さ。
その姿は、そこにあるのが当然であるかのように泰然とし、初めからそこにいたかのように、揺れず揺るがず。
今日見えたその片鱗だけでも、あまりにも遠すぎる。
遠い。それは目標の遠さでもあり、今はただ自分の無力を痛感するだけ。
勝ちたいとも、超えたいとも思わない。
それは自分の目標とも、私怨とも全く関係の無い話であり、ただ著しく脱線しかしない目的だから。
強くなり、自分を化物と呼ぶ友達の台詞を笑い飛ばし、
強くなり、記憶にあるあの血塗れた影を打ち倒す。
しかし、今は。
疲れた。
少し、休もうか。そう思った所で、意識は再び暗転した。
| Message |
那継は言った
ＰＬ「常にギリギリ。死ぬ」
ほとほり(1459)からのメッセージ
ほとほり「…そのかぼちゃ、まさかとれるのか？」
ほとほり「死ににくい故に大改造ときたか。しかしそれにしたってかぼちゃをかぶることはないとおもうのだがの…」
ほとほり「他人に見せたくなるほど凄い者がおったのか。ふむ、見てみたかった。残念だ。」
ほとほり「おとなしくしてても狩られるとはな。なんとも…死ににくいのに生きるのも難しいのだな、汝らイニシエは」
ほとほり「いるのだよ。本当に暇な者たちが、若干数名。」
ほとほり「周りに有能な付き人が掃いて捨てるほどいるせいでやることが何も無い、なんとも殿様な奴等での。「暇だ」と言うのが日課だ。」
| Quick Action / etc |
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現在の大乱戦チームメンバー 香坂 真(115) タルタロッサ＝ミモミモ＝ジャンガリアン(252) 備前 那継(282) 星(1459) このチームで 大 乱 戦 に参加しました！ 特に何もしなかった。
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| 単位がピンチです Group Message |
フレア(2)からのメッセージ
フレア「さり気に負けが込んでる…何とかしないと…（＝＝；」
七穂(21)からのメッセージ
七穂「ＰＭがピンチです。」
サラ(49)からのメッセージ
瀬羅「むしろリアルの単位がピンチですわね…。」
サラ「が、がんばりますっ！」
るし(159)からのメッセージ
サタン「そろそろ巻き返したいな。」
ユウキ(747)からのメッセージ
ユウキ「やっとメイリン先生と引き分けになるくらい強くなりました。…でも引き分けじゃ単位はもらえないんですよね。未だマイナスのままです。（遠い目）」
醍(998)からのメッセージ
醍「何とか1戦終了、っとォ。 この調子で2戦目もイケりゃいいんだがな」
ショウ(1154)からのメッセージ
ショウ「今度は負けた・・・。新体操部員苦手なのか・・・。」
エレイナ(1677)からのメッセージ
エレイナ「マリモに負けたら単位がピンチかもしれない。」
| イタリアン愛好会 Group Message |
フリウス(1411)からのメッセージ
フリウス「さて、時間がないのは同感。もっと余裕が欲しいな〜・・・！」
ルル華(1720)のまじかる☆毒電波
ルル華「なんや、ミジンコ意外と普通やったな。さすが会長が初習得しただけあるな(コラ」
ルル華「そういや部長って呼んだほうがええのか？『召喚術を語る会』っちゅうことやから、ウチは一応会長と呼んどるけど」
うぃ神父(1766)からのメッセージ
うぃ神父「ちょっと遅くなりましたがルル華さん教師撃破おめでとうございますよぉ〜♪しかし……フリウスさんは残念でした。弱体化したとはいえ聖歌隊員さんは相変わらず脅威ですねぇ……気を落とさずがんばってくださいよぉ」
| はぐれ学徒旅情変・所属メンバー (Before) |
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| Character Data (Before) |
| ENo.282 備前 那継 | |||||||
| HP | 2559 / 4240  | 1 | 貫通3 | 場所 | C7 ［森林LV0］ | ||
| SP | 276 / 358 | 2 | 適応3 | 技 | 使用可能技一覧 | ||
| NP | 22 | 体格 | 369 | 3 | 武具25 | 参 加 団 体 | |
| CP | 81 | 敏捷 | 154 | 4 | 斬撃10 | 0 | 自称一般人肉体派 |
| PS | 4990 | 器用 | 253 | 5 | 1 | 単位がピンチです | |
| 業 | 0(0) | 魔力 | 75 | 6 | 2 | 若年寄と本とお茶とお菓子 | |
| 連勝 | 1 | 魅力 | 75 | 7 | 3 | イタリアン愛好会 | |
| 総CP | 927 | 生命 | 161 | 8 | ――― | 4 | |
| 単位 | 13 | 精神 | 135 | 9 | ――― | 5 | |
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 | イベント戦闘 |
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はぐれ学徒旅情変 所属 † V S †
歩行雑草
Enemy |
那継「恨みも辛みも無いが……」
歩行雑草「モッサァァァァ―――ッ！！」
BATTLE START!!
非接触フェイズ
|
那継の攻撃！
那継「身を刃へと変えろ、ただ神経を研ぎ澄ませ、視覚を、聴覚を、嗅覚を、触覚を――全て戦いへと戦いへと戦いへと――！」ダメージアップ！！
那継の物理ATが上昇！
那継の魔法ATが上昇！
那継「空前を殺せ、那由多を殺せ、幻想を殺せ、天津を殺せ、国津を殺せ、天地を殺せ、天地人――人しか生かすな此は人の戦い也！」ダメージアップ！！
那継の物理ATが上昇！
那継の魔法ATが上昇！
非接触フェイズ
|
戦闘フェイズ
TURN 1
|
那継の攻撃！
那継「初刃だ、苦痛を知れ」トリックワイヤー！！
歩行雑草は攻撃を回避！
那継の攻撃！
那継「衝ッ！」ブレイク！！
那継「ただ、斬る――！」クリティカル！
歩行雑草に2462のダメージ！
那継「夢の終わりは、優しくなんて無い」歩行雑草の物理DFが低下！
歩行雑草の攻撃！
歩行雑草「モッサァァァァ―――ッ！！」マジックミサイル！！1
那継は攻撃を回避！
那継の攻撃！
歩行雑草に1470のダメージ！
歩行雑草「モッサァァァァ―――ッ！！」歩行雑草が倒れた！
那継「まだだ、まだ足りないっ――」
戦闘に勝利した！
100 PS、 0 CPを獲得！
那継は 新鮮な雑草 を入手！
| Normal Action / etc |
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B7に移動しました。 B6に移動しました。 B5に移動しました。 B4に移動しました。
器用 が 16 上昇しました。(- 25 CP)
自称一般人肉体派 の活動をしました！
自称一般人肉体派 の活動をしました！
自称一般人肉体派 の活動をしました！
自称一般人肉体派 の活動をしました！
ほとほり(1459)に 1800 PSを渡しました。 ほとほり(1459)から 黒い石 を受け取りました。 ほとほり(1459)から 黒い石 を受け取りました。 CPが 53 増加しました！ NPが 1 増加しました！ たるたる(252)を同行者に指定しましたが同エリアにいませんでした。
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| Shout!! |
イリス(106)の叫び！
イリス「工芸部に所属してくれる人を募集するわ、工芸以外にも色々と雑務もあるけど特に気にならなかったらどうかしら？」
ファル(805)の叫び！
ファル「皆様、願いのままに道を進んでおられますか？ 「想い」、忘れておられませんか？」
| Event |
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何者かと遭遇した！
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| イベント戦闘予告 |
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はぐれ学徒旅情変 所属 † V S †
黒魔術部員
Enemy |
| はぐれ学徒旅情変・所属メンバー |
|
| Character Data |
| ENo.282 備前 那継 | |||||||
| HP | 4175 / 4318 | 1 | 貫通3 | 場所 | B4 ［花園LV0］ | ||
| SP | 359 / 369 | 2 | 適応3 | 技 | 使用可能技一覧 | ||
| NP | 23 | 体格 | 373 | 3 | 武具25 | 参 加 団 体 | |
| CP | 83 | 敏捷 | 154 | 4 | 斬撃10 | 0 | 自称一般人肉体派 |
| PS | 3290 | 器用 | 289 | 5 | 1 | 単位がピンチです | |
| 業 | 0(0) | 魔力 | 75 | 6 | 2 | 若年寄と本とお茶とお菓子 | |
| 連勝 | 2 | 魅力 | 75 | 7 | 3 | イタリアン愛好会 | |
| 総CP | 980 | 生命 | 161 | 8 | ――― | 4 | |
| 単位 | 13 | 精神 | 135 | 9 | ――― | 5 | |
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