後期学園生活 10日目
基本行動宣言 成功 戦闘行動宣言 成功 [イベ][デュ][援護][大乱]
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成功 [イベ][デュ][援護][大乱]
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Diary
打ちひしがれた身体を起き上がらせるのは、それはそれは気合のいることだ。
けれども、挫折は彼の最も嫌いなものの一つだ。いくら無茶だと思えることでも、彼は自分の信念に基づいて完遂しなければならない。
目の前には、闇夜のような冥色の毛並みが、蝋燭の光を得て鮮やかだと言えるほどに色めいていた。
「……退いてくれ」
一声発すれば、その黒はぱっと身を翻す。
それは、自分の声が相手に届いていると言うことの証明であり、
「ニャー」
相手の声の真意が理解できないということは、つまり相手の声が自分に届いていないということの証明であった。
アイアンマンは、這い蹲っていた身体を起き上げた。
いくら目線を同じにしても、ニコラとヘルメスの言葉は『猫』と『犬』のそれであって、アイアンマンの『人語』とは交じり合うことのないものだ。
それを理解しろと言うあの魔女は、やはり悪魔に加担する女だ。人を惑わし、煙に巻いて騙す者。搦め手を得意とする、彼の一番嫌いな人物。
そんな人間の言葉を真に受けても仕方ない。颯爽と投げ出すのが得策であろう。
そうは思っても、あの魔女の他に人語以外を解するものがいるのだから始末が悪い。その者に出来て自分に出来ないなど、情ないことこの上ない。
だからこそこうして仕様が無く対話を続けているのだが……。
「……木の葉は何色だ?」
「ニャー」
「…………太陽はどの方角から昇るか?」
「ニャー」
「………………塩は甘いか鹹いか?」
「ニャー」
この調子である。
木の葉は緑色ないし黄土色、或いは紅色。太陽は東から昇る。塩はもちろん辛い。答えはそれぞれ前に述べたものであって、間違っても「ニャー」ではない。
アイアンマンは困り果てた。
「勘弁致せ……」
このままでは、百年経っても進歩できない気がしてならなかった。
Chapter2-5 [Sweet Sweet Chocolate]
ぶんぶんと大きく手を振ると、その老婆は小さく振り返してくれた。
それが嬉しくてたまらず、彼は大きな声で「また来るね!」と叫んだ。
それをした後でタブエラを振り返ったけれど、彼女は何も言わなかった。
二人で街の大通りを歩く。
日は完全に西へと沈み、辺りは真っ暗だったが、祭りの熱気は益々高まっているように感じられた。
するすると前を歩くタブエラに、彼は置いていかれないように必死に足を動かす。
早く帰らないと、みんな腹をすかせているだろうと思った。
それに、彼自身も空腹だ。あっという間に時間が過ぎたせいで、そんな事は今の今まで忘れていたのだが。
きっとタブエラも、そのことを気にして急いでいると彼は思っていたのだが。
大通りの、一番華やかな場所に差し掛かったときのことだった。
突然タブエラが立ち止まった。
「……貴方、チョコレートを飲んだことはある?」
唐突な質問。
彼は慌てて頭の中をまさぐったけれど、生憎その言葉は入っていなかった。
「飲むも何も、知らないよ」
彼の言葉を聞いて、タブエラは少し、ほんの少し言葉を弾ませた。
「甘くて、良い香りがするの。私はそれが大好きで、この街で祭りがあるときは必ず飲むの。少し値は張るけれど、それに見合う分の満足感はあるわ」
「そう、なんだ。知らなかった」
僅かに饒舌になったタブエラ。彼は驚きよりも、彼女をそこまで虜にするその飲み物を一度飲んでみたいと思った。
「ねえ、飲んで帰らない?あそこの店なの」
一ブロックほど先を見ながらタブエラは言った。
顔を隠していても、タブエラが行きたいと思っていることはすぐに分かった。飲んでみたいという好奇心も手伝って、彼はほとんど迷うことなく「うん」と頷いた。
チョコレート屋の主人は、筋骨隆々とした大男だった。
タブエラよりも、ララーシャよりも、アイアンマンよりも背が高い。横幅も一番かもしれない。
きこりか、兵士か。そんな風貌の男だった。
そんな、およそチョコレートとは結びつかないような大男は、店先に現れたタブエラたちを見かけると豪快に笑った。
「おうっ!アラエラさんところの嬢ちゃんじゃねえか。久しぶりだな」
「ご無沙汰してます」
タブエラはゆったりと頭を下げた。
「ほらっ。そんなところに突っ立ってねえで、座りな座りな!」
街の反対側まで届くと思えるほどの大音声で叫びながら、大男はばしばしとカウンター席を叩いた。それに合わせて、屋台がぎしぎしと大きく揺れる。
彼とタブエラは席に着いた。
「店主のトマスさんよ」
タブエラが小声で彼に囁く。
「おうっ?今年は連れがいるのか?」
一メートルほど高い場所から見下ろされ、彼は身をすくめた。
「んー?嬢ちゃんの子供か?」
「すばらしい観察眼ですね」
あ。怒ってる。
理由は分からないけれど、それは分かった。
「はっ!冗談だよ冗談」
そう言って豪快に笑う。
「…………」
彼はタブエラとトマスを見比べながら考えた。
どうやら、タブエラはトマスが苦手なようだ。
それでもタブエラがこの店に来るのは、多分トマスのことが苦手であっても嫌いではないから。トマスが嫌いなら、この店に来なければいいだけの話しだ。だってチョコレート屋はほかにもあるのだから。
「ほら。チョコ二杯」
ことん、と二人の前にティーカップを置くトマス。
「……いい匂い」
暗い灰黄赤色の液体からは、甘い香りが立ち上っている。落ち着けるような薫りだった。
「へっ。匂いだけじゃねえぜ」
トマスが不敵に笑った。
彼は手をつけようとカップを持ったところで、
「いただきます」
というタブエラの声が聞こえた。
彼は慌ててカップを置いて、「いただきます」と口にした。
トマスは顔が爆発したように笑った。
「おうおう。行儀のいいことじゃねえか。よっぽど厳しく躾けてるな?」
彼は恥ずかしさに俯いた。
「恥をかかせるよりは良いと思っていますから」
タブエラはフードを上げ、したり顔でチョコレートを飲んだ。
彼女の喉を、何かが嚥下していくのが見えた。
ほうっ……。
タブエラの薄い唇から、甘い吐息が漏れる。
「…………」
『…………』
彼や、通りすがりの男たち、皆の視線がタブエラへと注がれた。
黒い衣服を着、顔を隠していたときの陰湿な魔女はもうどこにもいなかった。そこにいるのは、透き通った白い肌と新芽のような鮮やかな緑色の髪をした、一人の美女だった。
タブエラはもう一口チョコレートを飲んだ。
彼女は僅かに頬を緩め、幸せそうに熱の篭った息を吐き出す。
ごくり、と生唾を飲み込む音がした。
彼、だけではなく、タブエラの周囲にいる全ての男が発した音だった。
色香たっぷりの吐息を撒くタブエラ自身は、チョコレートに夢中になっている為に周囲の様子にまったく気が付いていない。
彼は不思議に思っていた。。何かに集中するタブエラを見たことはあっても、ここまで己を失くす彼女は見たことがなかったからだ。
パンパンッ、と大きな音がした。
彼は驚いて音のした方を見る。
「さっ、早く飲めよ。冷めると美味さが半減するぞ」
トマスだった。両手を打ち鳴らした格好のまま、覗き込むように彼を見ていた。
その音で目が覚めたように、彼も、周囲の男たちも、自分たちの行動を再開させた。
彼はカップを持って、
――そして男たちの大半はふらふらとトマスの屋台へとやってきた。
トマスはにやりと笑って、椅子を新たに数脚出した。
「へへっ。嬢ちゃんのおかげで、毎年必ず大繁盛になる」
彼にこっそりと耳打ちをして、トマスは大音声で客引きを始めた。
わらわらと集まり始めた男たちを横目で見ながら、彼は噂のチョコレートなるものに口をつけた。
温かく甘い。それが口の中いっぱいに広がって、えもいわれぬ満悦感を彼に与えた。
「…………美味しい」
本当に美味しい。単純な甘さだけではなく、香りが心を落ち着けてくれるのだ。
トマスがまた豪快に笑った。
「なあ、チョコレートはいいだろう?誰も彼もを笑顔にしてくれる。幸福を感じられるのさ。少なくとも飲んでいる間だけは、な」
見上げると、岩のような顔に優しい笑顔を見つけた。
どんな外見をしていても、心の中までは分からない。
彼はトマスの笑顔に、アラエラの笑顔を見たような気がした。
なるほど、タブエラがこの店に毎年来るわけだ。
彼は嬉しくなってにっこりと笑い、もう一口チョコレートを飲んだ。
やっぱり、美味しかった。
魔女は、欲望というものを排斥しなければならない。そう教えられた。
食欲も、睡眠よくも、性欲も。欲求は押さえ込むべきものであり、それを表に出すことは恥ずべきことだ。そう教えられた。
けれどもタブエラはチョコレートを飲む。
それは、禁じられた彼女の欲望の発現であり、欲望を排すべき魔女には許されない行為だった。
けれどタブエラに後悔はない。
これは彼女の覚悟である。
師と仰ぐあの大魔術師にどんな咎めを受けようと、タブエラがこの習慣をやめることはないだろう。
初めて飲んだのは十年前。
アラエラに出会った日に。
いわば、彼女にとっては思い出の味。
それを絶つことは、母との絆の一つを断ち切ってしまうような気さえしたから。
――それに、何よりも美味しいし。
タブエラはやんわりと微笑んだ。
「美味しいね」
声をかけられ、タブエラは微笑んだまま横を向いた。
妖の少年は、口中にチョコレートをつけて無邪気に笑っていた。
やれやれ。
小さく溜息をつくと、ハンカチを取り出して少年の口を拭った。
まあ、彼の気持ちは分からなくもない。
タブエラも初めて飲んだとき、同じようなものだったから。
「ええ」
なぜか顔中にチョコレートを塗り始めた男たち――いつの間にいたのだろう?――を横目に見ながら、とりあえずの相槌を打つ。
少年はトマスの方を向いて、笑いながら何事かを話し始めた。
トマスが笑って、もう一杯チョコレートを少年に与えていた。
これまたいつの間にかトマスと仲良くなっている妖の少年。
本当に、いつの間に?
「…………」
まあ、いいか。
あっさりと思考を破棄し、タブエラは自分のカップに口をつけた。
うん、美味しい。
知らず知らずにタブエラは笑みを浮かべた。
それを見た周囲の男たちが、これまたにやーっと双頬を緩めていることも、これまた知らずに。
そういえば、あの居候たちは今どうしているのだろうか。そろそろ空腹を訴えているのかもしれない。ニコラは肉が食べたいと言っていたけど、生憎買い置きしていた干し肉は切れてしまっている。買って帰らなければ。
……まあ、いいか。先のことは先延ばしにすれば。
そんなことを考えながら。
To be continued....
Quick Action / etc
特に何もしなかった。
第213パーティ・所属メンバー (Before)
Februa(213)
結界4 漲溢4 魔術11 命術11
現在地 G6アインクルス=アンキュール(597)
貫通4 適応3 斬撃15 忍術10
現在地 G5
Character Data (Before)
ENo.213 Februa HP 1339 / 1339 1 結界4 場所 G6 [森林LV1] SP 318 / 369 2 漲溢4 技 使用可能技一覧 NP 9 体格 83 3 魔術11 参 加 団 体 CP 38 敏捷 80 4 命術11 0 亡霊の夢 PS 330 器用 80 5 1 Wir sind freunds 業 0(0) 魔力 211 6 2 連勝 8 魅力 80 7 3 総CP 333 生命 103 8 ――― 4 単位 0 精神 152 9 ――― 5
= Profile = 種族 妖 性別 ♂ 年齢 16
人間のように見えるもの。
けれど、人間ではないもの。
過去のトラウマのせいで対人関係において若干神経質だが、基本的には無害。
No アイテム名 種類 / 強さ / Grade / 効果1 / 効果2 装備 1 白色の魔石 魔石 / 2 / 2 / なし / なし 自由 2 灰色の魔石 魔石 / 4 / 1 / なし / なし 武器 3 制服 防具 / 10 / 2 / なし / なし 防具 4 胸章 装飾 / 10 / 2 / なし / なし 装飾 5 頭 鉱物 / 1 / 0 / なし / なし 6 新鮮な雑草 植物 / 2 / 2 / なし / なし 7 黒い石 鉱物 / 15 / 0 / なし / なし 8 石ころ 鉱物 / 2 / 0 / なし / なし 9 石ころ 鉱物 / 2 / 0 / なし / なし 10 ナズナ 植物 / 1 / 3 / なし / なし 11 石ころ 鉱物 / 2 / 0 / なし / なし
イベント戦闘
第213パーティ 所属 † V S †化け狐
Enemy
BATTLE START!!
非接触フェイズ
[列]名前 HP/MHP SP/MSP [前]Februa 1339 / 1339 318 / 369 [後]化け狐 1833 / 1833 583 / 583
Februaの攻撃!
オートレスト!!
Februaに 平穏LV2 を付加!
ダメージダウン!!
Februaの物理DFが上昇!
Februaの魔法DFが上昇!
非接触フェイズ
[列]名前 HP/MHP SP/MSP [前]Februa 1339 / 1339 264 / 369 [後]化け狐 1833 / 1833 583 / 583
Februaの攻撃!
マジックミサイル!!
化け狐に166のダメージ!
非接触フェイズ
[列]名前 HP/MHP SP/MSP [前]Februa 1339 / 1339 257 / 369 [後]化け狐 1667 / 1833 583 / 583
Februaの攻撃!
ホーミングミサイル!!
化け狐に171のダメージ!
非接触フェイズ
[列]名前 HP/MHP SP/MSP [前]Februa 1339 / 1339 220 / 369 [後]化け狐 1496 / 1833 583 / 583
戦闘フェイズ
化け狐の魔攻LV2
化け狐の魔法ATが上昇!
TURN 1
[列]名前 HP/MHP SP/MSP [前]Februa 1339 / 1339 220 / 369 [前]化け狐 1496 / 1833 583 / 583
化け狐の生傷LV2
FebruaのHPが140減少!
化け狐の治癒LV2
化け狐のHPが56増加!
化け狐の攻撃!
ペインカース!!1
Februaに479のダメージ!
FebruaのMHPが低下!
Februaに420のダメージ!
FebruaのMHPが低下!
Februaの攻撃!
ブラッドサッカー!!
化け狐は攻撃を回避!
化け狐は攻撃を回避!
化け狐に129のダメージ!
FebruaのHPが64回復!
化け狐の生傷LV2
FebruaのHPが132減少!
化け狐の攻撃!
ペインカース!!1
Februaに447のダメージ!
FebruaのMHPが低下!
Februaに411のダメージ!
FebruaのMHPが低下!
Februaが倒れた!
戦闘に敗北した・・・
単位を 1 喪失!
BATTLE END.
Normal Action / etc
G5に移動しました。
H5に移動しました。
I5に移動しました。
I4に移動しました。
魔術 のLVが1上昇しました。(- 11 CP)
魔術 のLVが1上昇しました。(- 12 CP)
精神 が 16 上昇しました。(- 15 CP)
Wir sind freunds の活動をしました!
体格 が 1 上昇!
生命 が 1 上昇!Wir sind freunds の活動をしました!
体格 が 1 上昇!
生命 が 1 上昇!Wir sind freunds の活動をしました!
体格 が 1 上昇!
生命 が 1 上昇!
ItemNo. 8 石ころ から 緑色の魔石 という 魔石 を作製しました。(- 330 PS)
CPが 38 増加しました!
NPが 1 増加しました!
アイアンマン(597)を同行者に指定しました。
Shout!!
瑞奈(4)の叫び!
瑞奈「たまには冒険だって必要よね」白夢(64)の叫び!
カウラ「遅くても一歩一歩確実に〜…。」一樹(119)の叫び!
一樹「寒がりな自分にはもう耐えられません・・・」刹那(492)の叫び!
刹那「かまわーん。反動式爆殺弾道砲、てぇー」りん(1348)の叫び!
りん「山を越え 私は一人 看護する」
Event
何者かと遭遇した!
イベント戦闘予告
第213パーティ 所属 † V S †白衣学生
はぐれフェアリー
Enemy
第213パーティ・所属メンバー
Februa(213)
結界4 漲溢4 魔術13 命術11
現在地 I4アインクルス=アンキュール(597)
貫通4 適応3 斬撃15 忍術10
現在地 I4
Character Data
ENo.213 Februa HP 997 / 1380 1 結界4 場所 I4 [荒野LV1] SP 368 / 400 2 漲溢4 技 使用可能技一覧 NP 10 体格 86 3 魔術13 参 加 団 体 CP 38 敏捷 80 4 命術11 0 亡霊の夢 PS 0 器用 80 5 1 Wir sind freunds 業 0(0) 魔力 211 6 2 連勝 0 魅力 80 7 3 総CP 371 生命 106 8 ――― 4 単位 -1 精神 168 9 ――― 5
= Profile = 種族 妖 性別 ♂ 年齢 16
人間のように見えるもの。
けれど、人間ではないもの。
過去のトラウマのせいで対人関係において若干神経質だが、基本的には無害。
No アイテム名 種類 / 強さ / Grade / 効果1 / 効果2 装備 1 白色の魔石 魔石 / 2 / 2 / なし / なし 自由 2 灰色の魔石 魔石 / 4 / 1 / なし / なし 武器 3 制服 防具 / 10 / 2 / なし / なし 防具 4 胸章 装飾 / 10 / 2 / なし / なし 装飾 5 頭 鉱物 / 1 / 0 / なし / なし 6 新鮮な雑草 植物 / 2 / 2 / なし / なし 7 黒い石 鉱物 / 15 / 0 / なし / なし 8 緑色の魔石 魔石 / 6 / 4 / なし / なし 9 石ころ 鉱物 / 2 / 0 / なし / なし 10 ナズナ 植物 / 1 / 3 / なし / なし 11 石ころ 鉱物 / 2 / 0 / なし / なし
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