思えば長かったような、短かったような。
気づいたらもう2年。最後の大勝負はあと一歩だったけど、一揆自体は無事に収まったみたいで、
周りはすっかりお祭りムード。

それから、あたしは…

親愛なるメルルへ

前に手紙書いてからずいぶん経っちゃったね。
最近暑くなってきたね。元気にしてる？
あたしはいつも元気で過ごしてるよ。この辺りは川も穏やかで水浴びも気持ちいいんだよ。川で水浴びなんて村にいた時は考えても見なかったよ。
一揆の方も何とか終わってね。あたしも結構頑張ったんだよ。
最後の最後は引き分けだったけどね。
それでね、ここからが大事な話。
あたしね、ずっとお世話になってた養蜂場のお手伝いをしていこうと思うの。
どうやってもあたしにはハチミツしか無いみたいだし、一揆であたしたちが取り戻した…なんて言うとちょっと大げさだけど、この場所がとっても大事に思えてきたから。
それに…もう一つあるんだけど
最後は、直接あってから話したいな。
何年かかかっちゃうかもだけど、落ち着いたらみんなで挨拶にいくね。
その時はたくさんお話しようね。

あなたの親友、ミィナより

娘と片割れが共に歩む。
愛らしい熊の子へと、語り掛けますよに。

お祝いよりも食事に傾くのは自明の理。妖精さんたちもどぉ？　と片割れがお誘い。

常に前線で共に支えてきたのだから、そのくらいは――ね

差し出すのは護符だ。神様はついていないけれども。
それは蜜の香りがする。藤色の花びらが、艶やかに輝いていた。

―――サルビアの花言葉は、家族愛……尊敬