どうやら、そなたの勘は当たりのようじゃな。
エンブリオの支配力が落ちたのか、抑制されておった能力が急速に元に戻ろうとしておる。
一揆は終焉を迎え、新たな時代が幕を開けようとしておるらしい。……すなわち、旅立ちの季節じゃの。

ラーフィー、そなたは本当に、神に戦いを挑もうとしておるのじゃな。
支配者たれとして聖誕した生粋の神族は、強敵どころの存在ではないぞ？
既に理解しておろうが、神を滅ぼすには、神と同格の力を手にせねばならぬ。

山ひとつを吹き飛ばす威力を耐えうる力。斯くあるべしと断ずる意思に抗う願い。

……じゃが、儂はそれを、只人に手が届かぬ高みとは云わぬ。
神が世界に沢山いるように、神殺しの英雄もまた沢山いるのじゃからな。

おお、セレスの飯を喰わせて貰えるのかや。楽しみじゃの！
花嫁修業真っ盛りのそなたが到達した味、是非とも堪能させて頂こう。

む。ラーフィー、ちゃんと座らぬか。セレスの手料理を前に、行儀が悪いぞよ？

くく。戦に美学を求めずして、何が楽しいのやら。可愛いは正義という言葉もあろうに。
ちなみにな。儂ではないが九尾狐には、可愛いというだけで２つもの国を滅ぼした化け物もいるぞえ？

でも覚醒ベルフィには勝てない。なにあれ。

百合だの薔薇だの、今更じゃのう。そもそも儂は、どっちでもイケる質だというに。
愛の女神はあいにく逢ったことがないが、エロースは是非とも友達になりたいの。
じゃが儂は、本気で嫌がるものを抱いたりはせん。せめて儂に心を預けたいと思う相手でなくばな？

……ふふ。依存、か。痛いところを突く。
否定はせんよ。儂は、"そのように造られて"おるからの。鼓は、誰かが打たねば音を響かせられぬ。

じゃが、セレスを誘惑するのは寂しいからではない。面白いからじゃ。なにしろ反応が一々可愛いっ、痛！？

はは、確かに勘違いしておったようじゃな。
儂らと同じ常識ではないだけで、ラーフィーの世界なりの恋愛意識というものがあるのじゃろう。

……ほう、その前髪は想い人への操立てのようなものか。ふふ、随分と慕っておったのじゃな。

呱々。マブダチ、のう？　友達と親友には、果たしてどこに線引があるものか。
セレス、そなた自身はラーフィーに伝えたのかえ？　お前はマブダチだ、とな。
相手に求めるばかりではならん。大切だと思うなら、自分から動かねば一歩先に進むことは出来ぬ。
もっともラーフィーの側は、とっくの昔から親友と思うておる気もするが、はて。

儂も、この世界に来て、そなたらと出会って少し変われたような気がするぞえ。
純粋に至難を乗り越えようとするラーフィー、怒りんぼうじゃがとても優しく人づきあいのいいセレス。
くかか。時が許せば、否応なく愛について一晩でも二晩でも身体で語り明かすところであるが、残念じゃ。

未練は尽きぬが。――そろそろ、別れじゃ。

シロちゃんならそこで寝てるタヌ〜。

春眠暁を覚えずキャ〜

それじゃ、やろう。言っておくけど、負けるとしてもただじゃ負けてあげないからね？

これより戦闘態勢に入る、準備はいいか！

多岐野祥子、いざ、参ります！

それじゃァ、おっ始めるか。
嬢、ちィと体、借りるぜ！

悪ぃなシズク、俺一人で片付けるつもりが・・・ッ！！

偉そうなこと言って無茶ばかり・・・・・・・弱いくせに。

私の名は・・・・・・まぁこの力の下では不要な存在だ。