魔女の言葉に、眼前まで伸びていた食指の動きが止まります。
今夜はもう十分な魔力を得られたことも、白い怪物少女が思い留まる一因だったのでしょう。

そう言って、魔女から離れると、窓辺へと立ちます。

……そして気付くでしょう。
怪物少女から発せられていた膨大な魔力が、ほとんど感じられなくなっていることに。
それは衰退というよりは、まるで潮が引いていくように。

窓の外の東の空に、明るみが見えます。
いつの間にか白い怪物は、あのおとなしい少女へと戻っているのでした。

囁かれるとびくりと掴まる腕に力が入る。
着く頃には反論する元気もないのか地面を睨みつける目が鋭くなるばかりで、
足が地面につくとすぐに体を離してしまおうと1、2歩前へ出ようとした。
息が荒く今にも座り込みそうだ。

吹き飛ばされた先で、無傷な様子で元気よく手をふっていた。無傷である。

そんな感じで、とにかくリータが不憫なまま、飲み会は終わったのであった……。

・・・

・・・

・・・

そして、数日後。
何か羽ばたく音がしたので、ウィルが気になって振り返ってみると
そこには天使の羽根をはやしたエシャロットの姿があった。

なんか浮いてきた。軽いノリで天使になってた。

ここにきてミハイユちゃんの存在に気づくなど。