(:D)┼─┤＞…そろそろ､みてェだな
　魔神ベルフィを退けるほどに成長したマールを見ることができた今､彼に留まる理由はなく､後は身を任せるだけであった｡
｢…やっぱり､消えちゃうんだね｣
　ここのところ露骨に減っていた口数に加え､ﾓｱｰｲｽの突然の消滅｡そして何より､存在が希薄になっている者特有の､｢気配｣の無さ｡
　その過程や理由はマールにもわからなかったが､｢いなくなろうとしている｣ことについてはもはや明白であった｡
(:D)┼─┤＞オゥ､まァ､気付くわな｡ アイス勝手に食っちまったのも俺だ
｢どうにも…ならないのかな｣
(:D)┼─┤＞そうだなァ…お前さんがパラダイスよろしくネクターを一人占めしちまったら､また留まれるようになるかもしれんが､そりゃ､意味が無ェからなァ
｢そっか…そうだね｡ ﾓｱｰｲちゃんも､還るんだね｣
(:D)┼─┤＞オゥ､短い間だが､世話になったなァ…っと､本当にそろそろらしいから…そうだなァ､ミヒャエルの奴に『まだ見つからねえンなら､オレの書斎を探してみな』って伝えといてくれねェか
｢！…ﾓｱｰｲちゃん､それって｣
ﾓｱｰｲの姿が急速に薄らいでいく｡
(:D)┼─┤＞あと､今でもそこそこだが､磨けばもっといい女になるから､頑張るんだなァ
　それが､ﾓｱｰｲの最後の言葉であった､
｢うふふ…わたしは､もっとないすばでーになりますよ？｣

　涙目で空に返したマールの言葉は､女性らしい体型をむしろ疎んでいた彼女にとっての､精一杯の強がりであった｡