ロク……君が決めたことに僕なんかが口を出すべきじゃないって、解ってるけど、
……君も、ノースロップと一緒に、この先に進むつもり？

……前王は僕たち二人じゃどうにもならなかったし、
ノースロップが言ってたことが本当なら、この先にいるのは「庭園を一瞬で焼き払う」ようなやつだ。
いくらエンブリオの力を使ったって、そんなの、どうにかできるなんて思えない……。
あいつを一人でなんとかしたノースロップだって、エンブリオは彼女の生命力を使ってるんだ。
もうこれ以上、無理なんてさせられない。

こんなのは僕のわがままだって解ってる、
前にも君がここで「ちからになりたい」って言ってくれたのも、覚えてる。

それに、君は僕のことを友達だって言ってくれて、君のことも話してくれたのに、
僕はまだ、君に言わないといけないのに黙ってることが、いくつもあるんだ……。

君とずっと友達でいるなんて言っておいて、君を裏切るようなことをしていたのに、
こんなことを言うなんて……きっと、君に、嫌われるだろうけど……

でも、……これは君の「友人」や「大人」としてなんかじゃない、
「僕」は、君がこれ以上傷つくのも、悲しむのも見たくないし、
……もしこの先で何かあって、君がいなくなるなんて、嫌なんだ……。

だから、ロク、お願いだから……なんだってするから、
ノースロップは連れて帰る、君が戻るように言えば、きっと聞いてくれるだろうし、
君の契約のことだって、僕が絶対になんとかするから、……ロク……

『！！』

……下がって、ロク。