ごしゅじんが、したくをはじめた。
いてもたってもいられなくて、ぼくはごしゅじんのあしもとにすりよって、まえあしでたたく。

かぜがとおるのはらをはしるのはきもちいい。
もりのきのあいだをすりぬけてはしるのも、すごくたのしい。
うまれてからこのおしろからほとんどでたことないけど
とてもとてもひろくて、いろんなけしきがあって、たのしい。

ごしゅじんや、アニキといっしょだと、もっともっとたのしい。

アニキは、こういうとき、ちゃんときこえていても、きこえないふりをして、
うっとおしそうにみみをふせる。
でも、しっぽが「ごしゅじん、だいすき！」っていってるの、ぼくはしってる。

ぼくはアニキがうごきだすのがまちきれなくて、ついとびかかっちゃう。

あさは、いつもこんなかんじ。
きょうはどんなことがあるのか、わくわくして、はずむきもちがおさえられない。
まいにちまいにち、たのしいことがいっぱいあって、ぼくはしあわせだとおもう。

もうすぐ、いっきがおわるってだれかがいってた。
おわったら、まいにちもかわるのかな。
あさは、かわるのかな。
ちょっとだけふあん。

でも、みんないっしょなら、ぜったいたのしいし、しあわせ。
ずっといっしょなら、ずっとしあわせ。