アクエリオンとの話し合いから帰ってきたキョンシーは、行く前よりも深刻そうだった。
どうやら何かあったらしいが、頑なに話そうとしない。
……寧ろ逆効果だった気がしてならない。
あの天使はいったい何を吹き込んだのか。

最近、周囲の魔力汚染が激しい。
この一揆も目的地に近づいている、ということだろうか。
それとも、別の何かがこの近くにあるのか。
周囲の調査を怠らないようにしよう。

と、まで言って考え込む。

男は一言、それだけ言った

会話を大事に。
それは仲間との交流をちゃんと続けろということなのか。
それとも、また違う意味があるのだろうか。
……気にはなったが、聞くのも何だか癪で口を噤む。

何かあるなら、と問われ何を言えと言うのかと躊躇う青年。
しばしの沈黙を挟んで、口を開く。

最初の出会いはそれだった。
だからこその、問いかけ。