「たはは。良く言われますよ。
戯れで済ませて頂けるのですから、十分だとは思いますけどね？」

「……、ええと、ですね」

「――貴女は似ているんです。
噎せ返るような『死』、そして『不滅』の匂いが。僕の知る化物によく似ている」

「元より闇に棲まう住人ならば。
魔力を影の如く模れば、分身を作ることなど容易なはずです」

「死や特定の肉体に囚われぬ生き物が。
どうして肉体を分けられぬ道理が有りましょう？」

……如何にも、平和って感じじゃないわよねぇ。
まぁ、とりあえず儲かるかどうかなんだけども……

ま、そうね。武器商人のツテならそこそこにはあるわよ。
何をするにしたって、入り用でしょうしねぇ。

後はま、人脈と人徳よね、結局。人数を集めるなら、必要なものだし。

そうですね……

それだけの美人さんなのですから
街の娼館にでも売ってしまいましょうか

んー・・・おかしいわね

確かに、お酒臭さと少女らしさってなんか相反するわね

あ、そうだ、今度魔法少女のお姉さんと討伐戦行ってくるから
魔法少女ってなんなのかしっかり聞いてくるわ

しかし、ロックあなた意外と下戸なのかしらね、意外だったわ

……『王に相応しい人物』、か。

『王の座を求め争いが起こる』と分かっているのに『王に相応しい人物を王に据えるように動く』、と。
つまりそこに起こるのは当然王座を狙う他の存在の反発やら謀略やら反乱だ。
この一揆の代表者が王になるなら兎も角、それならば情報を集める必要も無く当然の摂理等と説いて回ればいい。

つまり、先ほど言った王座を狙う存在との戦いは避けられない。
では何故、ここでその候補かもしれない存在に自分の目的を話すか。
最も考えやすい理由は、既にそういった存在に対する方策があるから。
考えられる方策は2つ。

第一に、謀略により封殺すること。
これはそちらの登場の仕方からある程度薄くなる。
謀略の為の弱味やその他情報を集めているなら、他人の目の前に『移動』するのは避けたい。
もし事故による移動だったとしても、即座にそこから隠れたり、口封じをしたりする、というのが一般的な反応だろう。
それをしない、ということは、姿を見られても問題は無い、つまり隠れて情報を集める必要はない。
堂々と弱味を探す、というのは中々に考えにくい。

つまり、第二の可能性……
反発したものを、全員粛清する。
こちらが有力になってくる。

その可能性が高い以上、そちらを信用するのは難しい。
反発する気もないが、勝手に何かの魔術にかけられるのもいい気分ではない。
………何か言いたいことがあるなら。

ハッ、人間。人間と来たか……。

随分と前に、そう。前の事だ。
ギルドで似たような演説を――していた娘が居た気がするなァ。

だが、その前に。

お嬢ちゃん、それを訪ねてどうする気かね？

――始めるか。

さあ、はじまりはじまり。

おら、行くぜェ！

参りましょう！