アーシェ、とても綺麗だった。
たぶん卯の花腐しを待っていたから、私は大きな焚き火を囲みに行った。

丁度向かい側ではヴァルが踊っている。
素敵な衣装…どうしたのかしら。

私の隣には、小さな男の子と、白くて可愛い…猫。
人を怖がらないのね。

ミルの右隣では、青年と少女が踊っている。
左側には、このお祭りの主催でもある、ヘクター。
美味しいお酒も頂いたし、ミルとコロもお菓子を貰っていた。
アーシェと卯の花腐しがこのお祭りでうまくいったら、本当に頭が上がらなくなっちゃう。

そのへクターの左隣は赤い髪の女性で、この人もミルとコロにお菓子をくれた人。
その横で、コロが踊っている。
…懐いてしまったのかしら。
さらに左には…たしか、ナスルと呼ばれていた人。
酒場にも来ていて、アーシェや卯の花腐しとも話していた記憶がある。
その人に手を振られて、コロが振り返して、とても楽しそう。


この輪の中に、アーシェと卯の花腐しは居ない。
ここは色んな匂いが混ざって、踊って、巡っていて、
遠くにいる人の匂いは殆ど分からないけれど、
アーシェがここに来ていないという事は、たぶん
卯の花腐しと、一緒に過ごしている…勘だけれど。

わずかに頭を傾けて、赤面している顔を見せないようにしている模様

そういたずらっぽく言って

そうはいったものの、自分でもはずかしいらしく

堂々とした宣言に、本気だと悟るが大丈夫なのだろうかと

想像していたより本格てきなアドバイスにまじめな顔をしてうなづき

喧嘩の事に触れると、少し疲れたように微かに笑った。

かぼちゃのスコーンを手のひらの上で転がして、ちょっとだけ齧った。
おいしい、と音にならず口だけ動いた。

その声かけに時が止まったように固まり。
そして今度こそ泣き崩れた……。

嗚咽こそ止まらないものの胸の中で小さく頷いたように感じた……。

少しだけ片眉を上げながらそう言う。

首の後ろに手を当てて、一瞬だけ顔を反らして考えるような表情をする。

ユキナの右手を指しながら言う。

フライパンの中でポコポコと泡を立てるヨーグルトを見つめている。