死霊使い、ね。
それみたく簡単に呼び出せたなら、楽なのでしょうけれど。
生きている自分の半身は、生きている自分では呼び出せないものね。
ええ、それはもう。

恨みがましいような視線を一瞬向け、しかし自嘲し、戦支度を整えよう。
私の向かう先に、死に縋る者は不要だ。

目を布で覆うところにあ、と声を上げた。

言いながら、世界間を放浪して自らに取り得る手段は何でも試しただろう目の前の少女の苦労に思いを馳せる。
……正直に言うとどれだけ世界を巡ったか覚えていないという経験は
個人的にかなり胸が躍る話なのだが、流石にそれを口に出すのは自制した。
ほんのり気を遣う程度には、彼女の事を気にしている。

とりあえずは、
「今のリンさんならともかく、理屈屋がセルフォリーフにいた頃のリンさんと一緒にいると苦労しそうだねー」と言うだけに留めた。
やれやれと言うような様子で肩をすくめるところに薄く笑みを浮かべて、

目的があるならコネクションってのは重要だ、と身も蓋もない話を付け加えて。

　
　　　　　　にやりと笑い、右腕に魔術力場を纏わせ、腕甲を形成した。