姉さん、覚えてます？

サアラの姉妹とかけてお茶と解く。その心は？

後になるほど質が悪くなる。

家の壁にそう落書きされていた時、屑の僻みだから気にしなくていいと姉さんが言ってくれたの。覚えているわ。

私は、何一つ気にしていなかったのに。

「いやっふうううううううううう！！
　はっぴぃーはろうぃーーーーん！！」

「へっへっへー、こんな日に可愛いお嬢ちゃんとデートできるなんてついてるぜ♪
　というわけでキミにもこれをあげよう！」

此処まで来るのに世界幾つ回ったか忘れた・・・
って言えば、大体察してくれるかしら。

この世界の特性が、上手い具合に合致してここまで引き出せたって所ね。尤も、あの当時みたいに常時発揮出来る訳じゃないの。
・・・まだまだ、程遠いわ。本当に。
戦闘時には使えるけれど、長続きさせると負担が大きい。

引っ張り出すのも何度か試したけれど、無理したら腕が崩れかけて止めたわ。
流石に今はそんな事も無くなったけど、まだ冬眠中ね。

・・・何かしら、切欠があればって思うけれど、それが何なのかは。
この土地の強い奴を倒して力を奪えば、力は戻った。今はそれを続けるしか無い・・・かな。

――話せるようになったら、紹介したいわね。
良い性格してるわよ。所謂、理屈屋だけれど。

・・・・・・で、私は一定以上親しくない人には、この話をしないことにしてるわ。その辺察してくれると嬉しいわね、お姉様？

ただ、飽くまで自分の事だからね。
私は、解決法の分からない事について友人に延々愚痴を聞かせる趣味を持ったりしてないし。

それでも良いから聞かせろ馬鹿野郎、って奴も居たけれどね。
・・・余り長続きしなかったわねぇ。勝手に死んだり今も死にそうだったり。

…トラトラくん、キミはどうして、私の、こと…

………

…ありがとう。

…ここで、信頼できるのは、あなただけ、だから。

メディネ、さ、俺、頑張って前に進んでみるよ…

ユーフォリカちゃん、里の人たちから結構疎まれてたんだ…だからずっと一人きりだった。

だから、俺しかいないんだ。俺が探して、一緒にいてあげないと駄目なんだ。だから

……

あの、そろそろ放して…

郷に入れば郷に従え――ではメディネ、あんたの纏う世界律に従おう。
如何なる律にも侵されぬ、その真っ直ぐな在り様に

……と。こんな感じで呼ばせてもらうぞ？メディネ。
俺は元々誰かに従事したことはなかったし、敬語は苦手でな

差し当たり、城の連中を蹴散らすか。
――あぁ、もし必要ならば竜供の巣には行けるぞ？
いきなりど真ん中に突っ込む羽目になるがな

「ギッヒッヒッヒッ！　しっかしまあ、数だきゃあ立派に揃えてやがる。
　野菜の化物なんぞ今日び珍しくもねーけど」

「なんだか質も悪そうなのよ。
　間違っても食べたくはないわね」

「まあまあ、そう焦んなって☆
　今からじぃーっくりと調理してやるよ……！」

…………

あら珍しい、旅行者？

あら珍しい、旅行者？