[？？？]


我々人間は腕を二本持っている。

その二本の腕を使い、巧みに道具を操ることができる。
訓練すればそれぞれの腕で別の道具を操ることも可能だ。

では腕が六本あればどうだろう。

これまでの三倍の事ができるようになるのだろうか。
それとも使いこなせずに持て余してしまうだろうか。

私は自身の使命が人間の力を越えた何かを創る事だと考えている。
故に私は新たな腕の創造し使いこなす事で人間の力を越えようとしている。

その境地に何があるのかは分からない。
ただ私はその道を進むのみである。



[No.42:Alza=Uruk]




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先代の中には風変わりのものを作ろうとした人達もいた。
昨晩夢に見た彼もその一人だ。

彼の名はアルサ＝ウルク。『阿修羅』と呼ばれる42人目だ。

彼が目指したもの、それは自分の意志で動かすことのできる新たな腕。
それは初めて聞いたら耳を疑うような突飛の無い事だっただろう。
実際の所、彼の目指す道を気味悪がり、次第に交友関係も減っていったらしい。

またそれを実現する為のハードルも数多く、そしてそれらは例外なく高いハードルであった。

しかし、紆余曲折のうちに彼は創った四本の腕を加えた計六本もの腕を自在に操るに至ったらしい。
ちなみに阿修羅というのはどこかの神様で腕が六本ある戦神の事だと記録に残っている。

その後、彼がその六本の腕で何を成したかは明確に記録に残っていない。


それにしても腕を六本操るってどんな感覚なんだろう？
そういえば一揆参加者の中に二本より多くの腕を持ってた人がいた気がする。
機会があれば話を聞くのもいいかもしれない。




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今日も僕達は三階廊下を進む。

相変わらず元気なふわもこ達に対して僕は少し落ち着かない気分になっている。

理由は二つ。

一つは先日の進行失敗。
大きな怪我をすることはなかったものの、相手の耐久力を越えることができなかった自分達の力不足を痛感した日だった。

もう一つは今日受けた依頼。
メンバーを募り、一斉攻勢をかけると言うものだ。
成功すれば今後の流れに大きな優位を得るだろう。
僕達もそれに賛同し、共に向かう旨を伝えた。


そのための条件は最前線に到達することだ。
つまり今日の敗北は許されない。

このようなプレッシャーは今までになかったものだ。
しかしそれを跳ね退けて先を目指すしかない。

僕は一度立ち止まり、深く深呼吸した後、改めて最前線を目指した――

　矛先を虚空へ向け構えた槍を、
　　袈裟懸けに振り下ろしては、返すように振り上げる。
　　　多数の節から成る柄はその度に撓り、鞭の如き軌跡を描き。
　　　　節が擦れ合う連続した金属音を上げ、最後にはまた槍の形へと戻った。

鼻歌交じりにパンの間にサラダと共にたけのこをはさんでいく。楽しそう。