さて、気をつけて進みましょう

――そうだな、考えるといい。
答えを探し出す事が必要だろう。

人格の形成にもなるだろう、ファイにとっては。

自分から異世界に向かう、か……物好きにしか思えんがな。
まぁ、数人や数十人の規模ではない以上、あり得ることではあるか。

大なり小なり、少なからず争いの無い世界など存在しないだろう。
生命がある限り、争いの無い世界など存在しない、と俺は考えている。

そもそも皆に共通する『平和』なんて存在しないがナ。
平和を常に口にする奴は、独裁、偽善、夢見、傀儡。
おおかたそんなところだろう。

っと、ま、世界は様々ってことだ。
何処でも、な。

ふふ。世の中には、想像もつかないような事って、それこそ思いつかないくらいいっぱいあるよ。
それをいっぱい見て、経験していくといいんじゃないかな

理解できなくても、表面的に綺麗にしたり、言われた通りメンテナンスすることはできるだろうけど。
不測の事態に対応するためには、やっぱり理解しておかないとね

そんな上等な櫛じゃなくても大丈夫だよ。別に硬い毛じゃないしね。
柔らかい毛並みに合った櫛のほうがいいかな？

んー。そりゃ多分資質だな。質ってのは、なんつーかな。

弱い奴を沢山倒すより強い奴を１人倒した方が経験が積める……って感じだな。

ま、後になったら俺はもっともっと強くなってるけどな！

砂地？そんな暑かったかねえ……？俺の故郷じゃ、わりと何時もあれぐらいだったからな。

ま、俺が暑さや寒さを感じにくいってのもあるんだが。

そうね。
【全てが同一で均一な世界】なんて異質な世界に限らず、
他の世界に長く留まる時は、その世界に必要以上に染まらない事は大事かも。

その世界に定住でも決めるならともかく、
旅を続けるなら旅に適した身体や精神というのはあるから。
それが失われると思うと……少し怖いかな。

よしよし、可愛い可愛い。しばらくこのままで居させて？

……こうしてるとほっとするの。
ごめんね？　しばらくしたら離すから。

広い世界、様々な人……決して友好的な人ばかりではないからね……
時にはこちらに悪意を持って接触してくる人も居るわ。
そういう、自分への害意から自分を守る為の力も大事。
直接的な力もそうだし、まず危険な目に遭わない為の心構えとかも。

だからこそ、
旅をして偶然出会い、良い関係になれる人が貴重で嬉しいのだけど。

誰かと一緒に旅をする……なんていうのも楽しいのかしら。
そこまで誰かと仲良くなる事は滅多にないのが残念。

ま、常に一緒じゃなくても、
ずっと前に出会った誰かと旅の途中で再会するというのもとてもとても良いものではあるわね。
思いがけない幸運、って言うの？　あの感覚は素敵よ。

ラルフとルリアンナ。今はどうしてるのかしらね、本当に。
表舞台に出てきた記憶はないし……今もあの丘でたまに来る新規参加者の案内でもしてるのかしら？

強さは……どうなんでしょう？
あのラルフにしても、今思えば二つ名持ちだし、初日は数千人を同時に捌いたとも聞くし、
実は物凄い強いんじゃないかと思ってはいるのだけど。

失敗、は……あまり想像したくないわねえ……
例のゲートから別の世界に逃げられればあとは野となれ山となれを決め込めるけど……
最悪メルンテーゼからの脱出手段をしばらく探す羽目になるかも。

……それはそれで楽しそう、とか思ってないわよ？　ほんとよ？

呵々。そう、その意気よ！
考えて結論を出すことを繰り返せば、勘働きもよくなってくる。
経験が、未来を予測しはじめるのじゃ。――それが出来て、ようやく一人前と云えような。

ちなみにな、周りに助言を貰うのは悪いことではないぞえ？
どうせ最後に選ぶのは自分で、その選択に自信をもつことが大切じゃて。
どのような結果も間違いとは限らぬしな。逆を選べば、より酷い結果が待っている可能性もある。

……そういえば。儂の妖力を、爽やかミント味とか評しおった炎狐がいたの。
ファイは魔力を食べるのじゃろう？　もしかしたら魔力にも味の違いがあるかも知れん。
試しに儂の妖力、舐めてみるかや？

夢が必ず叶うならば、目指そうとする者がひとりもいなくなってしまうではないか。
なにしろ、何もせずとも勝手に叶ってしまうのじゃからな。

それにしても。――そなたは、本当に純粋に世界を見ることができるのじゃな。
羨ましいことよ。
どうして、そこまでして夢を叶えたいと思う。夢を叶えた先に、何かあるようではないか。

一揆を早く終わらせる、か。
……それは難しかろうな。もはや泥沼に似た局地戦を繰り返しておるばかりじゃから。

そも、一揆とは参加している多くの者の願いが集合しておるようなものよ。
全ての願いを聞き届け、応えられるのは――、……メルンテーゼの王、その者しかいない。

魔王パラダイスに謁見することが出来れば、この戦は終わっていくのじゃろうて。

はは、儂の話は回りくどくて理解し難かろう。すまんな、性分じゃ。

……そう、考えること。暴力なら獣でも振るえるが、思考力は知性ある者にしか操れん。
たとえ答えは出なくとも、考え続ければ、そなたは自分を見失わずに済む。

ところで、の。
ずっと聞きそびれていたが、そなたの故郷はいったいどういう場所なのじゃ？
研究所みたいな雰囲気の話を聴いたような気はするが、世界として憶えているのじゃろうか。

……呱々。そうか、そなたは妖精じゃったな。
妖精とは悪戯好きではあるが、とても純粋な種族だと聴いている。ならば仕方あるまいて。

くく。儂のことも警戒し始めたな？　それでよい。当然じゃ。
調べればわかるから先に云うが、化狐とはヒトを騙すが性分じゃからな。どこまで本当か、はてさて。

しかし今の処は、そなたらを騙す理由は見いだしておらんと伝えておこう。
ひとめで相手の嘘を見抜くほど手強くなれば、遊んでみたいと思うかも知れんがの。

――ま、嘘つきの台詞じゃが。

あやつが怒ることを覚えたら、子守も一気に難しくなるじゃろうのう。
されど、そなたとは既に切れぬ絆が築けておるようにも思う。なれば、大丈夫とも思うのじゃ。

何かあれば儂も力になろうさ。これでも子育ての経験はあるからの！

そうだね、いい目的だといいな。
この世界の一揆を終わらせる為とか、もっとみんなが住みやすくする為とかそういう。

クッキー作ってたことがあるような記憶があるんだ……？
ならお菓子つくりに関係あるようなところにいたのかもしれないね。
ファイは食べ物食べれないのに作ってるっていうのはなんか不思議だけど。

何かを作るって大変なんだなあってつくづく思うよ。
うん、最初は上手くいかなくても何度か作ってるうちに段々良くなってくるしね。
道具使うのも慣れるから作業自体も早くなる。

身体が崩れちゃうって……大変じゃないか…！
一旦崩れちゃったらあとから魔力あげても元には戻すのは難しい……？

宝石かぁ……確かに稀少な宝石には魔力を持ってるものもあるみたいだしできるかも！
かく…って核？
もしかしてファイの中にも魔力を持った宝石があるのかな。

お日様の光を吸収してほわほわになるよ。
暑い日の水浴びも気持ち良いけど、そのあとの毛皮干しも凄く気持ちいい。

うん、ファイさえよければ色んな場所につれてってあげたいな。
歩いていくのは難しいところで綺麗な景色のところへ。

さてなぁ……さすがにそれを数えるのは無理があると思うぜ？

王様が強いのか、それともソレ以上の何かが居るのか。
現時点では情報がたりなさすぎるってとこだな。

ま、面倒なことにならないといいが。

そんな良い事ばかりでもないさ。
必ず安全な世界に行けるってわけじゃないしな。

下手すりゃ、身体が合わない世界とかだと命の危険だってある。

にしても、何だ？
そんなに外の『世界』に行ってみたいのか？

確実に仕留めていきますよ

……

彼方が私の主ですか？

もう・・・あとには引けません・・・！

キミ、いいね。僕の下で働かない？

キミ、いいね。僕の下で働かない？

キミ、いいね。僕の下で働かない？

ふう……

ん、かった。

人違いでしたわね
ですが因果が巡ればまた会えるでしょう

ちょっと……無理しちゃったかなって、思ったのですが……
勝てて、よかったです……皆さん、ありがとうございました！

さあ進みましょうか

どんどん、前、すすむ。

いいもの見つけました！

いいもの、見つけた

神々の遺産【アーティファクト】ですか
早速中身を調べてみましょう

これ、もしかして・・・何かに使えるのかな・・・
こんどお店の人に聞いてみようっと

確実に数を減らしましょう

……よろしく、おねがい、します

彼方が私の主ですか？

もう・・・あとには引けません・・・！

力比べよ。

光翳らす者に、熱き血潮の鉄槌を――

手合わせ、宜しく頼む