また日が空いちゃったわね。いけないいけない。
楽しいことを見つけるとすぐこれだわ。こんなんじゃまたポーに飽き性のダメ姉さんってどやされるわね。

最近の私の日課って言ったら、とにかくストルティオに乗ること！
（ストルティオは、私が最近つかまえたダチョウね。すごくマイペースですっとぼけたやつよ。）
ロンシーヌは背が高すぎて登りにくいし、そもそも森以外にはついてきやしないし、
ティマノは何度か試したけど、”オマエは重すぎる”とか言われて結局乗せてくれなかったし！
その点ストルティオは特に何をいうでもなく、ただ、”乗れるもんなら乗ってみれば？”みたいな挑戦的な目でこっちを見てくるのよね。
その心意気やよし！こんなときに言葉なんてヤボなものはいらないわ。

でもストルティオってたしかに乗り心地はなんとも言えないのよね・・・
まぁそもそも人を乗せて走るつもりじゃないんだろうから何も言えないんだけど。
背中がせまいからすぐおしりからずり落ちそうになるし、かといって前に重心を乗せすぎると首がすごく細いから心配だし・・・
それにそこで下を向かれると今度は私が吹っ飛ぶのよね・・・何度顔面着地したことか。
地面が柔らかめの土で助かったけど、おかげで体中すりキズだらけよ！
途中何度か思ったけど、絶対何回かはワザとね、あれ。

で、やっと座るコツをつかんだと思ったら今度は・・・ほんとにあいつは風みたいに走るのよ！
まぁ多少ゆれるのは覚悟してたけど、ストルティオときたらそんなもんじゃないんだから！
もうなんか、おなかの中身だけ後ろに吹っ飛んでいきそうっていうの？
風なんかつかめそうなくらい重たいし（風が重たいって感覚、分かる？あれはいっぺん経験してみないとわからないかも！）
加えてあいつったら器用に左右にぐらんぐらんゆれるもんだから・・・食後に乗るのは絶対ダメ。

でも可愛いとこもあるのよ。
スキあらばいつも草を食べてるし、なにかあげると割りとなんでも食べちゃうし。
この前なんかは私のピアスにえらくゴシュウシンでちょっと大変だったけど・・・
なんかそういう食い意地はってるとことか他人とは思えないわ。これで口がきけたらたぶん私といい勝負だと思う。
ストルティオはうちに連れて帰れそうかなぁ・・・ちょっと危ないかしらね。キーツが乗るって言い出したら皆やりそうで怖いもの。







親愛なるグランマ。

そういえば乗り心地でいったらロンシーヌがいっとう良かったかも。
馬がよく乗り物にされてる理由がわかった気がするわ。


愛してる。

Day34.　Marygold

女は、彼女に刻まれた円陣を見る。
事実、呪術に心得のある女からすれば、何かしらの力をそこに感じたかもしれない。
女の表情は僅かに曇る。

それを待った、というのならば女は確かに待っていたのだろう。

木々がさやと鳴り、木漏れ日を形作る影が歪むその時を。
風に身を委ねる。

女が口を開く間もなく、その瞳に映る景色は別のものになっていた。
女は、一歩彼から身を引き、その顔を見る。

女はもう一度、ため息をつくように、ばかね、と自分に苦笑する。
気を取り直すように小さく首を振ったあと、女は再び口を開く。

言うだけ言って、躊躇うことなく、芝の上に腰をおろした。
そんな思い切りのよさとは裏腹に、手は所在なさげに辺りの草をいじっている。

彼の顔を見ることなく、視線はぼんやりと花の上を漂う。

芝をいじっていた手が止まる。
ごめんなさい、混乱してるわ……そんなようなことを彼女は呟いただろうか。
彷徨っていた視線は、ただ自分の爪先を見つめている。

切り替えるように、うん、と頷くと顔をあげた。

（彼女の記憶の欠片は現在「311」＋5＋ 1D5 = 4 ( 4 ) ）