や〜…お城って、本当に広いんですねぇ。
廊下だってのに私の家より広くて、目ぇ回っちまいそうですよ〜。

いやまぁ、人それぞれ、得手不得手というものがあるよな、うん。
ルリアンナは農業やってそうだし、料理のLvが高いのかもしれない。

……あの格好が擬態の可能性もあるけどさ。

ルリアンナに材料を渡した人かー……。
ラルフも一応ラルフ鉱なんて持ってたし、そっちの伝があるかもしれん。

そもそも、一揆の音頭を取っているらしいルリアンナ周辺の人間関係がまったく見えないというのが地味に怖い。背後が全然見えないって何なんだろな。

おおっと、思ったより食いつきいいな。実はあざみともちょくちょくやっててな、グローブとボールは一つずつ用意してあるんだ

それじゃ、とりあえずナターシャはこれをつけてくれ

これを俺が投げるから、ナターシャはグローブを使ってそれを取るんだ。そしたら、今度はナターシャが投げて、俺が取る。その繰り返しさ。まずは、こう構えて――それじゃ、いくぞー

……なんか、そんなに驚かれるといかに俺が安穏と暮らしてきたかがよーくわかるな

えっと、どこから説明したもんか……ああ、そもそもその魔物ってのがいないんだよ、俺の世界じゃ。せいぜいが猛獣くらいで、それもまぁ森の奥や山の中に住んでるのが普通だから、人里にはまず下りてこないし。下りてきてもナターシャのいうように機械の技術でなんとかなっちまうしなぁ

ま、おかげさんで新しい目標も見つかったし、この機会にいろんな世界を回るのも悪かないと思い始めてるんだけどな。一発逆転が見つかればそれはそれで、見つからなくとものんびりゆったりいくさ。応援ありがとな

またぞろぞろと……

――みんなっ、気を抜くなよっ！

あや、皆さんが王様だったか魔王様だったかの配下さんですかぁ？
・・・なんだか、魔王様呼ばわりされるんも分かる気がしますねぇ。