ｶﾁｶﾁ…………ｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁ


深夜に打鍵の音がこだまする

ｶﾁｶﾁｶﾁ………ｶﾁｬｶﾁｬ………ﾀｰﾝｯ！

「がちゃ…………がちゃ………はぁ………はぁ……ぁぁぅ」

「んふぉおぉぉぉうっ！？トランッ――――ザムッ！！！」

ｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬ………ﾀｰﾝｯ！

「まだよ………こんなところで……私は！」

ﾀｰﾝｯ！

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

（ﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝ

「先輩、せんぱーい？おきてくださーい！せんぱーい？あけてー？」

最近先輩の様子がおかしい、宿屋にこもりっぱなしで
もう丸一ヶ月部屋からでてこない。

一体先輩になにが・・・

ｷﾞｯｨｲｨｨｨｨ

「あっ先輩、もーやっとあけてくれた……おおぅっ！？」

先輩がドアの隙間からずりずり這い出てくる、
その怪しい動きに快活だった魔法少女の頃の面影はなく、
無残に頬はこけ、目に光は感じられない、
以前もそれなりに淀んだドブ川のような瞳をしてたけど今はまるで別物、
完全に仕上がってる。

「先輩ッ！？どうしたんですか？もう宿代もほとんどないんですよ？
え………？しるばー？ぷらちな？れあゆにっと？全滅？はい…はい……？？？借金？？？？」

ｷﾞｨｨｨｨｨﾊﾞﾀﾝ

「おいッ！開けろッ！閉じこもるんじゃねえッ！借金ってなんだ！？
どういうことだ！説明！説明してから死ねｯﾗｱｯ！？え？………親切な人が貸してくれた？
頑張って返すから？なんでもう消費し切った口ぶりなんです？？？
黒ゆにっと？開けろっ！いいから開けろッ！？
………あなたにはわからないでしょうね！？
おい！おいぃいいいいいいいいい！？」


私はスピ子、物理スカイスピリットの可憐なエンブリオガール
だけどもうこの旅も限界かもしれない