がさがさ、ぱちぱちぱち

「おうおうおう、結構いいスジしてんじゃん。」

両腕を高らかに挙げ、軽く拍手をしながら
男が木立の先から現れる。
短い金髪にサングラスをした青年
派手なTシャツに派手なハーフパンツにサンダル姿だ。


「…ふむ」

ざっと目線を走らせ

「取りあえず…殺気はない。敵の増援ではなさそうじゃが」
「なんか…面倒そうかな？」
「このにおい…きらい。」さっと後ろに下がって隠れる

「まぁまぁ！３人そろってそんな構えるなって。
　俺はアヴィドってんだ。強ぇ奴は嫌いじゃねぇぜぇー？
　ちらほら見かけるが、あんたらみんな一揆の連中だろぉ？
　いやぁ大いに結構、存分に暴れてくれると助かるわぁホント！
　頼りにしてっからよぉ！！」

手が大きく動きながら、冗談めかした口調で


「あぁそうそう、ドロワっつー黒髪のお坊ちゃんを見つけたら
　教えてくんねぇ？？リーゼロッテとかいう真っ白い美人さん
　連れてどっかにいると思うんだわ。」

「ふん。お主の都合だけを押し付ける、一方的な物言いじゃな。」

「それはわかっちゃいるんだけど、アホ親父の言いつけでなぁ
　はぁ、ちょっち・・・・・・・・シメねぇといかんのよォ。」

はぁ〜・・・と溜息をつきつつ、顔はニヤニヤしている。


「…虚偽はないが、駒として利用されてやる義理はないのぉ。」

「ちょ！コマッテいる人にそれはちょっとヒドイ仕打ちっしょ。
　ねぇカボチャのお兄さんもさぁ、なんとか言ってよ」


「ん…あんた、なに馬鹿な事を言ってるんだ？」


ゴーン！アヴィドがとどめをさされてつっぷすが
すぐにむくっと身を起こして

「馬鹿って………
　まっいいか。で、あんたら次はどこ行くんだ？」

「戦力強化のため、城に用があってそっち方面じゃな」


「あー、城ならあっちだぜ。大廊下に続いてるからよぉー、
　坊ちゃん捜索頼むわぁ。」

「それは引き受けておらん。探すのがお主の使命じゃろう」


「いや、結果良ければ手柄は関係ないわけで・・・っと、
　じゃべり過ぎたわ。そんじゃなー。死なねぇ程度に頑張れよー」


その男は、終始緊張感のない様子のまま
フラフラと立ち去っていった。